あめつちの詩

「あめつち」に響く歌声の持ち主「にいや」こと「新屋まり」が奮闘の日々を綴る。

農家の長女に農繁期がやって来た

2024-05-17 | 田舎暮らし

このあたりゴールデンウィークは

田植えの最盛期。

父と私は母校が同じ。

存命中の父がクラス会の

案内はがきを見て

「くそ忙しい時期に」と

つぶやいていたっけ。

クラス会は大抵、春か秋で

農家にとっては田植えか稲刈りの

繁忙期だ。

「都会のモノは知らんよの~」と

言っていた。

行く気満々だからその感想が

もれるってことだ。

先だってクラス会の日にちを

数人と相談して5月3日に決めた。

「連休中かぁ。

父は迷惑がっていたな。」と思った。

ゴールデンウィ―ク中にも

私はライブを企画したり

イベント出演をして家人の

不評を買ったことが度々ある。

今は機械が良くなったので

田植えは2,3人で十分だ。

むしろ4人目以上はあぜ道を

賑わしている程度で

傍からみたら「大げさじゃね?」

ってくらいな時代になった。

しかしながら母にしてみれば

田植えと稲刈りは大事な稼業で、

もはや人生の「メインイベント」。

ご近所総出で手伝ってもらったり

手伝いに行ったりで、

大勢が早朝から何日もかけて

大騒ぎしてやってきた事だ。

年を重ねてもというか

年を重ねれば重ねるに従って

その時の記憶や印象が強くなる

のでしょうね。

我が家の田植えの前から

ご近所の田植えの進捗状態を

いたく気にかけていた。

日がなリビングから外を眺めて

気をもんだ。

はい、メニエル発症。

母はそれから不調だったはずだが

田植え当日も一番暑い昼日中に

田んぼに立っていた。

めまいの原因を水分不足と

診断されていたが飲み物を

持たずに田んぼに行ったなと思った。

母には悪いが具合が悪くなっても

自己責任だし仕方ないと思った。

母はあれほど辛かった農作業が

実は好きなのだろうと結論した。

万事を「ねばならぬ」とくくり

あと少し「頑張らなくては」と

88年を生きた人。

人生自体もあと少しだよ・・と

私は思うが母は止まらない。

「好き」というよりも農作業でしか

自分の存在を確立できないと

思っているのかもしれない。

私は他人事ながらそういう母の

生き様に苛立ってくる。

母は無意識に私にそのように

生きろと求めてくる。

農家の長女同志だからかな。

私の苛立ちは誰にも伝わらない

だろうと思う。

私は自分でもぎょっとするほど

切れて2,3暴言を吐いた。

で、家人からは逆の戦力外の扱い。

早々に勤務に出かけた。

翌朝から母は不調が続く。

吐き気とめまいがあったという。

それが収まっても覇気がなくなった。

頭痛があるという。

私も実は連休明けから不調。

めまいこそないが頭痛と酷い

肩こりが続く。

母とけして同じにはならないと

思いながらどうやら体質が似ている。

親子だもの。

父の体質と似ているが当然

母とも似ている。

似て良かったという体質って・・。

ちょっと思い浮かばない。

ああ、白髪が少ない。

母を頼りにできなくなった。

畠仕事は私の双肩にかかっている。

ってそんな大げさなものでもないが

サニーレタスが育った。

スナップエンドウを5本だけ

植えたが実がなった。

「かわいいな~。」と思う。

かわいいと思いながら食べるって

ちょっと矛盾しているかもしれない。

ほうれん草と人参は草の中に

育ってきた。

草をむしり耕うんを待てないので

2畳ほど手作業で耕した。

えらい勢いでやった。

草も刈った。

日向で3時間。

夕方から鼻とほほが真っ赤っかだ。

かつてないほどの日焼けだ。

何か月分の紫外線を一気に浴びた

と思う。

草刈りの視野が広くなるので

つばが小さい帽子を選択したのが

間違いだったと激しく後悔した。

母は「日を背にしてやればいい」

と言った。

ああ、なるほど~!!

認知機能と体力が落ちても

母のキャリアは侮れないと思った。

で、何なのか分からない野菜が

芽を出して葉になってきた。

春に種を撒こうとしていたが

あまりに小さかったので

ポットに土を入れて撒いた。

芽が出たので畠に植えなおした。

立ち会ってもいない妹が

「アスパラじゃない?」と言うので

真に受けたが葉物のような気がする。

未だに何か分からない。

10本くらい野菜が育っている。

見るたびに「で、これは何??」

と思う。

どうしても思い出せない

自分の脳はもはや信用できない。

お茶をガスコンロに掛けて

草刈りに出た自分にも恐怖する。

2時間後コンロの上に真っ黒な

やかんが乗っかっていた(爆)

揶揄する母と自分は同レベルだ。

「お互いを支え合い励まし合うべし」

だよね。

 

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「緋き山河に」ミュージック... | トップ | 生きることは食べる事 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