昔、仕事をしているときには、「うつ病」と診断されていた。従って、抗うつ剤(SSRIなど)を処方され、なんとかかんとか仕事をしていた。
状態が寛解(病状の軽減・消失)しているときに、トラブルを起こしてしまった。そのときに何人かの人たちに「bowbowさん、どうしちゃったの?」と尋ねられた。
こちらとしては、至極まっとうに仕事をしているつもりであったが、たぶんそのときには双極性障害(躁うつ病)でいうところの「軽躁状態」で、抗うつ剤もあいまって軽い躁状態であったと思う。その意味で、双極性障害(躁うつ病)にとって、抗うつ剤は結構やばい薬である。
震災の頃、松本龍復興大臣が宮城県知事に対して奇行を行い更迭されたが、あれは後に九州大学病院によって「双極性障害」の「躁状態」と診断をされた。ボクも彼の状態に近かったのかもしれない。
その後、地元にもどって医者を替わったときに、抗うつ剤を結構たくさん処方され、その時には酷い躁転をしてしまい、電話をしまっくったりモノを壊したり自傷行為をしたりと、大立ち回りをしてしまった。悲劇的なのはこの躁転で自分が躁うつ病であることを認識したことである。友人や家族からの信頼をそうした行為で失ってしまった。
双極性障害(躁うつ病)は自覚しづらい病気である。だって、躁状態のとき、特に軽躁の状態の時には、自分自身は「調子がよい」と感じているからだ。しかし放置していると次第に躁とうつの間隔が短くなったり、躁とうつの振れ幅が大きくなったりする。
自分の経験的には適切な治療を受けることができれば、双極性障害(躁うつ病)はコントロール可能な病気である。
しかしその病気を医者も本人も双極性障害(躁うつ病)と自覚するのに非常に時間がかかるというところに悲劇がある。
最近では脳モニターをすることで、双極性障害(躁うつ病)を診断することが可能になっているが、これは大病院にでもかからなければ診断はできない。もっと簡単に診断することができれば、双極性障害(躁うつ病)による悲劇は減るだろうと思う。