Bonjour, mesdames et messieurs!!
フランスは 華の都パリに来ました!
・・・というのはウソです。
ここはのどかな田園風景が広がる中国浙江省杭州市の郊外。
そんな場所に現れた白く輝くアパルトマン、、、シャンゼリゼ通り、、、そして中心にそびえ立つエッフェル塔・・・。
しかーし、、、人がいない。
まぎれもなくここはゴーストタウン。
上海市郊外のドイツ風ゴーストタウンを訪れた前回に続いて、
ぶらり中国ゴーストタウンの旅2回目は、農村に突如現れたフランス・パリそっくりの町「広厦天都城」を訪れました。
■杭州市郊外、フランス・パリ風ゴーストタウン「広厦天都城」
パリ…、ではなくパリ風の町・広厦天都城へ向かうには、まずは上海から高速鉄道に乗って浙江省の省都・杭州へ向かいます。
杭州行き高速鉄道が出ている上海虹橋駅。巨大ターミナルにはものすご人で 溢れかえっていました。
大混雑の上海虹橋駅からは、杭州北京・武漢・福州・青島・南京・合肥などなど、中国全土さまざまな都市へ向かう高速鉄道が出発します。
杭州行き高速列車「和諧号」。
上海虹橋駅から杭州駅までは約1時間の移動。
250km/hほどのスピードで、あっという間に上海を出て田園地帯を走り、杭州へと到着。
事前に調べた情報で、杭州市中心部の武林広場辺りから今回の目的地「広厦天都城」へ向かうバスが出ているということで、
杭州駅から地下鉄で武林広場へと移動。
地下鉄・武林広場駅を降りると運悪く土砂降りの雨。
しかもバス停の場所が分からず辺りをしばらく彷徨って、やっと見つけたバス停。
目的地の「広厦天都城」へ向かってくれるようだ。でも遠そう…。
しばらく待ってやってきたのは、小さめのボロいバス。
乗客はそれほど多くなく、余裕で座席に座って「広厦天都城」へと向かいました。
杭州市中心部を出て途中渋滞に巻き込まれながら約1時間半。遠い…。
ついに、らしき建物が見えてきた。
偽エッフェル塔だ!
なぜかちょっとテンションが上がった。偽物なのに…。
バスは偽エッフェル塔の横を通り過ぎ、小高い丘が見える天都公園という場所でバスを降りました。
天都公園の入口。
公園に入ってすぐ目の前の丘に登ってみる。
この丘はパリのモンマルトルの丘をイメージして作られたのか?
ここからパリ風ゴーストタウン、「広厦天都城」が一望できるという。
急な階段を上って頂上へ。
見えた、パリ?の町。
町の中央に街路樹も植えられた広い通りがあり、その通りに沿って白いパリ風建物が建ち並んでいます。
そしてその一番奥には、「広厦天都城」のシンボルでもある偽エッフェル塔がそびえ立つ。
これだけ見るとマジでちょっとパリっぽい。
意外とちゃんと造られてるかんじ。
しかし、パッと見てこれだけ広い町だけれども、人間が活動している「活気」がまったく感じられない。
やはりゴーストタウンか。
ちなみに、天都公園の丘の裏には広い公園の敷地が続いていて、公園内には川や湖、フランスの田舎風建物・教会などがあります。
教会では結婚式や新郎新婦の前撮り撮影スタジオなどがあったりします。
しかし、この公園も人の気配が無い。。。
きれいに整備されていて、公園の雰囲気は良さそうだけれども…。
さて、隣接する天都公園を一通り回った後は、いよいよゴーストタウン「広厦天都城」に突入です。
天都公園を出て、先ほどバスを降りた場所から道路を渡ると町の中央を貫く通りがあり、
ここから「広厦天都城」に入ります。
町の中央を貫く通りの名は、
「シャンゼリゼ通り」!!
