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「ハワイに翔(か)けた女」 

2009-05-03 00:26:07 | ハワイに関すること
火の島に生きた請負師・岩崎田鶴子

愛馬べべに乗る岩崎田鶴子の姿は1873年にハワイ島を訪れた
英国人旅行家イザベラバードを連想させます。


ハワイ島に移住した明治生まれの男たちを使い、荒仕事の砂糖黍の
請負を仕切りながら前夫の子供らを育て上げた岩崎田鶴子の一生を
取り上げた作品です。


写真花嫁と呼ばれて会った事もない海外の男の元へ移民船で嫁いで
いく時代。僅かな期間しか生活を共に出来なかった夫岩崎次郎吉亡き後、
女だてらに馬を乗り回し砂糖黍畑を世話して男顔負けの生き方をして、
女傑と呼ばれた岩崎田鶴子。思わぬことからハワイ行きを決めて、
英語もままにならない中でただひた走って生きてきた90余年の人生。

明治大正、そして昭和へと時代が激しくゆり動き、戦争によって全て
が変わっていく時代背景を細かく描きながら、徹底した取材によって
明らかにされた一日本人女性の波乱の生涯です。

作者は「東京ローズ」のドウス昌代氏。文芸春秋社版です。

ハワイ島の移民の歴史を知る上で貴重な一冊です。排日運動や戦争
によって動かされていく移民の人生。ハワイの日系移民をテーマに
することの多いドウス昌代氏の名作のひとつであります。

日米両国での綿密な取材に基づいた作品で大河ドラマのようです。

工藤夕貴主演の映画「ピクチャーブライド」を思い出させる本でも
あります。



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2 コメント

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Unknown (nnakazawa)
2016-07-13 19:44:28
返事が大変遅くなり申し訳ありません。
拙ブログにコメントを頂きありがとうございます。
ハワイ州、特にハワイ島の開拓当初の日本人の
苦労を記した資料が少なく、またあったとしても
日本ではまだ多くのひとに知られていないのが
残念です。
その意味ではこの本はもっと多くのひとに読んで
頂きたい本ですね。
映画化されても良いほどの内容ですよね!

ありがとうございました。感謝いたします。

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岩崎家 (吉岡一恵)
2016-06-16 21:19:46
偶然に見つけたのでコメントさせて頂きます。私は岩崎の4世にあたる女性と都内で独身時代ルームシェアをしていました。なので、ハワイの実家で沢山の資料を見せて頂きました。現在は直系の岩崎の名前を持つ人は4世の男子ふたり、5世は男子ひとりになってしまいました。次郎吉さんに似ているかな。
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