逍遥日記

経済・政治・哲学などに関する思索の跡や旅・グルメなどの随筆を書きます。

新型コロナウイルスと各業種の対策

2020-04-04 08:26:15 | 経済
新型コロナウイルスと各業種の対策
                                                           和洋女子大学・山下景秋


 小売り業や飲食業、旅行業、ホテル・旅館などの業種を中心に経営が悪化しています。
 これらの業種の対策について私が最近投稿したツイートの内容をまとめて整理しました。
 私自身は各業種・業界に関して全くの素人なので、頓珍漢な内容も多いと思いますが、これを1つのきっかけにさまざまな活性化案がたくさん提起されることを望みます。ネットで多くのアイディアを募集すればどうでしょうか。
 ただし、この原稿を最初に投稿(4月4日)してから少し時間が経過して事態が深刻化したので、内容が現在では相応しくないものも含まれています(4月6日現在)
 なお、(  )内の日付は、私のツイート「山下景秋@kageyamashita」に掲載した日を表わします。
1.各業種の対策
小売業
 新型コロナウイルス対策として外出しない人が増えたので、様々な業種の経営が難しくなりつつある。消費者が商品を買いに販売店に行くのではなく、販売店側が消費者の住まいの近くに行って売ること、すなわち現代版御用聞きや行商が必要になってくる。(3月11日)
食材
 日本の牛肉「和牛」の味は世界最高峰である。外国でWagyuのメニューがあるぐらいである。その和牛が最近売れなくなっている。スキヤキ味、焼き肉味などの味のついた冷凍肉や缶詰にして、世界中に対して宅配で販売できないだろうか。(3月31日)
 和牛だけでなく、農家、畜産農家、漁家、道の駅、農協、漁協、旅館、地方自治体などが協力して、地方の食材を都会に配送するビジネスに力を入れてもらいたい。
飲食業、ホテル
 客が店内に入ることをためらうのであれば、客が料理自体を自宅に持ち帰るテイクアウトや、店側が注文に応じて客の方に料理を運ぶデリバリー(出前・配達)、そして高級店やホテルの調理場で調理した複数の豪華な料理や飲み物を自宅や職場、あるいは少人数の会場などに運び配膳するケータリングが可能である。その際、飲食店やホテルであたかも実際に食べているかのような雰囲気を味わうために、飲食店やホテル内の飲食用スペースや調理場を動画や写真にしてそれを付けて宅配する(あるいはYouTubeで流して、宅配先にその動画を紹介する)こともできるかもしれない。
 さらに、飲食店で仕事の減った料理人や、失業した料理人やスタッフが、客の自宅などに出向いてそこで(宅配された食材を使って)料理を作り配膳・給仕することも考えられる(3月24日、28日)。家庭に出向いた料理人が、家族に料理の方法を教えたり、家族と一緒に調理を楽しむということも考えられる。ただし、人が家庭に出向くのは、感染状況が深刻化すると難しくなる。出向く場合は、マスクは勿論、十分な手洗い、消毒が必要になる。
 飲食店が提供する料理自体を(味が少し落ちるかもしれないが)冷凍の弁当や缶詰にして、世界から注文を受け、世界の家庭に配送することはできないだろうか。 (3月31日)
 ただし、腐敗して食中毒をおこすと信頼が低下してこの仕組みが維持できないから、食の安全には十分注意しなくてはならない。
旅行、旅館・ホテル
 現在でも、車で国内旅行に行きたい人は多くいるはずである。客数が激減した旅館・ホテルは、消毒を徹底し、部屋の宿泊は連日ではなく隔日にしたり、各宿泊部屋を離したり、食事は部屋食などにし、それをアピールしてはどうか。(3月24日) ただし、事態が深刻になり外出が規制されると、旅行に出かけるのは難しくなる。緊急事態の期間は、旅館・ホテル、旅行業への政策的支援が必要だ。
 旅館・ホテルは、(低料金施設)貧困者の(補助金による)宿泊券により、(高料金施設)感染避難場所として(ただし、地方の人達からの批判がある)、あるいは逆に、未症状・軽症の感染者収容場所として宿泊客を獲得してはどうだろうか。(3月23日)
 東京都内のある企業が、都の外出自粛の要請を受けて、社員が都内のホテルに宿泊するようにした。満員電車で通勤する必要がなくなるし、ホテルの経営を救うことにもなる。(3月27日)
旅館・ホテル
 我々が各地に旅行・観光に行くのはその地特有の景色や雰囲気や料理・食材を楽しむためである。その地方特有の珍しい食材があるのなら、その地の食材自身や、それを調理した料理を都会の消費者に宅配したらどうか。旅館・ホテルが提供する料理自体を(味が少し落ちるかもしれないが)冷凍の弁当にしたり、 旅館・ホテルの料理そのものを缶詰にできないのだろうか。
食材や料理だけではない。旅館自慢の温泉水そのものや、温泉の水を取り除いた温泉の素を宅配で販売できるかもしれない。(3月31日)。
 ある観光地では、その地の空気を缶詰にして販売したこともある。ならば、その地のおいしい水を宅配で販売することも可能ではないか。またお土産を売ることもできるだろう。
それらのものを都会の消費者に送る時、その観光地の風景や生活や料理、温泉などを動画や写真にしてそれを付けて宅配する(あるいはYouTubeで流して、宅配先にその動画を紹介する)こともできるかもしれない。
交通機関
 人の移動が制限され始めたので、航空機、列車、バス、船などの客数が顕著に減少している。これらが人の移動に使えないならば、これらの交通機関の一部をモノの運搬に使えるように変更できないだろうか。(3月23日)
 空港には、減便により飛べず止まっている飛行機が多数ある。航空会社の収入も落ちている。一方、海外からの帰国者は公共交通機関を使わず2週間人とは触れず待機しなくてはならない。未使用の飛行機を彼らのための宿泊所として使えないだろうか。(4月1日)
 現在のような事態になると、クルーズ船の航行は中止すべきである。その代わりクルーズ船を病院船として使用できないだろうか。勿論、医療スタッフによる感染防止の強力な管理が必要である。(3月24日)
ネットによるビジネス
 今や先進国の産業の中心は情報関連である。新型コロナウイルスが蔓延し外出が規制されている現在、ネットで仕事を人々の間で融通したり分担したりすることが必要である。また在宅の人々に娯楽や気晴らしをネットで提供するビジネス(ヨガの指導など)も求められる。(3月28日)

