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ラテントピック一語一絵 その40

2023-07-05 08:17:57 | ラテントピック・一語一絵
Ibrahim Ferrer

イブライム・フェレール

1927-2005

キューバ人 歌手

暑さのせいかこのところ体調が良くない。前から具合の
良く無かった足も更に程度が悪化して歩くのがやっとに
なって来た。まだ杖は要らないけれどこれではいずれ
必要になるかな。立っているのも辛いものね。

半ばイタズラ描きで始めた似顔絵ももう随分とたまって
来た。殆どがラテンミュージックに関わる歌手たちで、
その中にはスペイン人のギタリストのアンドレ・セゴビア
やアルゼンチン人のアタウアルパ・ユパンキ、ケーナの
アントニオ・パントッハには実際に会ったこともあるし、
セゴビアのライブもグラナダで見ているから殊更思い入れ
は深い。もう遠い昔のことになった。

話を戻して、イブライム・フェレールはキューバ人の歌手だ。
何と言ってもBuena Vista Social Clubでの活動が目立つ。

キューバ人ミュージシャンはどこから書いて良いか悩む。
カストロ以前から書こうとしたらちょっと大変な事になる。
そもそもはスペインからキューバあたりに移り住んで来た時代
から始めないと、連綿とした歴史に繋がって行かずに前後の
流れが切れてしまう。そこまでは書き出せないよ。これはもう
仕方ないと言うしかないね。長い歴史の説明に時間は費やせ
ないし、教科書みたいな箇条書きになってもつまらない。

こんなミュージシャンを描いてみたけどどうでしょう、と言う
レベルで、少しばかり知っていることをついでに書き足したと
言うところかな。

世界的な大ヒットになったBuena Vista Social Clubは
そもそもアメリカ人ギタリストのライ・クーダーから始まった。
キューバのそれまて日の当たらなかった歌手たちを集め 
レコーディング、これが予想外に大当たりした。やがて映画化
され世界的なセンセーションを巻き起こした。

日本にも公演で来日した。2000年頃だったか。その後10年
以上経過してメンバーを変えて来日している。今は他界した
メンバーも少なくない。

イブライム・フェレールはサンチアゴ・デ・クーバの生まれで
母親が当時アラビアに想いを奪われていてIbrahimと言う
ムスリム系の名前にしたらしいが、子供の頃に母親と死に別れ
半ば孤児状態で自分から働かざるを得なくなる。歌うのが好き 
だったから路上バンドで歌っていたとか。この路上バンドと
言うか、ストリート・ミュージシャンと言うのが当時のキューバ
には多く、多くの有名な歌手がこの路上バンドを経験している。
後にイブライムは従兄弟のホセ・コバのバンドに参加、やがて
ハバナに移り住む。ヨーロッパやソ連にも公演旅行に参加するし、
海外公演にも数多く参加している。1962年のキューバ危機の際は、
ヨーロッパで公演中で落ち着くまでキューバに帰れなかった。
その後しばらくすると表舞台から少しずつ離れてしまった。

コンパイ・セグンドもステージから離れていた時期が長く葉巻を
巻く仕事をしていたらしいが、結構キューバではこう言うことは
珍しいことでは無いようだ。人生経験が長いせいか、歌に渋さが
あるね。遅咲きも遅咲き、超遅咲きだけど晩年は幸せだった
のではないかな。

ここから後はBuena Vista Social Clubに繋がる話になるが長く
なるし、イブライム本人も驚くほどの世界へのステージに繋がる
ので触れない。世界のキューバ音楽ファンの知るところだ。

ドキュメンタリー映画のBuena Vista Social Club の監督は
親日家のWim Wendersで最近(2023年)では役所広司の主演
した映画でカンヌ映画祭で主演男優賞を取りその名を新たに
している。

僕の大学の先輩がキューバ人の女性と結婚していたが、その後は
どうしただろうか。随分と前の話になる。

キューバと言えば、個人的にはやはりコンパードレスの印象が強い。
70年代の半ば、彼らの出演していた赤坂にあったキューバレスト
ランに良く通ったものだ。
コンパイやイブライムにピアノのルベン・
ゴンザレス。もう彼らはレジェンドになってしまい思い出だけ
が残る。

イブライムは妻のカリダ・ディアスとの間に7人の子供、13人の孫に
5人のひ孫がいる。78才で多臓器不全で死去、ヨーロッパツアーから
戻って間もなくだった。夢のように駆け抜けた晩年だった。もしライ・
クーダーに会わなかったらと考えると人との出会いは不思議な縁が
あるものだ。

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