逍遥日記

経済・政治・哲学などに関する思索の跡や旅・グルメなどの随筆を書きます。

1月25日(金)のつぶやき

2019-01-26 05:59:09 | 哲学

授業「アジア経済論」の概要-中国経済-

2019-01-26 00:37:51 | 経済
授業「アジア経済論」の概要
           和洋女子大学国際学科教授・山下景秋

●11月29日~12月20日の授業-中国経済-
78年から改革開放へ。
 農村改革により人民公社弱体化→家族請負責任制の導入→農業生産↑、人民公社の解体→農村の余剰労働力を吸収して郷鎮企業が成長。国営企業から国有企業へ→ある程度の経営自主権を与える。
 79年「経済特区」設立、(85年の)プラザ合意後の円高による日本の輸出↓→その代わりアジアNIES(韓国、台湾、香港、シンガポール)の輸出↑→中国への工場移転↑→外資系企業による輸出、94年からの人民元安政策、01年のWTO加盟→中国の輸出↑。輸出↑と公共投資・不動産投資・設備投資↑→成長
 08年のリーマンショック対策としての財政支出増と金融緩和により、公共投資↑、住宅投資↑→住宅バブル。また、人民元安政策もあり→インフレ→国民の不満↑→引き締め→住宅バブル崩壊→株バブルへ誘導→株バブル。
 住宅バブルの崩壊(壊滅ではなくバブルではなくなるという意味)→資金の返済↓→銀行の不良債権↑、理財商品投資の損↑→投資家の不満↑。
 賃金↑、人民元↑+リーマンショック、欧州経済危機+米中貿易戦争→輸出の伸び悩み。
 輸出伸び悩みの対策…①中国、日本など東アジア諸国の自由貿易を目指すRCEPに力を入れて輸出↑。
★RCEP(Regional Comprehensive Economic Partnership=東アジア地域包括的経済連携)とは、ASEAN(アセアン)(東南アジア諸国連合)10か国と日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの計16か国が合意をめざす自由貿易協定(FTA)。
②一帯一路構想。③賃金↑→内需(中国国内でモノを買ってくれる・売る)の拡大。
★一帯一路構想とは、中国の銀行AIIB(アジアインフラ投資銀行)を通じて、中国周辺の諸国(アジア、アフリカ、中南米)に資金を貸出→鉄道・道路・港・ダムなどのインフラ建設→中国企業が請け負う、中国人労働者を雇用、中国の余剰鉄鋼やセメントを使用
→中国の経済↑
 一帯一路構想による鉄道・道路・船舶により、中央アジアの石油・小麦、アフリカの鉱物・石油などの輸入↑→それを基に製品の生産↑→鉄道などを通じて、欧州やアジア諸国への輸出↑
 一帯一路構想の問題点…①借入諸国が借金を返済できない→中国が鉱山開発権や港湾使用権(スリランカでは軍用港化)などを取得→諸国の反発。②ビジネスと労働力を諸国に任せない不満。③中国国内貧困層の(外国優先に対する)不満↑。
 米中貿易戦争→輸出の伸び悩み→人民元↓→米中貿易戦争深刻化なら→(輸出↓→)ドルの獲得↓→中央銀行による人民元買い・ドル売り介入困難の可能性→人民元↓↓(人民元の暴落→通貨危機)→輸入価格↑→インフレ→輸出価格↑→輸出の伸び悩み(悪循環)。
 その他の問題点…①国有企業改革の遅れ→ゾンビ企業。②内陸部はまだ貧困→西部開発の必要。③環境問題(森林伐採→洪水・断流→水不足←地下水の涸渇。深刻な大気汚染、水汚染、ゴミ問題)。④政治家や官僚の汚職→国民の不満↑。
 
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