少し暖かくなって来た。ウメからもうすぐ桜にと野山や庭先が賑わう季節だ。いよいよ街道歩きも再開だ。前回は3ヵ月前の「甲州街道歩き 7日目(与瀬~吉野~関野~上野原~鶴川)」。今回は鶴川宿からの再開だが、JR上野原駅から上野原宿、鶴川宿まで改めて歩く。
行程:JR上野原~上野原宿~鶴川宿~大椚一里塚~野田尻宿(西光寺)~荻野一里塚~犬目宿~宝勝寺~恋塚一里塚~下鳥沢宿~JR鳥沢駅~上鳥沢宿~猿橋~猿橋宿~JR猿橋駅 (約18.6km)
雰囲気のある古い町並みを残した鶴川宿を眺め直して通り過ぎる。宿場はずれのだらだら坂を上り中央自動車道を越えると大椚の一里塚(江戸から18里)跡があり、次に吾妻神社を過ぎてまた中央道に沿って歩く。長峰砦跡碑を見てまた中央道を跨ぐ。この様にこれから先も幾度となく中央道を跨いだり潜ったりする。この辺りは相当に古道が壊されている感じだ。
「野田尻宿」は明治に大火があったようで街道の家並みを残す家は多くない。西光寺、荻野の一里塚(19里)、矢坪と過ぎ「座頭ころがし」の難所にかかる。残念だが結果ほんの一部しか歩けていない。途中で車道に下りるのが早すぎたのでは?と気にしながら進んだが、道を間違ったことがはっきりした時はもう引き返す意思は無かった。折角の街道歩きなのにと無念さが残こった。
「犬目宿」も昭和45年に大火があったとかで古い家並みは少なかったが、雰囲気を留めるいい集落。北斎に「犬目峠の富士」があるようなので、今日なら良い富士が見えるだろうと期待してたのに一向に見えない。途中に萱葺き民家が見えたので期待して近づいた。破れた看板に「滝松庵」とあり廃墟があった。きっと蕎麦屋か何かだったのだろう。ここで昼にする。
君恋温泉を過ぎると「恋塚の一里塚」(20里)がある。この一里塚は片側だけだが山梨県内で唯一ほぼ原型を留めているものとか。ほとんどは「~一里塚跡」ばかりだった。ここは兜型の美しい姿を残していた。早速スケッチ(F0)をしたが着彩する段になって絵の具がリックに無いのに気付きガックリする。下は帰宅後に彩色したもの。
坂道を下ってゆくと目の前に念願の富士が現れた。少し遠いが真っ白な雪が輝いてとてもきれいだ。これもメモ帳(B6)にスケッチしておく。所々で富士を眺めながら下った先は「下鳥沢宿」だ。ここも明治に大火があったらしいが、造りが整った古い家並みが続く。予定のJR鳥沢駅に着き一息入れるがまだ午後2時前だ。ここから1里ちょっとの猿橋まで足を伸ばすことにする。寄ったパン屋でアンパンマンのパンを見つけ孫の土産に買ってまた歩く。
「上鳥沢宿」は出桁造りと言うらしい2階に手すりの付いた家が並び、見ごたえのある宿場街だ。有名な猿橋は昨年5月に一度見物している。下のスケッチはその時のもので今回はせずに名物の山椒せんべいを土産に買って駅に向かった。「猿橋宿」はあまり痕跡が残っていなかった。
犬目峠の富士 猿橋(F0)