この辺りはちらほら住人らしき姿が見られた。
シャンゼリゼ通り?で子供たちが遊ぶ姿も。
「広厦天都城」入口のモニュメント。
シャンゼリゼ通りの先には偽エッフェル塔がそびえ立っている。
偽エッフェル塔に向かってシャンゼリゼ通りを歩き進んでいくことにしました。
シャンゼリゼ通りを歩いていくが、人が見当たらない。
白く輝く?パリ風アパルトマンのところどころには洗濯物が干されたりしていて住人がいる様子も伺えるが、
基本的にシャンゼリゼ通りを歩く人がほとんどいない。
建物一階部分は商店が入居できるような造りになっているが、
まったく店は入っておらず、ごらんのように扉が閉ざされていてシーンとしている。
だいぶ偽エッフェル塔に近づいてきた。
写真だけ見ると、なんだか美しい場所に来たように感じるが、これだけ立派な建物が建ち並んでいて、
この人のいなさと静けさは、非常に不気味です…。
いちおうスーパーが一軒あるようです。
住人らしい幾人かが買い物に来ていました。
で、これだけ立派にパリに似せた町を作りながら、なぜゴーストタウン化しているのか。
ここもやはり、杭州市中心部からかなり離れた郊外にあって、だれも住みたがらない状況のようだ。
そういうこともあり、ここの物件を買ったとしても、実際にはここでは暮らさず多くが空き家のままとなっています。
前回訪れた上海郊外のゴーストタウン・安亭新城とまったく同じ構図ですね。
しかし、安亭新城よりも大規模で、しかもパリの街を丸ごと真似して造って誰も住まないという、
壮大な無駄がここに出来上がってしまいました。
しーーーーーん。
天都公園からまっすぐ歩いてきて、シャンゼリゼ通りの端っこまでやってきました。
もう目の前が偽エッフェル塔です。
偽エッフェル塔の周りには一周ぐるっと周るロータリー道路があり、
その付近には別のマンション街が建ち並んでいました。そこはまだ「広厦天都城」よりは住人がいるようです。
偽エッフェル塔のふもとまで行きたくて、ロータリーを歩いて一周してみましたが、高い壁に阻まれてなかなか行けません。
よく見ると、偽エッフェル塔の隣には工事関係者用のプレハブ宿舎が建っていたりと、
本物のパリではありえない景色です。
話が逸れますが、偽エッフェル塔のロータリーを歩いているとき、小学校低学年ぐらいの男の子とその母親が前から歩いてきました。
ふと、その男の子が「リーベン(日本)」という単語を口にしたのが聞こえてきたので、
何を話しているのだろう?と、そば耳を立てていると、男の子は母親に向かって、
「リーベン グイズ(日本鬼子)を見つけたらどうしたらいい?」
と言っているのが聞こえてきました。
日本鬼子とは、中国人が使う日本人に対しての蔑称で、中国の反日戦争ドラマなどでもよく使われている。
それを聞いた母親は「さあぁ…」と、聞き流している様子だったが、まさか小さい男の子からそんな言葉が出るとは。
(これはマジです)
もちろん男の子は、本当に日本鬼子(私)一匹が前から歩いて来ているとは知りません。
たまたま反日ドラマでもテレビで観たのでしょうか??
思わず、「ここに日本鬼子が一匹いますよ~」と名乗りでようかと思いましたが、
反日ドラマの日本軍のように八つ裂きにされたら困るので(笑)、静かにその母子とすれ違いました。
変なことがあるもんだ。
さて…、
高い壁に囲まれた偽エッフェル塔のふもとはどうなっているのか確かめたくて、どこか中に入れるところがないか歩いていると、
大きな看板の下に入れる隙間がある場所を発見。
看板の下をくぐって中に入り、偽エッフェル塔に近づいてみました。
すると…
偽エッフェル塔の下は畑だった!
