市民がつくる新潟の会(市民の会)

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BRT構想の問題点 その2 弱者切り捨てのゾーンバス

2014-08-13 11:07:01 | 脱イベント行政、BRT・連節バスの中止を
 BRT構想の問題は無駄な連節バスを購入するだけではありません。ゾーンバスシステムという名の路線再編も大きな問題です。

 新潟市のBRT構想では、新潟駅から青山以西に行く路線について、青山で路線を区切り、路線を再編することとされています。これは市街地の路線と郊外の路線を区切るゾーンバスシステムと呼ばれるものです。この結果、青山より西に住んでいる人たちは、新潟の市街地に行くためには、一旦青山で乗り換えなければならなくなります。これが高齢者や障がい者の方にとって大きな負担であることは言うまでもありません。まさに交通弱者の切り捨てです。

 長大路線を適宜短くし、効率化するという発想自体、理解できなくはありません。しかし、他の自治体の例を見ると、決してうまくはいっていません。

 私が視察した盛岡市では、3路線でゾーンバスシステムが採用されていましたが、2路線でゾーンバスが廃止され、松園路線の1路線で辛うじて存続しているのみです。松園路線でも、まちなかへの直行便を増やすなどしており、実質的にはゾーンバスシステムはなし崩しとなっています。これは利用者が乗換に不満をもっているからです。ゾーンバスシステムに不満をもっている人達はアンケート結果で8割程度います。そして、乗継について不満を述べる人は7~8割程度います。なお、ゾーンバスシステムによりかえって目的地までの所要時間が長くなったと訴える人は80パーセントいます。待ち時間を要するのだから当然の結果です。これだけ不満がかさなればゾーンバスシステムを維持できないのは当然です。

 新潟市からは、盛岡で完全に失敗したゾーンバスシステムが、新潟ではうまく行くと判断できる理由は説明されていません。実際、西区の住民の方々からはBRTについて不安の声が多く聞かれますが、新潟市はそれを真摯に受け止めるべきではないでしょうか。

 盛岡の教訓から、新潟市では、沿線住民に具体的なイメージを説明し、大方の納得を得ながら計画を立てるというやり方でバス路線のあり方を検討すべきです。篠田市政のように、市が決めたことは住民が反対しようが強行するというやり方では必ず破たんすると思います

BRT構想の問題点 その1 約30億円の事業の成果はたった18秒の時間短縮

2014-08-12 13:47:17 | 脱イベント行政、BRT・連節バスの中止を
 新潟市が進めるBRT構想。問題には大きく分けて、公金による連節バスの導入の問題と、路線再編の問題とがあります。

 今日は連節バスを購入することの必要性がないことを明らかにします。

 篠田市政では、高額な外国製の連節バスを市が購入し、新潟交通に無償貸与することにしています。

 連節バス購入を含むBRTシステム導入経費については、時期によって想定される金額が違っていますが、平成25年8月修正の「新バスシステムによる新しい公共交通」という新潟市作成のパンフレットによると、事業費は約30億円とされています。そのうち、連節バス購入経費及び連節バス購入にともなう関連経費がかなりの割合を占めると思われます。

 それでは、約30億円の事業の成果は何でしょうか。

 BRT構想において、連節バスを導入するメリットは、大量輸送を可能にするというところにあります。そうすると、連節バスを購入しなくとも、バス路線を整理したうえで、新潟交通保有の通常のバスを頻回に運行させればよいではないかとも考えられます。具体的には、2分に1本程度通常のバスを運行させれば、連節バスを運行する場合とそん色ないだけの輸送をすることができます。

 そのようなことを言うと、市は、2分に1本の間隔の運行では、バスが団子状態になってまずいという主張をします。ここで問題なのは団子状態の何が悪いのかという事です。これは、団子状態になれば、バスの遅延につながるところが問題だということだと思われます。そして、新潟市のシミュレーション結果によると、新潟駅ー新潟市役所間を2分間隔で運行した場合、平均所要時間は10・9分でした。3分間に1本の場合、10・6分です。つまり、新潟駅ー新潟市役所間で、2分間隔の場合と3分間隔の場合で、平均所要時間は0・3分、18秒しか違わないということです。さらにいうと、大金をはたいて導入するBRT,連節バスの成果は、新潟駅ー新潟市役所間の運行時間を18秒縮めるという程度のものだということです。

