『怜-Toki-』 第2局
以下、『怜-Toki-』最新話の感想になりますので未読の方はネタバレにお気を付けください。
(前回の感想はこちら→『怜-Toki-』 第1局 「折衝」 感想 新友はやがて親友になり、信友になって心友になる。)

『怜-Toki-』2話同時掲載、第2局の扉絵は竜華と竜華のフトモモを狙う怜。もうこの頃から怜は竜華のフトモモをマークしていたのか。枕神としての才能はこの頃から開花していたんじゃん。やったね!
前回、お互いの「大切な人」にはならないという条件で、友達になることを約束した怜と竜華。
余談だけど、第1局のラストで約束を交わした瞬間から、怜は竜華のことを「竜華ちゃん」と、竜華は怜のことを「怜ちゃん」と名前で呼び合っているのを見て、『魔法少女リリカルなのは』リスペクトかなと少しなのはさんとフェイトちゃんが頭をよぎったじぇ...。なのはシリーズで友達と言えばそれ即ち「なまえをよんで」ですからね。『なのは』大好きのめきめき先生ならではの演出かなと思ったり...。わからんけど。
さて、「友達」として積極的に接してくる竜華に対し、怜は竜華の提示した条件が引っ掛かり、思うところがある様子。

おままごとの『お友達』。一体どんな意図があって彼女は自分にお友達ごっこを提案してきたのか。持っている人間の気まぐれなお遊び?もしそうなのだとしたら怜が言った通り、そもそもその遊び相手として怜を選ぶ理由がわからない。どうして、怜を知っているのか。どうして怜にこだわるのか。清水谷竜華というおんなのこと一緒にいれば一緒にいるほど、分からないことが増えていく。
だが、意味不明でめちゃくちゃで何考えてるかわからないけれど、そんなミステリアスな竜華に対して「きらいやない」という感情を抱く怜。そして、怜と竜華は放課後、お互いに「遊ぶもの」を持ちより、公園で遊ぶことになった。

竜華が持ってきたバドミントンで遊ぶ怜ちゃんは若くして体力の限界を感じるのであった...。ラリーが1回しか続かないという絶望的なまでの運動音痴っぷり。成績も良くなく、このレベルで運動も苦手で、友達もいない。この惨状を見ると、「生きるんってつらいなぁ」という言葉の重みが跳ねあがるじぇ...。
バドミントンをチョイスした竜華とは対照的に怜が持ってきたものは、

公園で積み木・・・。怜が積み木好きというのも意外だが、公園で積み木をして遊ぶというのがもう最高にクール。しかもお気に入りの積み木を持っているというのは完全にツッコミ待ちとしか思えない(笑)竜華とは別ベクトルで不思議ちゃん過ぎる。
だが、怜が積み木を人生に喩えたところはなるほどと思った。積んだら積んだぶんだけ高くなっていく。そして崩れるときは一瞬であると。でも、そうであるなら、崩れたらまた何度だって積み直せばいい。諦めなければ必ず次に繋がる。積み木の喩えは言外にそれを示唆しているようでさえあった。小学生の会話とは思えない深さだじぇ.....。
怜の人生観の一端に触れ、再び意味深な発言をこぼす竜華。そして、自分を見つめる竜華の表情を見て、今までとは違う毎日が始まる予感を怜は感じていた──。
公園を後にした2人は、竜華の祖母の家に向かうことに。母が忙しく、祖母の家から学校へ通うことも多いため、竜華はお祖母ちゃん子のようだ。

怜と竜華とお祖母ちゃん。人数は3人。3人揃ったらやることは一つ。そう、麻雀である。第1局では麻雀を打つ雰囲気が全くなかったけど、ここで初めて怜と竜華は麻雀を打つのね。
積み木の音と似ていることから麻雀牌を気に入る怜。積み木と麻雀牌。積み木は人生の比喩であり、麻雀もまた彼女にとっては人生そのものになっていくだろうことを想起させる。こういう読ませ方は素直に上手いと思った。

おおまかなルールは知っているようだが、ほぼ初心者の怜はお祖母ちゃんに連続で放銃し、半ば戦意喪失気味。まぁ、怜がヘタっぴであることも確かだろうが、初心者相手に
単騎で待つお祖母ちゃんもなかなかに容赦がない。
だが、苦境に立たされた怜が簡単に勝ちを諦めようとしたとき、お祖母ちゃんは一つ、怜に大切なことを説く。

