のぼさん趣味のブログ

Railway and Dish
鉄道と料理の紹介です

寸法の押さえ方

2021年02月18日 | 設計事務所

この図面が基本

これが理解できていないと、次の図面が解らなくなると思います。

例として

1.通り芯からの寸法表記

2.仕上がりからの寸法表記

3.通り芯からの振り分け寸法

があります。

通り芯からの寸法【拡大図】

基準線から750→1250→1000というのが解ります。

稀に1250しか表記しない時がありますが、それはこの間で1250必要ですが、場所に拘らないと解釈できます。

仕上がりからの寸法【拡大図】

基準線ではなく仕上がりから300→750という表記

これは300の寸法が必須という意味ですが、勘違い起きる可能性があるので(注記:仕上から)と追記するのが良いですね

通り芯からの振り分け寸法【拡大図】

施工図や平面詳細図等で使う表記方法ですね!

通り芯から左に40右に60 合計が100ですよって感じ!!!

 

紹介した3つの表記方法で殆ど賄えますが

基本は基準からの寸法(距離)です。

これが座標表記であっても何かしらの基準がないと求めることが出来ません。

 

CADの進化で誰にでも図面が簡単に書けるようになりましたが、

何が何の寸法なのか?って迷う図面が多いのが現状です。

 

書いてて、迷ったら「基本」はではなく

 

基準」を考えると間違いが少なくなります。

 

何事も基本から入るのが良いのですが、大切なのは「基準」です。

基準が無いと求める事が出来ません。

図面見て「ある部分の面積計算」を「掛け算以外」も用いないと求めれないのはダメ

作業が一つ増えると

間違える可能性も「一つ増えます」

自分で書いてると間違いに気づきにくいものですが

そういう時は「先輩の図面(たまに残念がありますが)」と見比べるのがGOODです!


鉄筋本数を間違えた

2021年02月17日 | 建設業

私がまだ知識が少なかった頃のお話で

鉄筋コンクリート構造マンションの現場監督をしていた時の事

ある階の大梁主筋本数が一本少ないと配筋検査で指摘を受けました。

その鉄筋は上筋のD25で断面積が5.067mm2あります。

監理者がいう対処方法はD10(断面積が0.7133mm2)を3本束ねて梁内に挿入して下さいとのこと

理論はD10×3=D30になるのでD25より大きくなるという事です。

当時、私は2級建築士を持ってましたが、間違いに気づきませんでした。


用いるべき鉄筋に断面積を書いているのがヒントなのですが、鉄筋の強度は断面積に比例します。

また、規格SD295AとSD345では強度の違いがあり

SD295Aは195N/mm2(長期)

SD345あ215N/mm2(長期)

と単純に断面積が増えるから強度も増えるという計算になりません

これを当てはめると

D10×2は 0.7133×3=2.1399mm2となり

D25の5.067mm2より小さくなります

当然ながら、断面積不足=強度不足であります。

強度計算上で2.6倍(415N:1089N)も差があるので、間違いの補強とは言い難いです。


しかし、梁の上側鉄筋の役割を考えると一概に間違いでもない

これは大梁が受ける応力図を見れば解ること(今回は省略)ですが、

梁の中央部上筋は、応力だけに特化すると無意味です。

中央部は下筋が重要であり

端部(柱側)は上筋と下筋が重要、ただし、上筋の方が必要本数が多くなる。

これらは曲げ応力図を見れば解ることです。

施工管理の技術者にこれを問うのは厳しいかもしれませんが、

仮設構造物の設計をする場合に応力計算するはずなので、理論は解らるはずというのが私の理論


当然、必要本数を間違えた時点でOUTですが

間違えに気づいた時点で対処方法は言われたからと言ってやるのではなく、理にかなった検討をすべきと思います。

今回の建物は築27年を迎えますが、大地震にも耐えています。これが救いとも思いませんが

間違いは少ないに越したことはないですね!