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東洋経済 / 「福島第一の汚染水対策で鹿島が果たした功績 ~ 汚染水流出リスク大幅低減に首相から感謝状」

2017年11月23日 14時45分28秒 | フクイチ原発事故
汚染水流出リスク大幅低減に成功した。安倍も喜んでいる由だ

(下記〔資料〕参照)。

しかし、別の心配が生じた。

流出を止められた地下水が関東を汚染している可能性だ

(拙稿「福島の地下水が関東に流れ込んでいる! 水の流入は、調べようがない。しかし、関東の人のストロンチウム汚染が酷いらしい」参照。*http://blog.goo.ne.jp/nrn54484/e/24e01d92805db37729359a884b8769a6)。


〔資料〕

「福島第一の汚染水対策で鹿島が果たした功績 ~ 汚染水流出リスク大幅低減に首相から感謝状」

   東洋経済(2016年04月18日)

☆ 記事URL:http://toyokeizai.net/articles/-/114201

4月10日、福島県いわき市で開催された「第1回福島廃炉国際フォーラム」(経済産業省資源エネルギー庁と原子力損害賠償・廃炉等支援機構による主催)で、大手ゼネコンの鹿島と子会社カジマ・リノベイトの作業チームに安倍晋三首相名の感謝状が授与された。

東京電力・福島第一原子力発電所の汚染水問題で最も緊急の解決が必要とされていたのが、「海水配管トレンチ」と呼ばれる地下トンネルに存在していた高濃度滞留水の除去。同トレンチは大量の高濃度汚染水が溜まっているタービン建屋と護岸近くのスクリーンポンプ室を結ぶ地下トンネルで、もともと多くの配管やケーブルが収納されていた場所だ。

原子力規制庁は2013年10月、第一原発2~4号機のトレンチ内にたまっていた汚染水除去などの抜本対策を東電に指示。それから2年余りが過ぎた2015年12月21日、約1万2000トンの汚染水を抜き取ったうえでセメントなどの充填材によりトレンチ内を閉塞(封止)する難工事を終え、高濃度汚染水の海洋流出リスクを大幅に減らすことに成功した。安倍首相からの感謝状は、この功績に対して与えられたもの。協力企業34社、作業者数207人を代表しての栄誉だった。

亀裂から汚染水が海へ

原発事故から1カ月後の2011年4月2日、東電は2号機取水口付近の電源ケーブルを収納するコンクリート製のピット(立て坑)内に亀裂を発見。その後、そこから約4.7×10の15乗ベクレルという途方もない放射能を含んだ汚染水約520立方メートルが海に流れ出していたと発表した。

ピットはトレンチを経由してタービン建屋とつながっていることが判明。試行錯誤の末に「水ガラス」と呼ばれる薬剤の注入で一時的に汚染水の海洋流出は止まったものの、トレンチ内の汚染水の除去と抜本的な止水対策が急務とされてきた。

それが今回、トレンチからの汚染水抜き取りとセメントによる封止により流出リスクの大幅低減にこぎ着けた。原子力規制委員会からも「トレンチについては監視レベルを下げてもいい」(更田豊志委員)という評価を得た。

海水配管トレンチからの汚染水抜き取りおよび封止工事ではきわめて難しい技術が求められた。技術陣の中心メンバーとして関わった鹿島の柳井修司・技術研究所上席研究員は、「タービン建屋に近いことから作業現場では放射線量がきわめて高かった。そうした中で作業員の被ばくを極力少なくするために、充填材の開発から施工の仕方までさまざまな工夫を凝らした」と説明する。

最適な充填剤を開発

その代表例が、水中を最長で85メートルもの距離を流れながら、水の中できちんと想定通りに固まるセメント系充填材の開発だった。

「通常の工事では充填材が流れる距離はせいぜい20メートル。ただし、その場合には地上からいくつもの立て坑を新たに掘って充填材を注入しなければならず、作業員が高線量の被ばくを余儀なくされる。それを避けるために、すでに存在していた立て坑を使って充填剤を注入することにした」(柳井氏)。

充填材の開発に当たっては、セメントやフライアッシュ、水中不分離性の混和剤など既存の材料の配合でやりくりした。というのも、トレンチ内を埋め尽くすために必要な充填材の総量が1万トン以上にも達するため、特殊な材料を使用するわけにはいかなかったからだ。

そのうえで、①長距離にわたって水中を流動すること、②配管やケーブルの周りなどにすき間無く充填できること、などの性能を発揮する必要があったという。

期待した性能を確認するために協力会社の敷地内に専用の試験設備を建設し、確認作業を繰り返した。また、現場では作業をスムーズに進めるために、第一原発構内で比較的放射線量が低い5、6号機付近に専用の製造プラントを建設し、運搬を含めて無駄のない作業ができるようにした。

作業員の被ばく低減を徹底

「作業員の被ばく量低減にも細心の注意を払った」と柳井氏は解説する。2~4号機のタービン建屋周辺は、3号機の水素爆発による瓦礫の飛散などにより、空間線量率が毎時0.5~5ミリシーベルト(毎時500~5000マイクロシーベルト)と、福島第一の構内でも特に高い場所だった。

それゆえ、通常のやり方では短期間での大量の被ばくが避けられないため、タングステン製のベスト着用やコンクリート擁壁の設置などの遮蔽対策を徹底した。そうした努力により、当初想定していた被ばく線量と比べて4分の1程度に抑制。鹿島広報室によれば1人当たり平均被ばく線量は3.69ミリシーベルトだったという。

凍結工法によるタービン建屋とトレンチの間の止水が思うようにいかないなどの苦労もあったが、最後には凍結による止水に成功。工事着手から1年余りで完了にこぎ着けた。

今回の内閣総理大臣名での感謝状授与に際しては、被ばく低減努力や無事故・無災害が評価された。

福島第一原発では昨年、高濃度汚染水(RO濃縮塩水)の処理完了やサブドレン稼働など汚染水対策が大きく前進した。それらのさまざまな対策の中でも、汚染水の海洋流出リスクを大幅に低減させたという点で、海水配管トレンチ封止が果たした役割は大きい。


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