先日「最前線パン」を読み飛ばした理由についてのうだうだした考察を、やっぱり書くことにする。
そう、「最前線パン」を無視したというのも根拠がないわけではないのだ。少なくとも「最前線パン」は「連合軍パン」「緊急事態パン」ほど変に感じられなかったのも事実だからだ。そこに「空襲パン」「同盟軍パン」とかが出てきたりしたら、いくらなんでも私も立ち止まっただろう。ちなみに次の例文の()内は読んだときにとると思われる行動である。
大好きなのが、近所で売っている連合軍パン。(立ち止まる)
大好きなのが、近所で売っている緊急事態パン。(立ち止まる)
大好きなのが、近所で売っている空襲パン。(立ち止まる)
大好きなのが、近所で売っている同盟軍パン。(立ち止まる)
大好きなのが、近所で売っている最前線パン。(微妙)
大好きなのが、近所で売っている最先端パン。(読み進める)
大好きなのが、近所で売っている最高値パン。(読み進める)
ここで登場している言葉の意味には「戦争」「軍隊」「危機的な状況」といった共通の要素が含まれており、このように、「パン」という言葉のイメージからかけ離れた要素を強く感じ取れるような要素が「パン」を形容する言葉に含まれていたら、立ち止まったに違いないのだ。しかし、「前線」という言葉は、「戦争」「軍隊」「危機的な状況」という意味構成要素を持ちながらも、そのような雰囲気を強くは感じられない。なぜなら「前線」という用語は、それ以外の領域にも意味を広げて使われやすいし、実際に使われているからだ。たとえば毎日のテレビの一定時間に放送される番組にでてくる悪天候の原因となる空気の線を示すこともあるし、日本の春を代表する花が開花する範囲を示すこともある。先頭に立ち中心的な役割を果たす意味で使われることもあるし、流行の先端を指し示す意味で用いられることもあり、むしろ、そのような意味こそが「前線」という言葉の中心的な意味であると思える。中心的な意味からずれていなければ、少しは「戦争」「軍隊」「危機的な状況」以外の意味でも用いられる、そういう「前線」という言葉の意味の特性が原因で「最前線パン」を読み飛ばした、と考えることで、先日の行動を説明付けることにしようと思う。
一見無駄とも思えることかもしれないけど、言葉を読み進める上での心理的な動きをとらえる作業は、他の面でも応用が利くのではないかと思えてきた。違う言葉を入れても違和感なく感じやすいという箇所は違う言葉を入れやすい。もちろんその違う言葉には、もともとの言葉と共通する面がある、すなわち共通の意味構成要素が入っていると思われるが。楽譜だってそう。違う音を弾いてもあまり違和感なく聴こえやすい箇所は、間違った譜読みをしやすいのではないだろうか。
そういうことを考えるのは面白いのですが、分かりやすい説明って難しいですね(^^;
そう、「最前線パン」を無視したというのも根拠がないわけではないのだ。少なくとも「最前線パン」は「連合軍パン」「緊急事態パン」ほど変に感じられなかったのも事実だからだ。そこに「空襲パン」「同盟軍パン」とかが出てきたりしたら、いくらなんでも私も立ち止まっただろう。ちなみに次の例文の()内は読んだときにとると思われる行動である。
大好きなのが、近所で売っている連合軍パン。(立ち止まる)
大好きなのが、近所で売っている緊急事態パン。(立ち止まる)
大好きなのが、近所で売っている空襲パン。(立ち止まる)
大好きなのが、近所で売っている同盟軍パン。(立ち止まる)
大好きなのが、近所で売っている最前線パン。(微妙)
大好きなのが、近所で売っている最先端パン。(読み進める)
大好きなのが、近所で売っている最高値パン。(読み進める)
ここで登場している言葉の意味には「戦争」「軍隊」「危機的な状況」といった共通の要素が含まれており、このように、「パン」という言葉のイメージからかけ離れた要素を強く感じ取れるような要素が「パン」を形容する言葉に含まれていたら、立ち止まったに違いないのだ。しかし、「前線」という言葉は、「戦争」「軍隊」「危機的な状況」という意味構成要素を持ちながらも、そのような雰囲気を強くは感じられない。なぜなら「前線」という用語は、それ以外の領域にも意味を広げて使われやすいし、実際に使われているからだ。たとえば毎日のテレビの一定時間に放送される番組にでてくる悪天候の原因となる空気の線を示すこともあるし、日本の春を代表する花が開花する範囲を示すこともある。先頭に立ち中心的な役割を果たす意味で使われることもあるし、流行の先端を指し示す意味で用いられることもあり、むしろ、そのような意味こそが「前線」という言葉の中心的な意味であると思える。中心的な意味からずれていなければ、少しは「戦争」「軍隊」「危機的な状況」以外の意味でも用いられる、そういう「前線」という言葉の意味の特性が原因で「最前線パン」を読み飛ばした、と考えることで、先日の行動を説明付けることにしようと思う。
一見無駄とも思えることかもしれないけど、言葉を読み進める上での心理的な動きをとらえる作業は、他の面でも応用が利くのではないかと思えてきた。違う言葉を入れても違和感なく感じやすいという箇所は違う言葉を入れやすい。もちろんその違う言葉には、もともとの言葉と共通する面がある、すなわち共通の意味構成要素が入っていると思われるが。楽譜だってそう。違う音を弾いてもあまり違和感なく聴こえやすい箇所は、間違った譜読みをしやすいのではないだろうか。
そういうことを考えるのは面白いのですが、分かりやすい説明って難しいですね(^^;