FAR SKY (遠い空) 世の中の本質を自分なりに・・・

遠い空には何が見えるのだろう。若者には輝く未来が。関西弁おっさんにはオネーチャンの優しい笑顔。遠いあの空はどこに行った。

いこかもどろか(32) のんびりしすぎると…

2016年01月25日 14時05分49秒 | 日記

正月の午前中は、のんびりできた。私には波の音しか聞こえなかった。

今度は温泉につかって、ますますのんびりしようではないか。その前に腹ごしらえだ。

おや、こぎれいな食堂があるではないか。



なに。準備中。元旦から飲まず食わずの一日がまた始まった。



安通温泉が近かったと思った。確か成功から富里に8181(ハイハイ)路線が日に2往復あったはずだ。

地図を睨みながら、どこでバスを下車するのかを考え続けた。


たしか、この広告看板が目印だったよな。と思いつつ窓の外を睨みつける。
バスは相も変わらずの猛獣のように海沿いを突っ走る。



最悪、温泉にたどり着けなくてもこのあたりで海を見ながら、またまたボーっとするのもええかな。と思い適当な場所でバスを降りる。



民宿が一軒だけあった。



一泊、1700ドルと言う。正月料金だとさ。記憶が確かなら安通温泉行のバスにはあと3時間ある。おやじにこの3時間の間に泊まるかどうか返事するといって、ソファーに座ったらすぐに眠ってしまった。

いやな夢を見た。強迫神経症の持病が再発したような悪夢だった。悪夢を引きずりながら、民宿の庭に出た。



やけに派手な格好をしたニワトリがいた。ガチョウがいた。



犬もいた。

民宿のおやじが今度は放し飼いにしていた牛を綱で引っ張って、庭の向こうのほうへ連れて行った。牛かと思った動物は実は巨大な鹿だった。思わずカメラを向けたが、鹿はどこかに連れ去られていた。



ふとんが干してあった。この民宿はシーツもちゃんと洗濯するようだ。安心して泊まれるな…。と思った。

あの。大鹿を飼っている民宿なんて「うそ」だろうとお思いでしょうが、これは本当ですので…。



一台の車が民宿の庭先に停まった。なかから軽薄そうな兄ちゃんが出てきて、民宿のおやじと親しげに話し出した。3分ほどの会話ののち兄ちゃんは助手席の女の肩を抱きながら、ブブブと車を走らせて行った。

暫くして民宿おやじが「日本旦那。もう部屋はありませんぜ。バスが来るまで中で待ってて頂戴。」



また同じソファーに座るとすぐに私は悪夢の続きをやり始めた。



つづく






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