のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

認知症の理解

2009年04月19日 17時54分32秒 | Weblog
認知症の介護にあたって、体調管理は特別の意味を持ってきます。どう特別かというと、本人に体調が不良として意識されず、原因の分からない不安感、切迫感等を与える場合があるということです。つまり、脳が委縮する程度に応じ、体の状態を感知するセンサー機能が十分に働かなくなっているため、熱があっても熱があると分からず、排便がなくとも、排便がないという異変に気づき難いのです。
昔は、認知症になった高齢者を“ボケ老人”なんて呼んでました。その延長線上で、認知症を捉えている方は多いと思います。その結果、何か問題行動があったとき、脳に障害があるために起こる妄想が原因と受け止められがちです。しかし、実際は、体調不良のために本人が困惑した結果取った行動だという場合も、結構あるようです。たとえば、次のような便秘が呼ぶ問題行動と言っていい事例が報告されています。
ある施設において、問題行動のあった方の60%の方に3日以上の便秘の症状があったので、毎朝、排便を促すケアーを行ったそうです。そうすると、徘徊等の問題行動が半分になったといいます。
認知症でなければ、「便意がある」→「トイレに駆け込まねば」という反応になるべきところ、センサー機能が鈍磨しているため、便意の代わりに漠然とした不安感、切迫感に襲われます。それが本人を徘徊等の問題行動に駆り立てるということです。だから、問題行動と思しき行動が見られた場合、介護者が体調の不良を疑ってあげねばなりません。それをしないとするなら、問題なのは、本人でなく、介護者だということになります。
参考までに、体調不良の典型的なものとしては、発熱と便秘の他に脱水症状と持病の悪化があげられるでしょう。いずれも怖いです。手遅れにならない内に気づいてあげたいものですね。最後に、心配の種を植え付けるようですが、今一度、確認の意味を込め、服薬だけでなく、日々気をつけなければならない最低限の諸点を、まとめておきます。
水の補給の程度。
②便秘か否か。
③発熱の有無。
④血圧や血糖値など(持病との関係)。
上四つの内、①が盲点かもしれないですね。高齢者でも、喉の渇きを意識できないはずがないと考えがちだからです。でも、意識するのが難しくなるようです。それが老化ということなのでしょう。ただ、排尿の量が少ないとき、水を普通に摂取すると心臓に過大な負荷がかかります。注意すべき点です。足にむくみがあるときなどは、早期に医者の診察を受けましょう。



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4 コメント

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再認識させていただきました。 (kikusino)
2009-04-19 20:14:26
日頃から、気をつけているつもりですが、驚くほど水分摂取量が少ない父。喉の渇きがあまり認識されないようです。どうして水分を…とこれからの季節、益々頭が痛いです。
また、顔を見ていると、不安なのかな?と思うことがありますが、どう対応して良いのか?と日々試行錯誤しています。
忠太さんのブログ、私にとっての助っ人です。
有難うございます。
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☆kikusinoさんへ (忠太)
2009-04-19 23:39:43
「水の補給」にリンク付けしたサイトに「飲みやすい濃度(個人によって異なる)にトロミをつけ,慎重に時間をかけて飲んでもらうしかない。」と記してありました。施設でも苦労しているようですね。
なお、「顔を見ていると不安になるのかな?」とコメにありますが、水を飲ませる際でしょうか。不安がってそうだったら、本人に直接「何か不安?」と尋ねて見てもいいかもしれませんよ。
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勉強になります (まま)
2009-04-20 08:24:08
おはようございます。
「ボケ老人」って言葉ありましたね。
あ、今も使う人いますね。。。
この言葉大嫌いです。
だってその人のすべてを否定しているみたいで…

私もいつかは両親の介護をする人間です。
一人っ子なので私がやらなくては。
体調管理が大切なのですね。
本人の自覚がなくても周りがきちんと気をつけてあげないといけない。
難しいけれど勉強になりました。
ありがとうございました。
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☆ままさんへ (忠太)
2009-04-20 20:14:32
一緒にいるだけでも、親御さんにとって、大きな心の支えになります。自分を信じて親御さんの力になってあげて下さい。
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