やぎの宇宙ブログ

宇宙の最新情報ヽ( ・◇・)人(・◇・ )ノ世界の愛と平和

2月前半のニュース(その他)

2008-03-25 01:06:09 | 最新ニュース
2月前半の3大ニュースはこちらです↓
2月前半のニュース(トップ3)
http://blog.goo.ne.jp/new_petty75/e/c88c0331110034503779d7c4bb3284ac


それではこの他の注目ニュース



★有害な太陽風の到来を予測

SOHO data used for real-time space radiation forecasting
http://www.esa.int/esaSC/SEM5GPUHJCF_index_0.html



ESAの太陽観測衛星SOHOのデータを利用し、宇宙空間で活動する人間や人工衛星などに害を与える太陽風の到来を少しでも早く知らせる技術が開発されています。


★タイタンの有機物の量、地球の石油・石炭の数百倍?

Titan's Surface Organics Surpass Oil Reserves on Earth
http://saturn.jpl.nasa.gov/news/press-release-details.cfm?newsID=814



NASAの土星探査機カッシーニは厚い大気に包まれた土星最大の衛星タイタンの探査を続けており、これまでのレーダー観測はタイタン全体の約20%をカバーするに至りました。
その中で、特に北極地方には数百もの湖や海が発見されました。
これらの湖や海は、液体のメタンやエタンからなると考えられています。
地球上の湖の形状との比較やレーダー観測の結果などから、それら湖や海の深さを推定し、液体炭化水素の量を計算したところ、タイタンには地球上の石油や天然ガスの数百倍もの炭化水素が存在することが分かりました。
さらに、赤道付近に多く見られる砂丘を構成していると考えられる「ソリン」(メタンやエタンが紫外線を受けて反応した生成物)の量も、地球上の石炭の数百倍に及ぶと推定されます。


★3つの小惑星からなる連星系、レーダー観測で発見

Arecibo finds first near-Earth triple asteroid
http://www.naic.edu/~pradar/asteroids/2001SN263/



(153591) 2001 SN263は2001年にLINEAR計画で発見されたNear Earth Object (NEO)で、アモール族に属する小惑星です。
今年1月10・11日の観測で、光度曲線からこの小惑星に衛星が存在する可能性が指摘されていました。
この程2001 SN263が地球に接近し、アレシボ観測所でレーダー観測が行われました。
1100万kmの距離から解像度75mという非常に高い精度の観測により、2001 SN263が3つの小惑星からなる連星系であることが発見されました。
上は2月12~14日の2001 SN263のレーダー画像です。
下に2001 SN263の軌道データと、3つの天体の固有データを示します。

         (153591) 2001 SN263
族        Amor
軌道長半径  1.98530923 AU
離心率     0.47767361
軌道傾斜角  6.686945°
昇交点黄経  325.92982°
平均近点角  322.278008°
公転周期   1021.74064 d

         primary      2nd        3rd
直径      2 km        1 km       0.4 km
絶対等級  16.861 ± 0.805  (primary) +1.5  (primary) +3.5
アルベド  0.16          -          -


★活発に星が生まれる、暗黒時代の銀河

Astronomers Find One of the Youngest and Brightest Galaxies in the Early Universe
http://hubblesite.org/newscenter/archive/releases/2008/08/full/

Astronomers Eye Ultra-Young, Bright Galaxy in Early Universe
http://www.spitzer.caltech.edu/Media/releases/ssc2008-04/release.shtml



NASAのハッブル宇宙望遠鏡とスピッツァー宇宙望遠鏡が観測した銀河A1689-zD1は宇宙誕生から7億年しかたっていない若い銀河で、暗黒の時代と呼ばれる当時の宇宙では最も若く最も明るい銀河でした。
暗黒時代とは、ビッグバンの後膨張による冷却で水素ガスの深い霧が宇宙を満たした40万年後から、たくさんの恒星が誕生して水素ガスが再び温められ霧が晴れた10億年後までを指します。
赤方偏移(宇宙の膨張により遠くの銀河は後退し、そこから来る光の波長がのびる現象)のため、赤外線でしか観測できません(右側の上段は可視光線、中・下段は赤外線)。
手前にある(地球から22億光年)銀河団Abell 1689の重力による重力レンズ効果によって、遠くにある(128億光年)銀河A1689-zD1の光が10倍に強められ、観測しやすくなっています。

