ボギイはいつも寝ている

              

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ボギイとの別れ 11月15日 15時39分    

2012-12-16 | 気分的にその他


(中略)

 塚ちゃん(仮名)の運転する自家用車は、ナビに従いスイスイと
前へと進んだ。とりわけ急いでいる訳じゃないから、3人で冗談を
言いながら道中を楽しんでいた。

 そのとき、午後3時39分。妻からのメールが届いた。何気なしに
助手席でメールを開くと



「ボギイがしんだ」と書いてあった。



 なに?!お昼休憩の時には、今日手術して、今夜は病院に泊り、
明日退院じゃなかったのか? ボギイがもう居ない?

 急いで妻に電話した。

 妻は泣いていた。やはり、麻酔が心臓に負担をかけたみたいだ。
手術をした先生がまだ暖かいボギイを抱いて、妻の車に乗せて
くれたそうだ。

 ボギイが今日手術をすることは、同乗の二人には話して合ったから、
「ボギイが死んじゃった」と告げると、二人とも驚いていた。

 沈黙がつづいた。空気が重い。涙が出そうだ。我慢する。
 これからビーチワイルドさん(仮名)の車が駐車してある
小山駅一つ宇都宮駅よりの小金井駅まで、塚ちゃん(仮名)が
送ってくれるという。それならば私もそこで降りて、東北線に
乗り換えて、自分の車を駐車してある駅で降りることにした。

 小金井駅:午後4時48分の電車に乗り、午後5時いつもの
駅で下車、急いで車に乗り妻の実家に向った。

 妻に電話をしたとき、病院から引き取られたボギイはひとまず
妻の実家に預けられていると言っていたので、今度は私の車で
自分(ボギイ)の家まで送ってあげることにした。

 午後6時30分、帰宅ラッシュで時間を取られたが、妻の実家に
着いた。両親に挨拶をし、茶の間に横になっているボギイに会った。
涙が出て来た。だけどまだ我慢した。身体を撫でてあげるとまだ
肌が暖かい。あふれ出る涙を我慢した。まだボギイは我が家に戻って
来ていない。ボギイを我が家まで連れて返らなければいけない。

 どれだけ時間が流れたがわからないけど、誘われた夕食を
断って、ボギイを車に乗せた。「ボギイ帰るぞ!」
 返事の無いボギイを乗せ、まだまだ涙を我慢して片道10分の
道のりを、渋滞に紛れながら20分かけて帰ってきた。

 玄関の扉を開け、ボギイを抱えて何処に置こうか迷ったけれど、
今日だけは昨日まで3人でいるときこの頃寝て“居る”、いや
“居た”場所に寝かせてあげることにした。

 ボギイを置いて身体を撫でると、まだ暖かい肌のぬくもりを
感じる。いままで人前で我慢していた涙が、堰を切ったように
流れてくる、止まらない。午後3時39分から堪(こら)えていた
涙が止まらない。鼻水も出てくる。本当に今朝まで私のベットの
横で寝ていたのに・・・。そして、今朝ボラエキに行くときに
頭を撫でて出て行ったばかりなのに・・・。ボギイの食事も最近
買って来たばかりなのに・・・。来年の1月で14歳になるのに。

 泣いてばかりいられない。これからの時間は着替えをしたり、
家のカーテンを閉めたり、風呂の用意をしたりと、普段通りの
動きをしなくては、これはボギイが生きていた昨日も同じことを
して来た。ボギイはここで寝ているだけだ。

 私は普段に戻らなくてはいけない。

 いつものポジションで寝ているボギイを見降ろして、いつもの
生活の歯車に戻った(戻した)。

 いつも通り、風呂に入って出て来ては夕食を食べながら発泡酒
そして日本酒を飲む。食後は、PCを開いてメールのチェック。
(この頃コード?接触が悪いのか、この日もオンラインになるまで
時間がかかった)それは今日に限って良いことだった。違うことを
考えられるから・・。

 午後10時過ぎに妻が帰宅した。既に私が妻の実家から
連れ帰ったことは知っている。そしていつもの場所でボギイが
寝ているを直ぐに見つける前から泣いていた。その姿を見たら
また涙が出て来た。自分でも驚く。どんなに泣いても涙が枯れない。
 今度は妻を見て涙が止まらない。妻の哀しむ姿に涙が止まらない。

 二人で泣いた。ポッカリと開いた穴を塞ぐように泣いた。しかし、
いつまでも泣いて居られない。普通に、普通の生活にそして普通の
感情に戻らなければならない。そして涙を引きずらないように
しなくてはいけない。そうしないとボギイが哀しむだろうから。

 気持ちが落ち着いた時、妻が言った。
「仕事中に急に犬臭かったから、周りの人に“犬臭くない?”って
聞いたら、その後直ぐに、病院から電話がかかって来て、ボギイが
亡くなったことを聞かされた」って。

 ボギイは最後、妻に会いに行ったんだな~。よかったよかった。
それを妻が感じることが出来て・・・・・。

 午後11時過ぎ、「ボギイ!寝るよ」私が寝るときにボギイに
かける言葉である。そうするとこの頃では自力であがれなくなって
いた階段の所に来て、私に抱えられニ階の私のベットの横に
座らせるのである。
 この頃の二人のお休みタイムだ。私は布団の中に入り、ボギイは
毎日のように身体を絨毯に擦りつけてから眠りに着くのである。

 今日は最初から最後まで私に抱きかかえられ、ニ階のボジションに
ついた。明日の朝また会おうな。

 限りなくいつものように本を読み、眠くなったら朝起きる。
ベットの下を見ると、ボギイは既に寝ている。いつもと変わらない
就寝前のひと時であった。眠くなってきた。

 そして15日が過ぎた。

 現在(12月中旬)ボギイは、我が家の庭で寝ています。
 朝起きて新聞を取りに行くとき「ボギイおはよう!」って
声をかけ、仕事へ行くときは何も言わず(「行って来る」と
言うと吠えるからいつもソッと仕事に行っていた)、帰宅時には
「ボギイ只今!」って声をかける。
 ボギイからの返事は無い。 それでもボギイはここに居る。



 「ボギイはいつも寝ている」






 

 

 

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