エッフェル塔と畑…。
この組み合わせが世の中に存在するとは思わなかった。
ということで、パリ風ゴーストタウン「広厦天都城」ぶらり旅は終了。
次回は、再び上海に戻り、今度はイギリス風ゴーストタウンをぶらり旅します。
(つづく)
■おまけ:中国ゴーストタウンができるまで…
経済の改革開放政策が始まって以降、中国共産党は常に経済を成長させ続けることで国・人民を治めてきました。
そのため、中国の地方政府の役人たちは中央政府から常に経済成長の成果を求められ、
一方で実績を上げた地方政府の幹部は出世することができ、さらに強大な権力を持つ地位へと上がっていくことができるのです。
地方の幹部が実績を上げたい(=出世したい)のであれば、自分の地域を経済発展させる、すなわちGDPを伸ばしていかなければなりません。
GDPを手っ取り早く伸ばしていく方法が、道路や高速道路を造り、ビルやマンションを建て…と、不動産開発を行うこと。
造られた道路やビル、マンションが活用されるかといった実際の需要の面はあまり意味を持ちません。
セメント、鉄鋼、ガラス、樹脂など膨大な材料を浪費し、たくさんの労働力を投入することこそに意味があり、
これを繰り返すことが経済成長の原動力となるのです。
こうして需要を無視した無計画な不動産開発プロジェクトがどんどん行われていきました。
それはやがて、数千億円から数兆円を掛けて新城(新市街地)の造成といった街一つを新たに造ってしまうほどの規模にまで拡大していったのです。
不動産開発をすれば、1~2年の短期でGDPへの効果が出てきます。
実績を上げた幹部は栄転してその地を去り、後には人の寄り付かない需要のない無駄な箱ものだけが残り、
やがてゴーストタウンと化していく…。
一方で、街がゴーストタウン化する理由は他にもあります。
経済が右肩上がりで急成長していく中で不動産価格も比例して上昇を続け、中国人にとって不動産は必ず価格が上がるもの、と認識…、
というか誰もが強く信じています。
都市の郊外にニュータウンが造られると、人々はこぞってマンション購入に走ります。
マンション物件を4件、5件持つ金持ちもたくさん現れたのです。
しかしこのような郊外物件は街の中心部から離れていて生活するには不便な場所にあります。
実は購入の目的は住むためのものではなく、価格が上昇することを見越しての転売や賃貸で金を稼ぐというような、あくまで投資目的のもの。
誰も住まない投資物件ばかりのニュータウンに人影は無く、やがてそのような街もゴーストタウンと呼ばれるようになるのです。
そして右肩上がりの経済成長が曲がり角に来ている昨今、不動産価格も下がり始めていて、バブル崩壊の足音が聞こえ始めています。
2008年のリーマンショック以降、中国では経済成長を維持するために膨大な金額の公共事業を行いましたが、
実は地方ほどお金は回ってこず、しかし中央からは経済成長維持を厳命されている中で、不動産投資プロジェクトを続けなければならず、
そこで資金調達先として使われたのが、最近話題のシャドーバンキング(影の銀行)。
正規の金融機関ではないシャドーバンキングが年25%、30%というような高利回りの理財商品を販売して資金を集め、
その資金を地方政府が作った不動産投資会社へ投資し、その資金で不動産開発を進める…。
不動産価格が上昇し続け、不動産開発で投資資金が回収できるのであれば問題ないのですが、
地方政府が行った不動産開発プロジェクトのほとんどは、上述したような需要を無視してゴーストタウンを生み出した無駄な開発ばかり。
投資資金の回収は不可能に近いのです。
今のところ、散発的にシャドーバンキングの破綻が起こっているだけで大きな混乱は起こっていないですが、
想像できないような膨大な金を動かすシャドーバンキングが連鎖的に破綻していったら…。
中国という国が大混乱に陥るような背筋が凍るような出来事が近い将来起こる可能性は高まっています。
中国の大地に静かにたたずむ幾つものゴーストタウンは、中国経済の崩壊を黙ってじっと待ち続けているのでしょうか…。
つぎ、ぶらり中国ゴーストタウンの旅3は、コチラ
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フランスは 華の都パリに来ました!
