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12月25日松下幸之助一日一話(松下幸之助.COM)
経営者次第
昔の日本の言葉に「頭がまわらなければ尾もまわらない」というのがあるが、私は、経営者が百人なら百人の人を緊張させて、大いに成果を上げようと思えば、その人の活動が、端の人がみて「気の毒な」と思うくらいにならないといけないと思う。「うちのおやじ、もう一生懸命にやっとる。気の毒や」という感じが起これば、全部が一致団結して働くだろう。けれどもそうでない限りは、経営者の活動の程度に応じてみな働くだろうと思う。
人間というのはそんなものである。決してぼろいことはない。自分はタバコをくわえて遊んでいながら「働け」と言っても、それは働かない。私はそういうふうに考えてやってきた。
【コラム】筆洗
2013年12月24日東京新聞TOKYOWeb
▼初めて走れるようになった時のことは、さすがに覚えていないが、自転車に乗れるようになった時や、自動車の免許を取った時、ある種の解放感を覚えた気がする。これで今まで行けなかった遠くへも行ける。自分の世界がちょっと広がった、そんな感覚だ
▼東京・神田の岩波ホールで上映中の『少女は自転車にのって』は、十歳の女の子ワジダが自転車にあこがれて、知恵を使い力を尽くして手に入れようとする、ただそれだけの映画だ
▼しかし世界には、女の子が身軽な格好で思い切り街角を駆け抜け、少女が自転車をこぎ、女性が自動車を運転して好きな場所に行くことが許されぬ国もある。ワジダは、そんな国の一つサウジアラビアに生きる
▼自由を求め民衆が立ち上がる「アラブの春」が広がっていった時、サウジでは女性たちが自動車運転の解禁を求めてデモをした。捕まってむち打ちの刑を言い渡された女性すらいたが、それでもなおハンドルを握ろうとする女性がいる
▼東京大学・特任准教授の辻上奈美江さんは「あの国で運転するということは、女性が自分の思いで行動しようとすること。自由を獲得する象徴なのです」と話す
▼自由を阻む壁は、どこにでもある。制度の壁、偏見の壁、先入観の壁、自分で自分はこんなものだと思う壁。ワジダの物語は、そんな壁にしなやかに風穴を開けてくれるはずだ。
【私説・論説室から】東京新聞TOKYOWeb
恐れるべきは民心の離反
2013年12月23日
馬脚を現す-。隠していた本来の姿が表に現れる、化けの皮がはがれる、などと辞書にある。
巨額の金銭スキャンダルで発言が二転三転、辞める猪瀬直樹東京都知事に、その言葉を思う人も少なくなかったことだろう。
徳洲会グループの内紛を端緒に、五輪招致成功で順風満帆だった知事が一転して窮地へ。一寸先は闇を地で行ったようなものだ。
今日はよくても明日はどうなのか、わからない。
渡辺喜美氏らの党の仲間割れが見苦しい。出る側が代表の安倍政権へのすり寄りを責め、代表の側は去る者たちの議席返上を求めて会派離脱を許さない。
どっちもどっちの気もするが、そもそも権力者との近さを誇示する野党党首が野党を名乗ること自体、おこがましい。
日本維新の会も与党か野党なのか判然としない。安倍政権の補完勢力、自民を超える保守派の印象が定着して往時の勢いはない。
存在感乏しい民主党も含めてどこも、期待した人々の不信はいかばかりか。
為政者も政党も、恐れるべきは民心の離反である。
安倍内閣の支持率が大きく落ちている。特定秘密保護法の強引な成立が一因なのだろう。小沢一郎氏がたしかこの政権を「幼稚さとおごり」と評していた。
集団的自衛権だ、愛国心だと勇ましい首相の本性が幼稚とおごりだとしたら、民心が離れるのも時間の問題か。 (谷政幸)
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