先月9月19日に輪島港(マリンタウン客船埠頭)に寄港していた海上保安庁海上保安学校の練習船「みうら」をえい航していた地元のタグボートが転覆し2人が死亡といういたましい事故が起きましたが、2011年10月13日、事故の鍵を握る練習船「みうら」の船長(59)が、さいたま市にある自宅付近で自殺、死亡していたことが分かりました。
■読売新聞2011年10月14日配信
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news/20111013-OYT8T01259.htm
タグボート転覆 練習船船長自殺
真相聞けず、遺族「残念」 七尾海保船長立件へ捜査継続
輪島市の輪島港で9月、海上保安学校(京都府舞鶴市)の練習船「みうら」を引航していたタグボートが転覆し、乗組員2人が死亡した事故で、練習船の男性船長(59)が死亡していたことがわかり、乗組員の遺族からは、「船長の口から本当のことを聞きたかった」と残念がる声が聞かれた。事故を巡っては、別のボートの乗組員男性が、「みうらに引っ張られた」と証言しており、七尾海上保安部は、船長の業務上過失致死容疑での立件に向け、捜査を続ける方針。
船長は13日朝、さいたま市の自宅近くの公園で遺体で見つかり、埼玉県警は自殺とみている。同校によると、船長は7日から12日まで休暇を取っていたが、休暇中に13日の有給取得を追加申請していた。七尾海保によると、船長への事情聴取は9月19日の事故発生以降、同月27日まで数回行われ、特に変わった様子はなかったという。
事故で亡くなった広瀬若光さん(当時46歳)の兄、広吉(ひろきち)さん(59)は13日、読売新聞の取材に対し、「非常に残念。船長の口から本当のことを聞きたかった」と、無念そうに話した。
広吉さんは、通夜から数日後、自宅を訪れた船長に「この場で本当のことを言えば事情聴取も必要ないのではないか」と詰め寄ったが、船長は「今は何も言えません」と答えたという。
広吉さんは、船長が位牌(いはい)に向かい、2~3分間、手を合わせて焼香したことが印象的だったといい、「罪の意識があるような苦しそうな様子で、声も聞こえないほど弱々しかった」と振り返った。
船長は、広吉さん宅を再訪する予定だったといい、広吉さんは「何らかの報告があり、船長が謝るのではないかと思っていた。事実が報道された後でもいいから、船長の口から直接聞くことができれば、気持ちも晴れたかも知れない」と複雑な胸中を明かし、「海保には事故の経緯をしっかり説明してほしい」と求めた。
成瀬永年(ながとし)・七尾海上保安部長は「船長ら関係者に任意の取り調べを行うなど、適正に捜査してきた。今後も粛々と捜査を行う」とのコメントを出した。
事故発生は先月9月19日。
海上保安学校の訓練生らが乗り組んでいた練習船「みうら」は雨風が強く自力で出港できなくなったため地元のタグボートに沖合への曳航を依頼しましたが、輪島港内を曳航中にタグボートの転覆し、船長水谷一義さん(63)と乗組員広瀬若光さん(46)が海に投げ出されて死亡しました。
七尾海上保安部では業務上過失致死容疑で捜査していて練習船船長の事情聴取は先月までに終えていたそうです。
御冥福をお祈りいたします。