にと&兎兎

いつも私の心を笑顔にしてくれた兎兎は13歳でお月さんに旅立った。兎兎を撫でた温もりはまだ私の手の平にある。

「兎兎10才を振り返って・・・・(補足文)」

2012-09-09 | 2007年兎兎10才

この年は、兎兎にとって大変な年だった。10才になってから約3か月後に、白内障と右側の睾丸腫瘍(良性)が発覚したのだ。また、この年も肺炎に罹りで、兎兎はすごく辛い思いをしたと思う。そして、これらのことで、兎兎はぐっと老けた気がする。

この年以降、昨年からあまり噛まなくなったということもあってか、高齢のせいもあってか、不正咬合である奥歯があまり伸びなくなったらしく、まる一年は奥歯を切らなくてすむようになった。

白内障が発覚する前、兎兎を“うさんぽ”(我が家の敷地だが)に連れ出した。だが、全く兎兎は動こうとせず、私の足元にすぐに寄ってくる。戸外に連れ出したとき、動かなくなるのはいつものことで、少し経てば慣れて動くようになるのだが、私の足元に引っ付いてくることはなかった。私から離れたくないような感じだった。そして、両前足で私のふくらはぎに抱きついてきたのだ。私はその場にしゃがみこんだ。すると、兎兎は私の膝に両前足を掛け、後足を引っ掛けて、膝上によじのぼってきたのだ。(この頃はもう、ぴょんと膝上に飛び乗ることはできなかった為、よじ登るような感じで膝上に乗ってきた)変だと思いながらも、そっと膝上から兎兎を下ろしてみた。すると、またすぐによじ登ってきた。そこで、私は、思い出した。抱かれたり膝上に乗せられることが大嫌いな兎兎が、自らこうやって膝上に乗ろうとする行動。これは、4才のときに獣医の元で兎兎がとった行動に似ていた。点滴は嫌だと獣医の手から逃げて私に助けを求めるようにして膝上に飛び乗り、その上、胸までよじ登ってきた行動。また、引っ越しの最中に、自ら私の膝上に飛び乗ってきて、じっとしていた兎兎の行動。その二つによく似ていた。嫌がっている。この庭に、この土の上に、居たくないのだ。非常事態だと気付いた私は、首根っこを持つ抱き方ではなく、腕の中で抱きしめるような抱き方で(抱かれるのも嫌いな兎兎だが、亀のように私の腕の中に頭を引っ込めてじっとしていた)、急いで連れて帰った。それ以来、兎兎が“うさんぽ”をすることはなかった。

その数日後、目が白くなっているのに気付き、病院にいって白内障だと診断された。それで、前述したことを思い出し、もしかしたら、あのとき既に白内障が進行してきていて、だから慣れない戸外にいたくなかったのではないかと思った。慣れない世界にいることが怖かったんだろうと思った。また、被食者としての立場からも、危険を察知できないという恐さから、安全地帯である私の膝上にいたかったのだろうと思った。

それから兎兎は、昨年よりもっと行動範囲が狭くなった。というより、殆ど動かなくなった。動かなくなったというより、見えなくなっていく目の恐怖と戦っていたことで、動けなかったのだと思う。そのことで筋力は落ち、体力は落ち・・・・食事の量も減っていった。この後から、兎兎は数ヶ月単位で、お月さんに旅立つまで、徐々に食は細くなっていった。また、動き回る時間より、寝ていることの方が多くなった。

