東京と青森の間を走るブルートレイン「あけぼの」が、3月15日のダイヤ改正で定期運行を終了するとのこと。
その後は多客期に臨時列車として運行するようですが、これまでの他の列車の状況をみると、臨時列車もいつの間にか消滅していたりするので、
事実上の廃止でしょう。
この十数年間、九州行き、中国地方行き、北陸行き、東北行きのブルートレインが次々と廃止となってきた中、「あけのぼ」は新幹線の通らない地域を
通るので、最後まで生き残ると思っていましたが、ついにその時がきたかという感じです。
私(のぶさん)も、旅の際は何度か夜行列車を利用したことがありますが、その中でも「あけぼの」は、利便性や設備のバラエティ、旅情など、いろいろな
面で優れていたと思います。夜9時過ぎに上野を出発するという時間帯もちょうどよいと思います。
※写真は、2008年7月に乗車(上野→弘前)したときのものです。牽引する機関車は、現在とは違います。
JR各社がブルートレインの廃止を発表するとき、理由は決まって「利用者の減少」「車両の老朽化」です。
それは確かにそのとおりなのですが、もっと深い意味があると思うのです。
なぜ利用者が減少したかというと、他の交通機関の充実ということがあるでしょう。航空路線や夜行バスの充実が挙げられます。
また、低価格のビジネスホテルの充実といったこともあります。わざわざ高い寝台料金を払って夜に移動しなくても・・・ということなのでしょう。
車両の老朽化については、これはどうしようもないでしょう。昭和50年代後半以降、ブルートレインの車両は新造されていないのですから。
では、なぜ新造されていないのか。
ブルートレインは定員が少ないので、夜行運行のコストを考えると、採算が合わないのでしょう。
国鉄から民間企業のJRとなり、きっちりビジネスをするようになってからは、採算が合わないのに車両を新造する必要性が無いということでしょう。
「あけぼの」は、これまでの他の列車と比べると利用率は高かったと聞きますが、我慢して運行してきたのでしょうか。
これで、残るブルートレインは、「北斗星」と「はまなす(急行)」だけになってしまいます。
その2つ、そして、豪華列車の「カシオペア」と「トワイライトエクスプレス」も、北海道新幹線の開業と同時になくなってしまうという話もあります。
目的地への移動のための寝台列車が絶滅の危機にあるのですが、一方で、「ななつ星」に代表される豪華クルーズ列車が、この後も登場すると
いうことです。このクルーズ列車は高額商品ですので、採算は計算されているでしょうし、広告塔として会社のイメージアップにも使えるでしょう。
ただ、高額すぎて一般庶民としては手を出しづらいところです。
では、もう寝台列車は豪華クルーズ列車だけになってしまうのでしょうか。以下、私(のぶさん)なりの思いです。
現在、残る寝台列車の中でも比較的堅調といわれている「サンライズ出雲・瀬戸」。とくに「出雲」のほうは、縁結びの出雲大社を目指す女性等に
人気で満員の日も多いと聞きます。
この「サンライズ」の車両は、平成に生まれた車両だけあって、個室を中心にしながらも2階建てにして定員を増やし、「出雲」と「瀬戸」を岡山まで
併結して走るなど、それなりに採算についても考えられていると思います。
このような車両を複数編成製造し、様々な路線で使える臨時列車として使用するのです。夏休み・冬休み・ゴールデンウィークや秋の紅葉時期の他、
通常期でも各地で開催されるイベント(祭りや博覧会、花火大会など)用に運行するのです。4人個室などもあってもいいかな。1人でも、2人でも、
家族でも、グループでも、楽しく移動できる空間にするのです。
これによって、運行日と採算もある程度確保しながら、子供たちに夢を与え、鉄道の旅を楽しいものにしていくのです。
個人的な希望ではありますが、これまでとは違った形でも、ぜひ寝台列車の再生を見てみたいものです。
(N.N)