 私たちの税金を約30億円使う事業の成果が、たった18秒の時間短縮なのです。これを壮大な無駄と言わずしてなんといえばよいのでしょうか。

まだまだ続けるの?水と土の芸術祭

2014-08-11 11:43:21 | 脱イベント行政、BRT・連節バスの中止を
 篠田市政の失政としてよく語られるものの1つが水と土の芸術祭です。

 これが新潟市に大きな経済的負担を与えていることは明白です。水と土の芸術祭2012総括報告書によると、新潟市の一般財源から1億8987万9258円が支出され、赤字を埋めています。その他、職員の人件費など決算には出てこない部分もあります。北川フラム氏が芸術祭の調査に関わっていたときには、同氏に対し、芸術祭の調査にかかわっていたことが理由となり960万円の報酬が支払われることになっていました。同氏が非常勤職員、つまり常時出勤するわけではない立場にあったことからすると非常識に莫大な報酬が支払われていたといえます。

 このような莫大な支出に見合うものはあったのでしょうか。

 総括報告書からすると、成果としては県外からの客の入り込みがあったということ、それに伴い地域にお金が落ちたということが考えられているようです。

 確かに一定数(来場者の35パーセント程度)、県外からの客が入ったようです。しかし、総括報告書の添付資料中のアンケート結果を見ても、県外客が新潟市に来たついでで来場したのか、水と土の芸術祭に来たいということでわざわざ来県したのか判然としません。来場者アンケートの項目に、県外客が何を第一目的として来県したか問う質問がないので、分かりようもありません。私自身、東京など県外で仕事をすることがよくありますが、そのような折に水と土の芸術祭が話題になったことは一度もありません。わざわざ水と土の芸術祭を見るために県外から来た客が多くいたとは思えないし、新潟市は芸術祭目当てで県外客が来県したといえる根拠を何ら示していないということです。

 新潟に来たついでに立ち寄る程度の魅力しかない水と土の芸術祭に今後も大金を注ぎ込みつづけるのでしょうか。
 

篠田密室行政 その1 闇から生まれた「水と土の芸術祭」

2014-08-09 13:07:22 | 脱イベント行政、BRT・連節バスの中止を
篠田市長は情報公開を推進すると言ってきました。

 しかし、実態として、篠田市政において、情報公開はかなり停滞しているのが実態です。

 その実例として、水と土の芸術祭における意思形成過程文書の問題点についてご説明します。

 いうまでもなく、水と土の芸術祭は、大地の芸術祭のパクリとして新潟市で行われている芸術祭です。なぜ税金を使ってこのような無意味なことをするのか疑問に感じ、新潟市に「水と土の芸術祭を実施するに至った意思形成過程を明らかにする文書一切」の情報公開請求をしたことがあります。

 そこで公開されたのは、

1 2007年9月5日付「新潟市 水と土の芸術祭(仮) 基本構想(案)」
2 2007年9月12日付「『水と土の芸術祭 2009(仮称)』に関する調査について(依頼)」
3 2007年10月16日、31日付「『水と土の芸術祭 2009(仮称)』勉強会次第」など勉強会資料
4 2007年11月19日付記者会見資料

です。

 1の段階で、既にかなり詳細な構想案となっています。この段階でほとんど構想が決まっています。
 2の段階で、1の文書について検討するよう市長から職員に指示がなされています。
 3の段階では、ほとんど実施は決まっているような状況となっています。

 1より前の段階の文書は全く公開されませんでした。1の段階ですでに水と土の芸術祭を行うこと及びその内容はほとんど決まっているのです。しかし、それがどのようにして決められるに至ったのか明らかにする文書は一切明らかにされませんでした。

 情報公開は、文書があって初めて成り立ちます。文書がなければ公開のしようもありません。篠田市政では、重要な事業の意思決定過程を明らかにする文書をそもそも作成せず、意思決定過程について情報公開が機能しないようにされているのです。これでは名ばかり情報公開と言われても仕方ないでしょう。
 本来、きちっとした公文書管理条例を作り、それにより意思形成過程が検証されるようにすべきなのです。篠田市政において公文書管理条例作成を怠ってきたことの問題性については次回述べます。