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電車でGO!は昨年ファイナル出したようだがSUPER BELL"Zはまだ活動してるらしい

2005-04-20 23:28:47 | 社会
北海道新幹線など工事申請 鉄道・運輸機構が国交省へ (共同通信) - goo ニュース

(*タイトルについて:SUPER BELL"Zのファンの方、申し訳ありません。)


歳出カットが叫ばれる昨今、とかく公共事業はマスコミからも槍玉に挙げられ易く、整備新幹線もその代表格として扱われることが多いのだが・・・

ただ、だからといって必ずしもこの認識が「適切」かというと、そうでもないようだ。

例えば金額面で言うと、3月に成立した今年度予算の公共事業関係費の概算は7.5兆円だが、今年度計上されている整備新幹線建設事業費2,195億円のうち、公共事業関係費からは706億円程度である。(もっとも、新規着工区間の総事業費は約1兆1千600億円になる)

又、採算性から言っても、確かに単純な受益者負担の運賃で建設費と運営費をまかなうのは無理にしても、新幹線(鉄道)の場合は、外部の経済効果が非常に大きいため、一概に否定はできない。

更に、環境面から見ても、鉄道の二酸化炭素排出量は、単位当たり自家用車の8分の1、航空の5分の1と少なく、エネルギー消費量も、単位当たり自家用車の5分の1、航空機の3分の1である。実際に欧米でも、衰退していた路面電車が次々に復活し、その世界的な流れから国土交通省もモーダルシフト(*注1)として進めていることでもある。


以上の点から考えれば、整備新幹線がとりわけ非難を食らうのは確かにおかしい。
建設費の多くが、建設国債や地方債、要は借金でまかなわれると言っても、国の公共事業費そのものが殆ど国債という国民からの借金だ。(借金なのに国のバランスシートでは「収入」なのである)
財政法(*注2)からしても、その根本的なところに何十年もメスが入れられてこなかったこと自体すこぶる変で、いくら不況の時は特に官による信用創造(*注3)が必要とはいえ、国の借金自体がハイパーインフレでも起こさない限り返せないぐらいの額に膨れ上がっているのも事実だ。かと言ってただ公共事業を減らすのも景気対策にはなり得ない痛し痒しの状態だし、それ以前に社会保障費の増大の方が余程深刻な問題、でもある。


新たに新幹線を開通させることが、どれくらい経済効果があって社会的に環境的に長い目で見て役に立つのかってことは、実際何とも言えない(いくら試算したところでシミュレーションは所詮シミュレーションだし、鉄道は環境にやさしいと言っても本当に必要じゃなければ新たに作る意味はまるでないし)。
公共事業として言えば、鉄道よりも道路や箱物の方が明らかに必要ない訳で、「先に考える・批判すべきところは他に幾らでもある」という点で、「整備新幹線のことを言うのは消極的な意味で妥当じゃない」ってことだと思うんだけど。


それにしても、素人考えに過ぎないかもしれないが、どーせ公共事業やるのなら、「新しく、必要なのかどうかサッパリ分からんもんを作る」じゃなくて、それこそ地震対策として「既存の道路や建物を補修補強改修する」方向ももっとあっていいと思うんですけど。そりゃ補修補強改修ってんじゃ所詮短期的にしかできないだろうけど、どのみち道路だって特に地方はとうにこれ以上作る意味ないんだし。


*注:
(1)
モーダルシフト・・・主として、幹線貨物輸送をトラックから大量輸送機関である鉄道または海運へ転換し、トラックとの複合一貫輸送を推進すること。大量輸送によるエネルギー節減とコストダウン、CO2・NOXの排出抑制、トラックの夜間運転削減による事故防止などのメリットがある。

(2)
第4条 
国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。
2 前項但書の規定により公債を発行し又は借入金をなす場合においては、その償還の計画を国会に提出しなければならない。
3 第1項に規定する公共事業費の範囲については、毎会計年度、国会の議決を経なければならない。

(3)
信用創造・・・主に銀行などの金融機関が預金と貸出しを連鎖的に繰り返すことで、もとの預金の数倍もの預金通貨を創造すること。