noriba-ba's garden

吹屋ふるさと村紀行その4

吹屋ふるさと村紀行の最終目的地は吹屋の町並み。

標高550mの山嶺に江戸時代から明治にかけて
銅山とベンガラの町として全国に知られたここ吹屋町。

町並みの旧街道沿いに、ベンガラ格子に赤銅色の
石州瓦が印象的な風情佇む商家、町屋が立ち並ぶ。
国指定重要伝統的建造物群保存地区でもある。

その中核的な建物として、一般公開されているのが
宝暦9年の創業から200年余りに亘り吹屋ベンガラの
製造販売を手掛けた老舗商家の旧片山家住宅。

江戸時代後期に建てられたという母屋の土間と店の間。
黒光りするほどに磨きこまれた板張りが歴史を物語る。

母屋の広々とした座敷には、銘木がふんだんに使われ
その昔、商いの接客の場であったことがしのばれる。

長い歴史の中で商売の隆盛とともに増築を重ねたらしく
内部はかなり入り組んで、まるで忍者屋敷のよう…。
特に二階の家人の部屋に上がる階段は細く急な造りで
足を踏み外さないかとヒヤヒヤドキドキして面白かった。

中庭は落ち着いた雰囲気の日本古来の伝統的な庭園。

母屋を出て奥に行くと、ベンガラ蔵や米蔵、玄米蔵など
たくさんの立派な蔵が威風堂々と立ち並んでいた。

中には手の込んだなまこ壁で仕上げられた蔵もある。

道具蔵の中には、片山家所蔵の歴史的な書物や…

昔、この家の子どもたちが遊んだと思われる玩具…

そして、こんな古式ゆかしい木馬まで展示してあった。

たくさんの歴史的見どころにあふれた旧片山家住宅。
近世ベンガラ商家の典型として、高く評価され
平成18年には国の重要文化財に指定されたそうだ。

いつの時代も、貧しい庶民の暮らしも当然あっただろうに
悲しいかな、歴史に刻まれ保存されることはまずない。
こうした栄華を極めた裕福な一握りの人々の遺産を
眺めながら、笹畝坑道で働いていた多くの貧しい人々の
暮らしに思いを馳せると、何だか切なくなる。


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