このシーン、深いね。空っぽの点棒と空っぽの人生。運動もできない成績もよくない、友達もいない。何もないことにあきらめ、省エネ学校ライフを送ろうとしていた怜に向けて語られる「あきらめなければ必ず次に繋がる」という力強い言葉。
その言葉に背中を押され、何かを感じた怜は再び卓上という現実に立ち向かう意志を取り戻した。













その意志に呼応するかのように怜は
待ちでリーチを掛ける。そして、

状況を冷静に分析──もとい空気を読んだ竜華は大明槓でドラを増やし、怜の当たり牌である
切りを選択。竜華の気遣いとは知らず、和了ることが出来た怜は確かに自分の力で点棒を手に出来たのだと喜ぶのだった。

竜華とお祖母ちゃんとの対局は、何もなく空っぽだった怜に確かな何かをもたらした。そして、そんな怜の表情を見て竜華は何を想うのか...。怜が和了った時のお祖母ちゃんの表情を見ると竜華の差し込みは決して良い影響を与えるとは限らなそうなのが気になるところ。
第1局の導入も凄く良かったけど、第2局はそれ以上に非常に話の練り方が上手い。積み木を人生に喩え、積み木を麻雀牌になぞらえることで、麻雀もまた彼女にとっては人生そのものになっていくことを想起させ、空っぽの点棒を空っぽの人生と対比させることで、たとえ空っぽでもあきらめずに積み重ねていくことで次に繋がる結果をもたらすことを示唆している。そして、竜華の好意によって怜が和了れた描写は、空っぽだった怜の人生の可能性を開花させる上で、竜華という存在が大きく関わってくることを思わせる。それをこの1局の麻雀で表現するというのがもう凄いとしか言いようがない。
いやーほんとにおもしろい。メッセージ性のあるテーマを麻雀で表現するという手法。すばら過ぎるね。『怜-Toki-』、まだ2話目にして今後の展開にとても期待出来るのでちょーおすすめですね。
次回は7/25号で掲載予定。
以下、『怜-Toki-』最新話の感想になりますので未読の方はネタバレにお気を付けください。
(前回の感想はこちら→『怜-Toki-』 第1局 「折衝」 感想 新友はやがて親友になり、信友になって心友になる。)

ええフトモモやな(怜思う、小5の春)
『怜-Toki-』2話同時掲載、第2局の扉絵は竜華と竜華のフトモモを狙う怜。もうこの頃から怜は竜華のフトモモをマークしていたのか。枕神としての才能はこの頃から開花していたんじゃん。やったね!
前回、お互いの「大切な人」にはならないという条件で、友達になることを約束した怜と竜華。
余談だけど、第1局のラストで約束を交わした瞬間から、怜は竜華のことを「竜華ちゃん」と、竜華は怜のことを「怜ちゃん」と名前で呼び合っているのを見て、『魔法少女リリカルなのは』リスペクトかなと少しなのはさんとフェイトちゃんが頭をよぎったじぇ...。なのはシリーズで友達と言えばそれ即ち「なまえをよんで」ですからね。『なのは』大好きのめきめき先生ならではの演出かなと思ったり...。わからんけど。
さて、「友達」として積極的に接してくる竜華に対し、怜は竜華の提示した条件が引っ掛かり、思うところがある様子。

友達とは
おままごとの『お友達』。一体どんな意図があって彼女は自分にお友達ごっこを提案してきたのか。持っている人間の気まぐれなお遊び?もしそうなのだとしたら怜が言った通り、そもそもその遊び相手として怜を選ぶ理由がわからない。どうして、怜を知っているのか。どうして怜にこだわるのか。清水谷竜華というおんなのこと一緒にいれば一緒にいるほど、分からないことが増えていく。
だが、意味不明でめちゃくちゃで何考えてるかわからないけれど、そんなミステリアスな竜華に対して「きらいやない」という感情を抱く怜。そして、怜と竜華は放課後、お互いに「遊ぶもの」を持ちより、公園で遊ぶことになった。

バドミントン
竜華が持ってきたバドミントンで遊ぶ怜ちゃんは若くして体力の限界を感じるのであった...。ラリーが1回しか続かないという絶望的なまでの運動音痴っぷり。成績も良くなく、このレベルで運動も苦手で、友達もいない。この惨状を見ると、「生きるんってつらいなぁ」という言葉の重みが跳ねあがるじぇ...。
バドミントンをチョイスした竜華とは対照的に怜が持ってきたものは、