・・・というのはウソです。
ここはのどかな田園風景が広がる中国浙江省杭州市の郊外。
そんな場所に現れた白く輝くアパルトマン、、、シャンゼリゼ通り、、、そして中心にそびえ立つエッフェル塔・・・。
しかーし、、、人がいない。
まぎれもなくここはゴーストタウン。
上海市郊外のドイツ風ゴーストタウンを訪れた前回に続いて、
ぶらり中国ゴーストタウンの旅2回目は、農村に突如現れたフランス・パリそっくりの町「広厦天都城」を訪れました。
■杭州市郊外、フランス・パリ風ゴーストタウン「広厦天都城」
パリ…、ではなくパリ風の町・広厦天都城へ向かうには、まずは上海から高速鉄道に乗って浙江省の省都・杭州へ向かいます。
杭州行き高速鉄道が出ている上海虹橋駅。巨大ターミナルにはものすご人で 溢れかえっていました。
大混雑の上海虹橋駅からは、杭州北京・武漢・福州・青島・南京・合肥などなど、中国全土さまざまな都市へ向かう高速鉄道が出発します。
杭州行き高速列車「和諧号」。
上海虹橋駅から杭州駅までは約1時間の移動。
250km/hほどのスピードで、あっという間に上海を出て田園地帯を走り、杭州へと到着。
事前に調べた情報で、杭州市中心部の武林広場辺りから今回の目的地「広厦天都城」へ向かうバスが出ているということで、
杭州駅から地下鉄で武林広場へと移動。
地下鉄・武林広場駅を降りると運悪く土砂降りの雨。
しかもバス停の場所が分からず辺りをしばらく彷徨って、やっと見つけたバス停。
目的地の「広厦天都城」へ向かってくれるようだ。でも遠そう…。
しばらく待ってやってきたのは、小さめのボロいバス。
乗客はそれほど多くなく、余裕で座席に座って「広厦天都城」へと向かいました。
杭州市中心部を出て途中渋滞に巻き込まれながら約1時間半。遠い…。
ついに、らしき建物が見えてきた。
偽エッフェル塔だ!
なぜかちょっとテンションが上がった。偽物なのに…。
バスは偽エッフェル塔の横を通り過ぎ、小高い丘が見える天都公園という場所でバスを降りました。
天都公園の入口。
公園に入ってすぐ目の前の丘に登ってみる。
この丘はパリのモンマルトルの丘をイメージして作られたのか?
ここからパリ風ゴーストタウン、「広厦天都城」が一望できるという。
急な階段を上って頂上へ。
見えた、パリ?の町。
町の中央に街路樹も植えられた広い通りがあり、その通りに沿って白いパリ風建物が建ち並んでいます。
そしてその一番奥には、「広厦天都城」のシンボルでもある偽エッフェル塔がそびえ立つ。
これだけ見るとマジでちょっとパリっぽい。
意外とちゃんと造られてるかんじ。
しかし、パッと見てこれだけ広い町だけれども、人間が活動している「活気」がまったく感じられない。
やはりゴーストタウンか。
ちなみに、天都公園の丘の裏には広い公園の敷地が続いていて、公園内には川や湖、フランスの田舎風建物・教会などがあります。
教会では結婚式や新郎新婦の前撮り撮影スタジオなどがあったりします。
しかし、この公園も人の気配が無い。。。
きれいに整備されていて、公園の雰囲気は良さそうだけれども…。
さて、隣接する天都公園を一通り回った後は、いよいよゴーストタウン「広厦天都城」に突入です。
天都公園を出て、先ほどバスを降りた場所から道路を渡ると町の中央を貫く通りがあり、
ここから「広厦天都城」に入ります。
町の中央を貫く通りの名は、
「シャンゼリゼ通り」!!