銀河A1689-zD1は数十億個の恒星からなる小さい銀河ですが、当時としては標準的な大きさです。
明るい領域は活発に恒星が誕生している場所であり、その範囲はわずか2000光年しかなく、狭い領域で数多くの恒星が誕生したことを裏付ける観測結果です。


★光エコー利用し、星までの距離を測定

Light echoes whisper the distance to a star
http://www.eso.org/public/outreach/press-rel/pr-2008/pr-05-08.html



ヨーロッパ南天天文台の望遠鏡を使ってセファイド型変光星とも座RS星が観測され、光エコーという現象を利用して天体までの距離が正確に測定されました。
変光星は周期的に明るさを変化させる恒星で、セファイド型はその周期と明るさとの間に厳密な関係があるため、遠くの銀河までの距離を測定するのに利用されます(銀河内のセファイド型変光星の光度変化を観測すれば距離が計算できます)。
そのため、セファイド型変光星の正確な距離を知ることは、遠くの銀河までの距離をより正確に推定し、宇宙の大きさを正確に知ることにつながるのです。
とも座RS星はセファイド型変光星の一つで、星雲に包まれています。
そのためとも座RS星に照らされて、星雲の明るさも周期的に変化します。
よりとも座RS星から離れた部分は光が到達するまでに時間がかかるため、周期が遅れます。
その結果上の動画のように、明るく輝く部分が星雲の中を同心円状に広がっていくように見えます。
この構造を詳しく解析することで、距離は6500±90光年と推定されました。


★ディープ・インパクト、次なる使命は系外惑星探査

NASA's Deep Impact Begins Hunt for Alien Worlds
http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2008-021



2005年7月4日にテンペル1彗星に接近し、子機を衝突させる実験を行ったNASAの彗星探査機ディープ・インパクトが、次のミッションに向けて動き出しました。
Epoxiと名付けられたこのミッションは、EpochとDixiの2つのミッションからなります。
このうちEpochは太陽系外惑星観測探査(Extrasolar Planet Observations and CHaracterization)の略で、トランジット惑星を持つ比較的近距離にある5つの恒星を観測します。
既に発見されている惑星の性質を調べたり、他の惑星を探したりするのが目的で、1月22日に始まりました。
もう一つのDixiはディープ・インパクト延長調査(Deep Impact eXtended Investigation)の略で、2010年10月11日にハートレイ2彗星に接近する予定です。
図はEpoxiへ移行するディープ・インパクトの予定軌道です。


★「ひので」、太陽黒点のガス流と磁力線の対応を解明

太陽観測衛星「ひので」の現状と最近の研究成果について
http://www.jaxa.jp/press/2008/02/20080206_sac_hinode.pdf



日本の太陽観測衛星「ひので」は、磁力線の3次元構造とガス流の視線速度を、同時に高精度で観測することができます。
黒点の観測で、半暗部では「直立」磁力線と「水平」磁力線が交互に並んでおり、ガスの上昇流と下降流は「直立」磁力線に沿って発生していることが分かりました。


★観測ロケットS-310-38号機、打ち上げ・観測成功

S-310-38号機 発表文
http://www.jaxa.jp/press/2008/02/20080206_s-310_j.html



★プラズマを吸収するAリング

Saturn Has a 'Giant Sponge'
http://saturn.jpl.nasa.gov/news/features/feature20080205.cfm



2004年6月、NASAの土星探査機カッシーニが土星に到着し、リングの間を通過してAリングのすぐ上を飛行しました。
その際、Aリングの近くでプラズマ粒子の濃度が低くなる現象を捉えました。
その後の探査で土星の衛星エンセラダスから細かい氷の粒子が噴出しているのが発見されました。
エンセラダス内部から噴出した粒子は、太陽光や他の粒子との衝突によって荷電し、土星の磁場に捉えられます。
その荷電粒子がAリングに到達するとそこで吸収されていると推測されます。
実は1990年代初めのハッブル宇宙望遠鏡による観測で土星から約24万km離れた軌道上に水分子の雲が発見され、今回のような現象が予言されていました。


★巨大楕円銀河誕生の謎

NGC 1132:
A Mysterious Elliptical Galaxy
http://chandra.harvard.edu/photo/2008/ngc1132/



NASAのチャンドラX線観測衛星とハッブル宇宙望遠鏡が撮影した楕円銀河NGC 1132の画像です。
青・紫の画像は高温のガスが発するX線を捉えたものです。
NGC 1132は、銀河群にも匹敵する程の量のダークマターや高温ガスを持っています。
このような楕円銀河の起源については、かつて銀河群に属していた銀河同士が衝突を繰り返して一つの巨大な銀河になった可能性と、中型の銀河が成長できない何らかの条件があって巨大な銀河が誕生した可能性とがあります。


★ESA、火星の地形データをインターネット配信

ESA presents Mars in 3D
http://www.esa.int/esaSC/SEM8Q2PR4CF_index_0.html



★金星低層大気の詳細なガス分布が明らかに

Venus Express seeks out gases below the clouds
http://www.esa.int/esaSC/SEMMJ432VBF_index_0.html


ESAの金星探査機ヴィーナス・エクスプレスが、金星の地表近くの大気の組成の詳細な地図を作成しました。
金星の分厚い雲の層を通り抜けることができる波長をVIRTIS分光計を使って捉えました。
金星大気の大部分は二酸化炭素からなります。
VIRTISはその他にも一酸化炭素、硫化カルボニル、水蒸気などを検出し、初めてそれらの広域にわたる詳細な分布が明らかになりました。
その結果、一酸化炭素の多い地域には硫化カルボニルが多く、硫化カルボニルが多い地域には一酸化炭素が多いという関係があることが分かりました。
このようなガスの分布は、赤道地域から上昇した気流が高緯度地域で下降する大規模な対流によって生み出されると考えられます。


★2つの小惑星シーシュポスとハントレスに衛星発見?

Near Earth Object (NEO)のアポロ族に属する(1866) Sisyphusと、小惑星帯に属する(7225) Huntressが衛星を持っているという観測結果が報告されました。
Sisyphusは、アレシボ観測所にて1985年以来長期にわたるレーダー観測が行われていましたが、今回初めて衛星が存在する可能性が示されました。
一方のHuntressは、オンドレヨフ観測所での光度変化の観測から、衛星が発見されました。
いずれも衛星に関する詳しい情報はまだ得られていませんが、母天体である小惑星のデータを下に示しておきます。

         (1866) Sisyphus  (7225) Huntress
(軌道データ) Apollo        main belt
軌道長半径  1.893551936 AU  2.3402782 AU
離心率     0.53846349     0.2050115
軌道傾斜角  41.186946°    6.88117°
昇交点黄経  63.595880°    275.94771°
平均近点角  88.553646°    331.93502°
公転周期    951.731095 d    1307.674 d
(その他)
直径       8.2 km        ~6 km
アルベド     0.16          -
自転速度    2.400 h         -
型        S           S


★規則正しく並んでいるリング粒子

Cassini Finds Rhythm in Saturn's Rings
http://saturn.jpl.nasa.gov/news/features/feature20080131.cfm



NASAの土星探査機カッシーニが地球に向けて発信した信号が、途中で土星のリングを通過した際、土星のリングがちょうど回折格子のように作用していたことが分かりました。
このことは、土星のリングを構成する粒子(氷の岩)が密に集まった集団が、規則正しい間隔で並んでいることを示しています。
その間隔は100~250mと非常に狭いことが分かりました。
このような構造は、特にリング粒子の密度が高いBリングやAリングの内側部分でみられます。


★メッセンジャーが明らかにした水星の驚きの姿

Surprises Stream back from Mercury's MESSENGER
http://messenger.jhuapl.edu/news_room/details.php?id=58



2008年1月14日、NASAの水星探査機メッセンジャーが水星に接近しました。
7種類の観測機器は順調に機能し、観測結果の解析が進められる中で、34年前のマリナー10号接近時には分からなかった多くの情報が得られました。
上の写真はメッセンジャーが発見した地形の一つ、カロリス盆地の中央にある「蜘蛛(スパイダー)」です。


★ニュー・ホライズンズ、高解像度モードで冥王星を撮影

A Hi-Def Peek at Pluto
http://pluto.jhuapl.edu/news_center/news/012408.htm



冥王星・カイパーベルト天体探査機ニュー・ホライズンズが、2007年10月にLong Range Reconnaissance Imager (LORRI) の高解像度モードで冥王星を撮影しました。
高解像度モードで冥王星が撮影されたのは今回が初めてで、まだ遠すぎて表面の様子を直接撮影することはできないものの、冥王星の自転による明るさの変化を捉えることはできるはずです。


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