ここ数年、新幹線の進化のニュースをよく耳にします。
最近の話題だけでも、東北新幹線の最高速度320㎞運転や北陸新幹線開業を前にしてE7系電車の登場などがあります。
また、近いうちに東海道新幹線もついに最高速度を285㎞にアップするようです。
等々、夢がふくらむ話ばかりですが、その度に、それらの進化の基礎は、元祖新幹線電車である0系が長年をかけて築いてきたものだと思うこの頃です。
そこで、2008年10月(引退の1ヶ月前)に惜別乗車したときの写真ですが、回想してみたいと思います。
乗車したのは、新大阪駅をを8時台に出発する、こだま号博多行きでした。
前日夜、仕事を終えたその足で夜行バスに乗り、早朝に大阪入りしていました。
乗車する0系電車が堂々とホームに入線してくると、大勢の人が一斉に注目していましたね。
子供の頃、「超特急ひかり号」に乗るとなると、夢の列車に乗るということで興奮したことを覚えています。
今の子供達が、N700系の「のぞみ号」に乗るのは、同じような興奮なのでしょうか。それはどうなのかはわかりません。
0系は、何も特別の新しい技術を投入した車両ではないそうです。
開業当時の国鉄が持つ技術を結集して最高のパフォーマンスを出したということです。
現在でもそれが十分通用するのですから、現有するものを貪欲に上手に使うことが、如何に大切かということですね。
車内は、化粧版や座席などは登場当時とは大幅に変わっているとはいえ、天井の無骨なクーラーや鉄パイプの荷物棚などは健在。
最新の新幹線は、クーラーは壁からの吹き出しになるなど、露骨な軽量化をしていますが、0系の形は今も鉄道車両の基本だと思います。
鋼鉄製の車両は、現在のアルミ製の車両と比べると加速はもったり、減速はゆったり。
しかし、ギクシャクしない、何ともいえない重厚感と安定感がありましたね。
途中駅でN700系に抜かれる間も、堂々と構えています。
肩身が狭そうに止まっているのではなく、“急いでいるのならさっさと行けや”と言っているような感じです。
10分ほど停車していたので、多くの乗客がホームに降りて先頭車で記念撮影。
私も独りだったのですが、その輪に加わりました。
よく思い出せば、カメラだけ持ち出し、財布を含め他の荷物は座席に置きっぱなしだったのですが、置き引きなどはありませんでした。
この国は、まだまだ治安がいいんですね。
反対側のホームより。
止まっていても様になる姿はさすが。
岡山駅では、こちらも引退してしまった100系電車と並んで撮ることができました。
この2台が並ぶと圧巻で、N700系や500系と比べても貫禄勝ちといった感じです。
と、ただの思い出だけになってしまいましたが、今後何年経っても、この偉大な姿を記憶に留めておきたいですね。
(N.N)