しゃぶの泣き言(;´_`;)日記♪

これをみればあなたも・・・プチオタク??偽しゃぶに不法(?)占拠されている『しゃぶログ』を我らがしゃぶに取り戻そう!!

TKA

2007年10月26日 18時54分25秒 | 実習
 TKA施術後に起こるEXTENSION LAGの治療。
 昔はセラバンドを使用したトレーニング。
 今はEXTENSION LAGといえばセッティング?らしいけど、他にアプローチ方法は無いのかな?

EXTENSION LAGの原因としては、
①内側広筋の筋力低下
 内側広筋の筋力低下があると、最終域まで伸展できない。
 内側広筋は最終伸展域10~15°に作用する。また、screw-home movementは、膝関節伸展位で固定する働きがある。

②大腿四頭筋の筋力低下
 最終10~15°膝伸展のためにはそれまでの動作より少なくとも50%以上強い筋力を要する為に伸展不全が生じるのである。伸展不全は大腿四頭筋の筋力低下の際にしばしば見られる。

③関節受容器よりのフイードバックの変化
 膝関節術後の筋の機能不全としてのEXTENTION LAGについては、手術操作などが関節受容器よりのフイードバックに変化を与え、EXTENSION LAGや股屈曲位での膝完全伸展保持不能を生じるという説。

④神経生理学的な運動制御不均衡説
 内側広筋の発火が患者で抑制されているのではなく、外側広筋の発火が健常群より速いために、膝伸筋群の発火順序が逆になり伸展機構の機能不全を招いている。つまり、伸展機能不全は神経生理学的な運動制御不均衡のためであるという説。

⑤反射抑制(関節原性筋萎縮)説
 関節包や靱帯組織の機械刺激受容器の固有感覚が関与した反射抑制説

⑥痛みによって起こる不安による大腿四頭筋の収縮抑制説
 痛みによる伸展制限もまた大腿四頭筋の関与が強調されている。痛みが活発な大腿四頭筋の収縮を抑制して、徐々に筋力低下、更に萎縮を起こすにという提言は修正され、明白にされてきている。痛みによって起こる不安が多分関節を動かす大腿四頭筋の収縮を躊躇させ、萎縮を起こす。

⑦筋線維異常(筋原線維の変性、サルコメアの短縮)説
 以下の異常がEXTENTION LAGの大腿四頭筋に存在している可能性が高いとの考え方がある。
a.筋原線維の変性(廃用筋にはミオフィラメントの配列の乱れやZ帯の断裂等)による最大張力低下説。
b.筋の固定により伸展位でも短縮位でもサルコメアの短縮が起こり大腿四頭筋の活動性を低下させる。

⑧筋の並列弾性要素あるいは、筋腱移行部、膝蓋靱帯等結合織異常説
 疾患群の筋収縮が最終伸展できないほど減少しているわけではなく、EXTENSION LAGの機序が、直接筋肉を損傷している場合を除けば、筋の収縮不全よりも、静止張力を発生させる筋の並列弾性要素あるいは、筋腱移行部や、膝蓋靱帯などの結合織との関連が深いのではないかと考えられる。

などの説があるけど…どれが本当なのだろうか?

まあ、①or②の説が一般的なんだけど。

担当症例が整形…完全に症例発表会死亡フラグたったし!
今回の地雷はどこに敷設されるのかな?

出血リスクの少ない抗血栓症薬

2007年10月26日 01時05分59秒 | 実習
【新薬】合成Xa阻害薬 フォンダパリヌクス「アリクストラ」

 2007年4月18日、抗血栓症薬のフォンダパリヌクスナトリウム(商品名:アリクストラ皮下注1.5mg、同2.5mg)が製造承認を取得した。薬価収載後に発売される予定である。フォンダパリヌクスの適応は、「静脈血栓塞栓症の発現リスクの高い、下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制」である。

 静脈血栓塞栓症(VTE)とは、静脈に血栓が形成される病態の総称であり、下肢の深部静脈に血栓ができる「深部静脈血栓症」や、深部静脈に形成された血栓が飛んで肺動脈が閉塞する「肺血栓塞栓症」などがこれに含まれる。飛行機などでの長時間の移動中に発症する、いわゆる「エコノミー症候群」もVTEの一病態である。血流のうっ滞、血管障害、血液凝固能の亢進などが原因となるが、臨床症状が乏しいことから早期発見が難しく、急性肺血栓塞栓症を発症すると死亡率が高いことが知られている。

 この静脈血栓塞栓症は、膝関節骨折全置換術や股関節全置換術など、特に下肢の整形外科手術後に発症リスクが高く、これまでも術後早期から、薬物などを使った予防が行われている。具体的には、ワルファリンカリウム(商品名:ワーファリンほか)、へパリンカルシウム(商品名:カプロシンほか)、へパリンナトリウム(商品名:ヘパリンほか)といった抗血栓薬が使用されているが、これらに新たな選択肢として追加されるのが、今回承認されたフォンダパリヌクスである。

 フォンダパリヌクスは、血液凝固過程においてアンチトロンビンIII(ATIII)と結合し、血液凝固第Xa因子を選択的に阻害する。第Xa因子は、プロトロンビンからトロンビンを産生し、トロンビンは静脈血栓の生成に重要なフィブリンの形成を促進する。この第Xa因子を阻害することで、フォンダパリヌクスは静脈血栓の形成を予防する。従来から使用されているヘパリンも、同様にATIIIに作用する薬剤だが、第Xa因子だけでなく、トロンビンを直接阻害する作用をも有するため、出血のリスクが高まることが問題となっていた。その点、フォンダパリヌクスは、第Xa因子のみを選択的に阻害するため、生理的な止血には影響が少ないと考えられている。またフォンダパリヌクスは、皮下投与時の半減期が約14~17時間とヘパリンに比べて長く、1日1回皮下投与で効果を発揮するのが特徴である。

 こうしたフォンダパリヌクスの安全性や有効性は、海外での使用実績や国内での臨床試験で確認されている。実際、第7回米国胸部疾患学会(ACCP)のVTE予防ガイドラインでは、膝関節全置換術など下肢手術による血栓の予防のために、フォンダパリヌクスを少なくとも10日間使用することが推奨されている。同薬は、2001年12月に米国で承認されて以降、2007年4月現在、欧州連合(EU)主要国を含む世界65カ国で承認・臨床使用されている。日本では、2005年11月の申請後、2006年2月に優先審査品目に指定され、今回の承認に至っている。

 なお、フォンダパリヌクスは、国内臨床試験で副作用が38.5%に認められている。主な副作用は、肝機能障害(10.7%)、血小板数増加(8.1%)、出血(7.8%)である。副作用防止のため、使用に当たっては、出血リスク、症状(手術後の腎機能の低下、血行動態等の心機能、尿量等)、体重、年齢など、個々の患者の状態を十分考慮する必要がある。

(北村 正樹=慈恵医大病院薬剤部)