白内障に兎兎自身が慣れるまで、兎兎はとても神経質になっていて、撫でることもできなかった。そりゃ、そうだよね。今まで見えていたものが見えなくなるんだから。。。兎兎は、徐々に見えなくなってくる恐怖を感じながら、じっと我慢している感じだった。食事とトイレへ行くこと以外はじっとしていた。どうなるのだろうかと私は気が気でなかった。心配で心配で・・・。このまま兎兎はずっと食事とトイレ以外は動かなくなってしまうのではないか。本当に見えなくなったら、食事やトイレさえも行けなくなるのではないか。獣医に相談すると、物がまだ見えているうちに、どこに何があるかを把握させてあげておいた方がいいので、餌置き場やトイレや水飲み場などの場所はもう絶対に変えないようにして下さい、と言われた。また、嗅覚は衰えないので、(嗅覚が衰えるのは、お月さんに旅立つ日が近くなってからだということだった)嗅覚で動くこともできますので、そんなに心配しなくて大丈夫ですよ、と言っていた。でも、兎兎の気持ちを考えると、目が見えなくなると辛いだろうなあと思うと、私も辛くなった。だけど、“撫で撫で”を拒否するぐらいだから、もう見守ってやることしかできない。獣医にも、そっとしておいて、と言われていた。白内障を止める目薬を毎日さしたが、瞳はどんどん白くなっていった。少しでも見えているのか、そのあたりが全く分からないので、もしかしたら進行を少しでも食い止められているかもしれないので、目薬は続けた。(目薬の効果が全く分からないからだ)数か月後には、目が見えないことに慣れてきたのか、神経質さはなくなり、撫でる事もできるようになったし、目が見えているんじゃないかと思えるほど、物にもぶつからない。でも、たぶん殆ど見えてない。だけど、兎兎は元気がなかったのに元気になり、無表情だった表情も蘇ったし、ちょろちょろ動くようにもなった。といっても、行動範囲は狭いが・・・。嬉しかった。白内障なのに白内障とは思えない、白内障になる前の状態と同じ生活状態に戻ったのだ。心配していた私はほっとし、兎兎の白内障を“プラチナアイ”と呼ぶようになった。プラチナのようにキレイな、お洒落な目に見えてきたのだ。兎兎に向かって私はよく「プラチナアイが素敵だね」と言った。「プラチナアイがカッコイイよ」とも。「もっともっとイケメンになったね」とも。

白内障になってからすぐ、今度は左側の睾丸がなくなっているのに気付いた。右側の睾丸は普通にあるのに、片方が無いのだ。なぜ無いのだろう?と、獣医へ。すると、年齢からいって、睾丸が無くなっているのが普通で、無くなっていない右側の睾丸がおかしいということだった。そして、それは腫瘍だということだった。無い方がおかしいと思っていたのに、ある方がおかしくって、それも腫瘍だなんて・・・・私は愕然となった。だけど、腫瘍は良性だということだった。今のところは良性だけど悪性に転ずることもあるといわれ、再び私は落ち込んだ。兎兎の体調が悪くならなければ、1ヶ月に1回獣医へ行って、睾丸腫瘍の大きさを測っていた。治療薬は、漢方薬のハナビラタケだ。毎日、水で溶かして飲ますのだ。

この後、睾丸腫瘍は急激には大きくはならなかったが、小さくなることはなく、同じ大きさを保ってはいたが、肺炎になったりすると、抵抗力が落ちるためか、1ミリほど大きくなった。でも、この年は悪性に転ずることはなかった。ほっとした。だが、私はこの年から、兎兎がいつお月さんに旅立つか分からないという事を意識した。だから、兎兎の体調が悪くなると、私も落ち込んだ。兎兎の体調がよくなると私も元気になりで、兎兎の体調で私の体調も変わった。一喜一憂の毎日がずっと続いた。この年以降、私は兎兎と一緒に、戦ったり、ほっとしたり、緊張したり、和んだりしていったのだ。

 

※ デジカメ&ケータイで撮影。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

兎兎10才「何か用?」

2012-09-06 | 2007年兎兎10才

平成19年12月30日撮影

兎兎「呼んだぁ?」

目は殆ど見えないからか、常に両耳は垂直に立ち、鋭敏に辺りを窺っている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

兎兎10才「撫で撫で」

2012-09-05 | 2007年兎兎10才

平成19年12月1日撮影

にと「愛してるよ~。大好きだよ~。長生きしてねん」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

兎兎10才「ブロッコリー葉を食む」

2012-09-04 | 2007年兎兎10才

平成19年10月22日撮影

にと「ブロッコリーの葉っぱ。自家製だから沢山あげすぎて、飽きちゃったみたいだね」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

兎兎10才「ネムネム」

2012-09-03 | 2007年兎兎10才

平成19年10月17日撮影

にと「眠りこけてるぅぅぅ」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする