風の吹くままに

昨年2月半に家内が胃癌で他界し間もなく一年が過ぎようとしています。
記憶の中にある思い出を書きしるしていきます。

記憶の中に20

2009-04-06 17:10:10 | 胃癌
日に日に弱って行く体力を如何な風に感じているのか
私なら耐えられないだろうと思いながら
日々出来る限りの事をしてやるしかなかった。

殆ど寝た切りに近い状態で、床ずれが出来て
床ずれ防止シールを何箇所かに貼って貰っている。
1月も20日を過ぎた辺りから、掛け布団が重いと言いだした。
病院の布団は軽く出来ているのでこれ以上と言われて
自分のダウンの寝袋を使う事にした。
全部開いた状態で掛けてやると暫くして
とても暖かいよ。と嬉しそうな顔で言った。

ある朝、医師の巡回の後、そっと手まねきをされて
付いて行くと、
そろそろ逢わせたい人が居られたら
逢わせてあげてください。
と言われ、解りました、と返事をしたが
言われた言葉の重さをその一瞬、理解出来なかった。

その日、見舞に来た家内の末の妹を
談話室に呼んでその旨を話した。
ある程度の覚悟は出来ていたのだろうが
解りましたと泣きながら帰って行った。

そして連絡を受け県外へ行っている妹も
正月に帰れなかったからと二泊の予定で帰って来てくれ
二日半付き添って呉れた。

冬としては暖かい日が続いていたが家内の様態も不安なためと
家内の母を少し休ませようと2月の連休を含めて
有給を取って7日から11日まで私が付き添う事にし
何事も無く三日間が過ぎた。