積み木
公園で積み木・・・。怜が積み木好きというのも意外だが、公園で積み木をして遊ぶというのがもう最高にクール。しかもお気に入りの積み木を持っているというのは完全にツッコミ待ちとしか思えない(笑)竜華とは別ベクトルで不思議ちゃん過ぎる。
だが、怜が積み木を人生に喩えたところはなるほどと思った。積んだら積んだぶんだけ高くなっていく。そして崩れるときは一瞬であると。でも、そうであるなら、崩れたらまた何度だって積み直せばいい。諦めなければ必ず次に繋がる。積み木の喩えは言外にそれを示唆しているようでさえあった。小学生の会話とは思えない深さだじぇ.....。
でも少しだけわかる...かも
こういうの触ってると 嫌なこととか忘れて無心になれるときがあるから
こういうの触ってると 嫌なこととか忘れて無心になれるときがあるから
怜の人生観の一端に触れ、再び意味深な発言をこぼす竜華。そして、自分を見つめる竜華の表情を見て、今までとは違う毎日が始まる予感を怜は感じていた──。
公園を後にした2人は、竜華の祖母の家に向かうことに。母が忙しく、祖母の家から学校へ通うことも多いため、竜華はお祖母ちゃん子のようだ。

麻雀
怜と竜華とお祖母ちゃん。人数は3人。3人揃ったらやることは一つ。そう、麻雀である。第1局では麻雀を打つ雰囲気が全くなかったけど、ここで初めて怜と竜華は麻雀を打つのね。
積み木の音と似ていることから麻雀牌を気に入る怜。積み木と麻雀牌。積み木は人生の比喩であり、麻雀もまた彼女にとっては人生そのものになっていくだろうことを想起させる。こういう読ませ方は素直に上手いと思った。

お祖母ちゃん強し
おおまかなルールは知っているようだが、ほぼ初心者の怜はお祖母ちゃんに連続で放銃し、半ば戦意喪失気味。まぁ、怜がヘタっぴであることも確かだろうが、初心者相手に

だが、苦境に立たされた怜が簡単に勝ちを諦めようとしたとき、お祖母ちゃんは一つ、怜に大切なことを説く。

あきらめたらだめ
たとえ点棒空っぽでも あきらめたらだめ
あきらめなければ 必ず次に繋がるからね
あきらめなければ 必ず次に繋がるからね
このシーン、深いね。空っぽの点棒と空っぽの人生。運動もできない成績もよくない、友達もいない。何もないことにあきらめ、省エネ学校ライフを送ろうとしていた怜に向けて語られる「あきらめなければ必ず次に繋がる」という力強い言葉。
その言葉に背中を押され、何かを感じた怜は再び卓上という現実に立ち向かう意志を取り戻した。













その意志に呼応するかのように怜は



竜華の選択
状況を冷静に分析──もとい空気を読んだ竜華は大明槓でドラを増やし、怜の当たり牌である


麻雀との出会い
竜華とお祖母ちゃんとの対局は、何もなく空っぽだった怜に確かな何かをもたらした。そして、そんな怜の表情を見て竜華は何を想うのか...。怜が和了った時のお祖母ちゃんの表情を見ると竜華の差し込みは決して良い影響を与えるとは限らなそうなのが気になるところ。
第1局の導入も凄く良かったけど、第2局はそれ以上に非常に話の練り方が上手い。積み木を人生に喩え、積み木を麻雀牌になぞらえることで、麻雀もまた彼女にとっては人生そのものになっていくことを想起させ、空っぽの点棒を空っぽの人生と対比させることで、たとえ空っぽでもあきらめずに積み重ねていくことで次に繋がる結果をもたらすことを示唆している。そして、竜華の好意によって怜が和了れた描写は、空っぽだった怜の人生の可能性を開花させる上で、竜華という存在が大きく関わってくることを思わせる。それをこの1局の麻雀で表現するというのがもう凄いとしか言いようがない。
いやーほんとにおもしろい。メッセージ性のあるテーマを麻雀で表現するという手法。すばら過ぎるね。『怜-Toki-』、まだ2話目にして今後の展開にとても期待出来るのでちょーおすすめですね。
次回は7/25号で掲載予定。
今後も期待ですね!