空飛ぶじゅうたん

もう秋口なのに毎日毎日、浴びる程の汗をかいて仕事。
朝からうっとうしいよくしゃべる土方の幹部と話したり、自分は極道のはしくれだと
何故かおいらに自慢してくるガードマンと話したり、はたまた災害復旧工事をしてやっとるのに近隣からうっとうしい愚痴を言われたり、

全部めんどくさい。

誰もかまうな。黙って動かせてくれ。
もう聞き飽きた。暇つぶしの戯言はおいらにゃ薬にも毒にもならん。

転職したい。

息するだけでたくさんお金もらえる仕事にありつくのだ。
法に触れてもかまわんからあったらやるぜ。

地上数10mの足場の上、毎日鷹が低空飛行をして戯れてくるのがわかる。
鷹と同じ目線に立ってみる。
赤やら黄色やらの屋根だらけ。

鳥って毎日楽しいんかな。
空から見たら全部が全部どうでも良い事なんかもしれん。
この世の中やおいらが日を増すにつれて、おかしくなっていってる事も
あの鷹には関係ございません。

ただ毎日の飯の支度だけで他にはなにもいらんあの生活に憧れさえ感じる。


そうこうしとるまに夕方。
元請けというか、おいらを世話してくれとる人がそのさらに上、ゼネコンから賃金を値切られしぶられ、金に底をつき苦しんどったから、
サラ金屋のカードを新規で作ってお金貸してあげた。

好感度と馬鹿さがUP


しかし金融屋もなんでおいらに50万も貸してくれたんであろうか。
自営業強し。
他の金融屋の借金なしは強し。

別に貸した人を完全に信用しとるわけではない、そもそも人間等わからぬものだ。
手のひらなんて金や物欲、性欲でいくらでもひっくりかえる。
しかしそれ以上に金に執着がないので逃げられても別にかまわん。
自分が青かったと反省するのみ。

所詮誰だって１００万あれば１００万の生活するし、10万なら１０万の生活する。
なんとでもなるんだって。

目がお金のマークになるなんておいらはかっこわるくってズキズキしちゃう。










飲みに行って帰宅すればもうこの前のオービスの件で警察から出頭命令がきとった。

非常にめんどくさい。

前歴ありの３点にこの前スピード違反で12点加算、確実に免許取り消し。
でも気にしない。
人間の免許も、政府の犬になる免許も、おいらは物心ついた頃にとうに捨てたわ。
おまわりどもめ、いつでも逮捕しにこい。
絶対金なんか払わんし、罰則など受けるか。


逮捕が恐くてスラムで生活できるか。


んー、めんどくさい。
空飛ぶじゅうたんで仕事行こっ。