この辺りはちらほら住人らしき姿が見られた。
シャンゼリゼ通り?で子供たちが遊ぶ姿も。
「広厦天都城」入口のモニュメント。
シャンゼリゼ通りの先には偽エッフェル塔がそびえ立っている。
偽エッフェル塔に向かってシャンゼリゼ通りを歩き進んでいくことにしました。
シャンゼリゼ通りを歩いていくが、人が見当たらない。
白く輝く?パリ風アパルトマンのところどころには洗濯物が干されたりしていて住人がいる様子も伺えるが、
基本的にシャンゼリゼ通りを歩く人がほとんどいない。
建物一階部分は商店が入居できるような造りになっているが、
まったく店は入っておらず、ごらんのように扉が閉ざされていてシーンとしている。
だいぶ偽エッフェル塔に近づいてきた。
写真だけ見ると、なんだか美しい場所に来たように感じるが、これだけ立派な建物が建ち並んでいて、
この人のいなさと静けさは、非常に不気味です…。
いちおうスーパーが一軒あるようです。
住人らしい幾人かが買い物に来ていました。
で、これだけ立派にパリに似せた町を作りながら、なぜゴーストタウン化しているのか。
ここもやはり、杭州市中心部からかなり離れた郊外にあって、だれも住みたがらない状況のようだ。
そういうこともあり、ここの物件を買ったとしても、実際にはここでは暮らさず多くが空き家のままとなっています。
前回訪れた上海郊外のゴーストタウン・安亭新城とまったく同じ構図ですね。
しかし、安亭新城よりも大規模で、しかもパリの街を丸ごと真似して造って誰も住まないという、
壮大な無駄がここに出来上がってしまいました。
しーーーーーん。
天都公園からまっすぐ歩いてきて、シャンゼリゼ通りの端っこまでやってきました。
もう目の前が偽エッフェル塔です。
偽エッフェル塔の周りには一周ぐるっと周るロータリー道路があり、
その付近には別のマンション街が建ち並んでいました。そこはまだ「広厦天都城」よりは住人がいるようです。
偽エッフェル塔のふもとまで行きたくて、ロータリーを歩いて一周してみましたが、高い壁に阻まれてなかなか行けません。
よく見ると、偽エッフェル塔の隣には工事関係者用のプレハブ宿舎が建っていたりと、
本物のパリではありえない景色です。
話が逸れますが、偽エッフェル塔のロータリーを歩いているとき、小学校低学年ぐらいの男の子とその母親が前から歩いてきました。
ふと、その男の子が「リーベン(日本)」という単語を口にしたのが聞こえてきたので、
何を話しているのだろう?と、そば耳を立てていると、男の子は母親に向かって、
「リーベン グイズ(日本鬼子)を見つけたらどうしたらいい?」
と言っているのが聞こえてきました。
日本鬼子とは、中国人が使う日本人に対しての蔑称で、中国の反日戦争ドラマなどでもよく使われている。
それを聞いた母親は「さあぁ…」と、聞き流している様子だったが、まさか小さい男の子からそんな言葉が出るとは。
(これはマジです)
もちろん男の子は、本当に日本鬼子(私)一匹が前から歩いて来ているとは知りません。
たまたま反日ドラマでもテレビで観たのでしょうか??
思わず、「ここに日本鬼子が一匹いますよ~」と名乗りでようかと思いましたが、
反日ドラマの日本軍のように八つ裂きにされたら困るので(笑)、静かにその母子とすれ違いました。
変なことがあるもんだ。
さて…、
高い壁に囲まれた偽エッフェル塔のふもとはどうなっているのか確かめたくて、どこか中に入れるところがないか歩いていると、
大きな看板の下に入れる隙間がある場所を発見。
看板の下をくぐって中に入り、偽エッフェル塔に近づいてみました。
すると…
偽エッフェル塔の下は畑だった!
