Saxophonist 宮地スグル公式ブログ

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イタリア旅行1/ローマ初日

2014年05月29日 15時56分33秒 | イタリア旅行2014
まずはプロローグ。
いきなり言い訳もなんだが、こないだカンボジアに行ったばかりだろ、と言われそうなので・・・。

別にお金が有り余ってるわけでもなく、突然親の遺産を相続したわけでもなく、保険金詐欺をやったわけでもなく(笑)、相変わらずの慎ましい生活を日々送っているのだが、年に一回は海外に行って、文化的な刺激を受けなければ、自分の芸事は確実に錆びてしまうと思う。幸い、僕には物欲というものが全くなく、高価な車やブランド品などには全く興味が無い。大量消費をとことん嫌い、日常品でさえ自分で修理して長く愛用する。一般の人がモノにかけるお金を全て旅に費やしているだけだ。モノより経験の方が僕には重要だ。

海外に行く度に日本人が如何に内向きで国内の事にしか目が向いてないかってのを思い知らされ、聴衆の大半が日和見的で流行りものにしか見向きもせず、独自的な活動をすればするほど相手にされない状況で、己の美意識やオリジナリティーまで否定された様な気になり、日本に居ると不安になる。そこで海外に行き、見たかったもの、本場のものに触れる度に、自分の普段感じているものが決して間違ってはいなかったと確認が出来るのだ。

カンボジア行きは随分前から決まっていたのだが、色々ラッキーな事が重なり、とてつもなくお安くイタリアを旅出来る事が判明したのが今年になってから。貯金通帳とにらめっこして、かなり迷ったのだが、やはりこのチャンスを逃す手は無い。しかも、イタリアと言えば、2008年にモロッコ・ヴォルビリスで初めて触れて以来虜になった、古代ローマ遺跡の本拠地であり、遺跡マニアとしては本丸中の本丸である。イタリアン・ジャズにも触れてみたい。
他の何処でもない。イタリアが最も行きたい国No1だったのだ。こうして、思い切って成田から飛び立ったのである。


成田からアリタリア航空で約12時間のフライト。いつも通り、雨男の僕のお蔭で出発はご覧の通り。
アリタリア航空と言えば、ストが大好きな航空会社で常にちゃんと飛ぶかが不安なのだが、今回はちゃんと飛んでくれた。

12時間、ほぼオンタイムでフィウミチーノ空港(レオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港)到着。入国手続きは長蛇の列。どんだけ厳しいねん・・と思っていたら、結構チェックは適当。うわっ、イタリアって感じ。


空港からローマ・テルミニ駅までは30分に1本のシャトル・トレイン「レオナルド・エクスプレス」で。
こいつが理由も無く1本間引き運転して、とことん待たされたおかげで、またもや「イタリア人、仕事しない」・・って先入観が強く植え付けられてしまった。


テルミニ駅到着。
間引き運転のお蔭で、ローマの街はすっかり暗闇に包まれた。ローマで最も治安が悪いとされるテルミニ駅から徒歩でホテルへ。当然、ビビっている。「近づいたら殺す」のNYモードで睨みを利かせつつローマっ子を牽制しながらホテルにチェックイン。シティー・ホテルの様な所だけど、ローマは物価も高く決してお安くは無い。しかし、コネのお蔭で有難い事に安く泊まらせて戴いた。その代り、メインの電灯が点かない、セイフティーボックスが開かない等のトラブルが続出して、フロント・デスクとお友達になれるくらい電話する事になった。ま、海外旅行ではよく有る事。

さぁ、早速、夜のローマに出かけよう。今回、イタリア経験者から治安の悪さを散々指摘されたので、NY時代を思い出して貴重品・大金は持ち歩かない事を心に決め、細心の注意を払って行動する事にした。

100均で買い揃えた自作の超小型サイフ。必ずベルトに紐を通してスリ対策は万全。50ユーロ以上は入れない。


「ローマの休日」でお馴染みの「スペイン広場」Piazza di Spagna。
トリニタ・デイ・モンティ教会もバッチリ見えて雰囲気最高。しかし、まだビビっている僕は、ロマンチックな気持ちにもならないし、ジェラートを食べようとも思わない。誰かが近づく度にサイフの紐を握りしめる。


スペイン広場近くのGregory's Jazz Clubへ。
なんと22時開演!英語が通じるか不安だったけど、お店の人はみんな愛想よく、丁寧に対応してくれた。どうせイタリア人だし、ジャズだしスタートは遅れるだろう・・と高をくくって開演時間より少し遅れて入ったら既にライブはスタートしていた。あれ??このあたりから、イタリア人の意外性を少しずつ発見する事になる。


2階のライブ・スペースに通されると、そこは超満員で熱気むんむん。なんとか空いてる席に座らせてもらった。

今日の演奏はRosario Giuliani Quartet。Rosario Giuliani(as,ss), Roberto Tarenzi(p), Dario Deidda(eb), Marco Valeri(ds)。
リーダーのロザリオ・ジュリアーニはリーダー作も何枚かリリースされており、2012年には来日も果たしている。事前にYouTubeでチェックしていたのだが、その音源ではケニー・ギャレット風な音色でポスト・ビ・バップからコンテンポラリーといった演奏のイメージが有った。僕にとっては少し懐かしい音楽だろうか。店内には美しいソプラノの音が響いている。


アルトにチェンジ。
やはり、ケニー・ギャレット風ではあるが、もう少し円やかな感じだろうか。面白い事に、フレージングはマーク・ターナーぽっくて、そのアンバランス感が面白い。曲調も少し難解ではあるが、変拍子を前面に押し出す感じではない。今のトレンドを押さえつつ、あまり遠くに行き過ぎない。超高速曲でもバンド共々一糸乱れぬ素晴らしい演奏。店内が極端にデッドなせいか、バンド全体の音量は小さく感じたが、それが締った音になり好感が持てる。まぁ、あまり派手とはいえないけど。スタンダード調の曲ではよりビ・バップに近づき、ペンタトニックを織り交ぜながら、僕ら世代には嬉しい演奏をしてくれた。

観客は英語を話す人も多かったので、恐らく観光客が多いのであろう。世界各国のライブハウスを訪れていつも思う事だが、日本のライブハウスも、もう少し外国人観光客を呼び込む努力をするべきだと思う。僕はと言えば、時差ぼけのせいで数曲の何箇所かで深い眠りに堕ち、舟を漕いでしまった事が非常に悔やまれる。チャージは20ユーロで140円計算だと2800円。海外のライブとしては決して安い方ではないし、ちょうど日本と同じくらい。ワンドリンク付いてるので、高めのカクテルを注文した。


ライブを観終わり、トレヴィの泉へ。


0時をとおに過ぎてもこの人だかり。昼間はどうなってるんだろう。

 
不安になりながら、例のコインのやつを。まぁ、でも、他の人達も結構、写真撮りまくってて意外と和やかな感じ。


トレヴィの泉を後にする。
午前1時・・・。交通機関は終了。タクシーとの値段交渉に不安も。という事で、歩いてホテルに帰るか・・・って、こっちの方が不安も多いじゃないか。しかし、タクシーを止めようにも、細い路地が多いローマはタクシーを拾うのに太い幹線道路まで結局は歩かなければならない。で、幹線道路に出たらタクシー拾うには距離的に勿体ない。って事で、ローマ初夜から怯えながらトボトボ30分以上歩いてホテルに帰ったのであった。帰った途端気絶。明日は朝からいよいよ古代ローマ遺跡ツアーだ。


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