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ラテントピック一語一絵 その35

2023-02-01 09:08:33 | ラテントピック・一語一絵
Nana Caymmi

ナナ・カイミ

1941年 リオ・デ・ジャネイロ生まれ

ブラジル人歌手・作曲家

言わずと知れたドリヴァル・カイミの娘。
父親のオデオンのLPに親子でデュエットで参加したのが最初の
レコードデビューとされているが、まだ娘時代のことでその後
ベネズエラ人の医者と結婚しカラカスに移り住む。二人の娘を
得るが1966年に離婚しリオに戻っている。

当時はトロピカリア運動の真っ盛りでジルベルト・ジルとの熱愛
に至るが、バイアーナのガウ・コスタの影に隠れた存在のような
報道をされていたが、いわゆる政府へのプロテストソングを自ら
進んで歌うほどではなかったようだ。

もっとも軍事政権なんて言うものは、何にでも難癖をつけたがる
もので、人心を煽るとか歌詞が過激だ、とか文句をつけて逮捕し
たりする。時代が後から追いかけて来ることに気が付かない。
当時充分に理解されなかったトロピカリア運動だって後に評価
されて行くことになるし、中心的人物だったジルベルト・ジル
だって官憲に何で逮捕されたか良く分からなかったのではないか、
とすら思う。ブラジルは今だにそう言う国だ。昨日までの大統領
が今日は犯罪者になって訴えられる。ジルベルト・ジルだって後
に大臣になるのだからひとの世は分からないものだ。話が逸れた。

ナナ・カイミはブラジル以外の南米諸国での活動も非常に多く1990
年代の後半になると、世間が彼女を認める後追いの形で全ブラジル
で知られるようになるが、元々がドリヴァル・カイミの娘だから
血筋は折り紙付き。遅咲き、と言うところだろうか。或いは報道の
方が遅くなったとでも言うべきか。ブラジルは広いからね。

2000年に入っても彼女の活動はアクティブで2013年から2021
年にかけてはラテン・グラミー・アウォードやアルバム・オブ・
ジ・イヤーなどにノミネートされている。

海外公演も非常に多く、ジャズやボサノバやMPBなどジャンルも
幅広く、弟二人がミュージシャンとは言えこんなに長く第一線で
活躍する歌手も珍しい。

脳出血と思われる死因で2013年に66才で亡くなったエミリオ・
サンチアゴの棺を見たナナ・カイミは悲しみに泣き崩れて可哀想
だった。エミリオ・サンチアゴと親しくかったアルシオーネも
その場に一緒だったが相当なショックだったろう。ましてや入院
を知り見舞った後日のまさかの知らせだった。エルバ・ハマーリョ 
も動揺を隠せず悲しみにくれていた。長くブラジルの音楽シーンを
支えて来た仲間が予想もしない死に方で突然居なくなるなんて受け
入れられないよ。あまりにも悲しすぎる。この前の年にも歌手で
テレビ創設時代からの名物女性司会者だったHebe Camargoも
亡くなっているし、長く知られたひとが亡くなるのは寂しい。

余談だか、エミリオ・サンチアゴの死後に、彼の息子だと言う
人物が現れてDNA鑑定をする騒ぎになっているがどうなること
やら。

何とかナナ・カイミが描けたけど笑顔は難しいや。ナナ・
カイミも少し太ったねえ。
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