エッフェル塔と畑…。
この組み合わせが世の中に存在するとは思わなかった。
ということで、パリ風ゴーストタウン「広厦天都城」ぶらり旅は終了。
次回は、再び上海に戻り、今度はイギリス風ゴーストタウンをぶらり旅します。
(つづく)
■おまけ:中国ゴーストタウンができるまで…
経済の改革開放政策が始まって以降、中国共産党は常に経済を成長させ続けることで国・人民を治めてきました。
そのため、中国の地方政府の役人たちは中央政府から常に経済成長の成果を求められ、
一方で実績を上げた地方政府の幹部は出世することができ、さらに強大な権力を持つ地位へと上がっていくことができるのです。
地方の幹部が実績を上げたい(=出世したい)のであれば、自分の地域を経済発展させる、すなわちGDPを伸ばしていかなければなりません。
GDPを手っ取り早く伸ばしていく方法が、道路や高速道路を造り、ビルやマンションを建て…と、不動産開発を行うこと。
造られた道路やビル、マンションが活用されるかといった実際の需要の面はあまり意味を持ちません。
セメント、鉄鋼、ガラス、樹脂など膨大な材料を浪費し、たくさんの労働力を投入することこそに意味があり、
これを繰り返すことが経済成長の原動力となるのです。
こうして需要を無視した無計画な不動産開発プロジェクトがどんどん行われていきました。
それはやがて、数千億円から数兆円を掛けて新城(新市街地)の造成といった街一つを新たに造ってしまうほどの規模にまで拡大していったのです。
不動産開発をすれば、1~2年の短期でGDPへの効果が出てきます。
実績を上げた幹部は栄転してその地を去り、後には人の寄り付かない需要のない無駄な箱ものだけが残り、
やがてゴーストタウンと化していく…。
一方で、街がゴーストタウン化する理由は他にもあります。
経済が右肩上がりで急成長していく中で不動産価格も比例して上昇を続け、中国人にとって不動産は必ず価格が上がるもの、と認識…、
というか誰もが強く信じています。
都市の郊外にニュータウンが造られると、人々はこぞってマンション購入に走ります。
マンション物件を4件、5件持つ金持ちもたくさん現れたのです。
しかしこのような郊外物件は街の中心部から離れていて生活するには不便な場所にあります。
実は購入の目的は住むためのものではなく、価格が上昇することを見越しての転売や賃貸で金を稼ぐというような、あくまで投資目的のもの。
誰も住まない投資物件ばかりのニュータウンに人影は無く、やがてそのような街もゴーストタウンと呼ばれるようになるのです。
そして右肩上がりの経済成長が曲がり角に来ている昨今、不動産価格も下がり始めていて、バブル崩壊の足音が聞こえ始めています。
2008年のリーマンショック以降、中国では経済成長を維持するために膨大な金額の公共事業を行いましたが、
実は地方ほどお金は回ってこず、しかし中央からは経済成長維持を厳命されている中で、不動産投資プロジェクトを続けなければならず、
そこで資金調達先として使われたのが、最近話題のシャドーバンキング(影の銀行)。
正規の金融機関ではないシャドーバンキングが年25%、30%というような高利回りの理財商品を販売して資金を集め、
その資金を地方政府が作った不動産投資会社へ投資し、その資金で不動産開発を進める…。
不動産価格が上昇し続け、不動産開発で投資資金が回収できるのであれば問題ないのですが、
地方政府が行った不動産開発プロジェクトのほとんどは、上述したような需要を無視してゴーストタウンを生み出した無駄な開発ばかり。
投資資金の回収は不可能に近いのです。
今のところ、散発的にシャドーバンキングの破綻が起こっているだけで大きな混乱は起こっていないですが、
想像できないような膨大な金を動かすシャドーバンキングが連鎖的に破綻していったら…。
中国という国が大混乱に陥るような背筋が凍るような出来事が近い将来起こる可能性は高まっています。
中国の大地に静かにたたずむ幾つものゴーストタウンは、中国経済の崩壊を黙ってじっと待ち続けているのでしょうか…。
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