2.宅配の必要
ネットによるサービスの提供・管理
 新型コロナウイルスが猛威をふるっている現在、外出が困難な状況であるので、各種商品を各家庭に配送したり、ネットを通じて各家庭にサービスを提供することが求められている。どの家庭でどんな商品やサービスを求めているのか、またその必要をどのようにして満たすのか、それらの情報をネットなどで整理・管理するビジネスが求められる。(3月28日)
宅配
 その情報に基づいて、商品を各家庭に配送する宅配の仕事に従事する人が多く求められている。
 宅配する人がウイルスをうつす可能性やうつされる可能性がある。宅配する人や宅配商品の消毒は十分に行う必要がある。支払いにはおカネや紙媒体の商品券をできるだけ使わず、ネットで支払ことができるならそうした方がよい。また宅配商品の受け渡し時、宅配スタッフと商品を受け取る家庭の人の間の距離をとって渡す(商品を庭先や玄関に置くなど)ことが必要になる。
宅配に従事する人は、危険を伴うのでその分高い賃金で雇わなくてはならない。

3.生産と雇用
生産の変更
 売れない製品が増えてくる一方で、タブレットなどの情報機器や、人工呼吸器やECMO、マスク、消毒剤など医療関係の製品の需要は増えている。
 需要の減った製品から需要の増えた製品へ生産を切り替えていかなくてはならない。そのためには、政府はそれらの製品を生産するための設備投資に資金を援助することが必要である。また、生産された製品のうち将来売れ残るかもしれない場合には、政府はその全量を備蓄用に買い取ることを生産企業に保証しなくてはならない。 (3月31日)
雇用対策
 新型コロナウイルスの蔓延により仕事が失われる。特に、小売り、飲食、旅行・観光、ホテル・旅館などの業種の仕事が減っている。
 一方で、マスク、消毒剤などや買い占め対象商品は生産増が必要になる。また外出せず自宅に居らざるをえない人々にとって食料・食品や日用品などは必要なので、それらを宅配する人が必要になる。これらの生産やサービスの提供に関わる雇用が必要とされている。
 また、在宅の新型コロナなどの患者を世話する人や、街の消毒用の要員も必要になる。
 何よりも情報関連の仕事が激増する。ネットを使って自宅で仕事や学習をする人が増え、ネットで商品を注文する人が増えるからである。
伝染病が拡散する期間、職を求める人々をこれらの仕事の方向に誘導する政府や民間組織の活動が求められる。(3月28日)。


(続いて近く、この私のブログ「逍遥日記 山下景秋」において、「新型コロナウイルスと経済対策―現金給付、消費税引き下げ、商品券―」、「マスク問題―買い急ぎ、買い占め、転売の問題―」、「新型コロナウイルスと世界の経済・政治」という題のブログを掲載する予定です)



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