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どう頑張っても日本では27+1回までしか騙せない

2005-04-29 22:51:36 | 社会
社保庁の架空予算、江角さん起用のTVCMなどに流用 (読売新聞) - goo ニュース


非国民と非難されるかもしれないが、私は国民年金に未加入である。最初から未加入である人の総数はちょっとデータを得られなかったのだが、一昨年の国民年金の納付率が約63%、昨年の督促対象者(1ヶ月以上未納者)が約1,000万人だから、やはり年金制度に対する不信は確実にあって、私のような人間も意外に多いってことになる。

で、私の場合は個人的な事情で厚生年金・共済組合にも入っておらず、平成4年に法改正で国民皆年金制度になってしまったから、基本的には(*注1)、強制加入・強制徴収(*注2)の対象になる。

なるのだがしかし、「別に老後(*注3)受け取ろうなんて考えてない(=権利を放棄している)私のような人間まで払わせようとする(=義務にする)」ことに対する整合性は、少なくとも私はサッパリ分からない。税金は公共サービスとしての必要性という意味で理解できるが、年金は基本的に個人のための(しかも単なる金銭面だけの)ものでしかない。にも関わらずその個人に加入の選択の自由がないというのは、4/7、4/24のブログでも少々触れているように「国家による統制」といってもいいと思うんだけど。


加えて。
物凄く大局的に(大雑把に)年金制度を捉えても、年金制度が破綻はしないまでも正常に保たれる可能性、というか道理自体全くないのである。

☆とりあえず今まで・今のところは、年金受給者はそれまでの負担分より多く貰えている(今後も貰えるようになっている)。
☆後4,5年もすれば、団塊の世代が一気に受給側に回る。
☆少子高齢化は間違いなく進行しており、人口ピラミッドは今の釣鐘型すらキープできなくなる可能性が高い。
☆厚労省が年金資金(これまで加入者の方々が払って積み立てているお金)の運用を任せている特殊法人「年金資金運用基金(*注4)」は、平成13年度時点でも累積で3兆円(一部には6兆円という説も)、単年でも1兆円以上の損失を出している。(グリーンピアや株式運用の失敗など有名ですね)
☆運営・実務担当の社会保険庁は、今回のニュースを始めとして腐るほど(*注5)流用・無駄使いのオンパレードである。

(ちなみに、社会保険庁が、公費たる年金事務費を年金保険料の積立金から流用できるようになったのは、1998年「財政構造改革の推進に関する特別措置法」が成立してからである。元々は財政再建のための時限立法だったものが、「平成十六年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律」によって、その期限が取っ払われて(=やりたい放題になって)しまった。)


人口の推移としてどんどん後ろの世代への負担が増す(受給開始年齢が引き上げられ受給額が減って保険料が上がっていく)、積み立てた資金はお役人が遣い放題、こんな状態でこれから保険料進んで払いたいと思える人はマゾかボランティア精神の塊か財布が重くて困ってる素封家かどれかとしか考えられない。(既に長期間払われている方はしょうがないかもしれないが)

そもそも、基礎年金の国民年金においては、「毎年度、年金給付に必要なお金をその年度の被保険者からの保険料で全額まかなう」という賦課方式を採用している時点で、「無理」は目に見えている。
インフレの影響は受けにくいのかもしれないが、要は「自転車操業」であり、木村剛氏もブログで仰っているように「ネズミ講」なのだ。なんでネズミ講かといったら、先に加入した(より早く生まれた)者が得をしていき、後に加入した(より遅くうまれた)者が損をする・搾取される構造になっているからだ。


てな訳で、年金未納の違反者である私が、もし督促を受けて差し押さえまで食らう状況になったら、国民年金法そのものの不当性を訴える裁判でも起こしてやろうかな・・・と妄想しないでもない(笑)そうなる前に、もっと勉強しておかないとな。


*注:
(1)
社会保険庁HP内、【17年4月から年金制度が変わります】参照のこと。

(2)
昨年6月に社会保険庁が約1万人に最終督促状を送付し戸別訪問も行ったが、最終的に差し押さえを受けたのは僅か29人だった。
但し、未納には時効があり、国民年金法第102条3項『保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び死亡一時金を受ける権利は、2年を経過したときは、時効によつて消滅する。』と定められており、今のところ(問題にはなっているらしい)、ずっと未加入・未納だった者が遡って徴収を受けても30万程度のようだ。

(3)
今は国民年金の支給開始年齢は原則65歳だが、私がその年齢に達する頃には何歳になってることやら。少なくとも現在のまま保たれている可能性は非常に低い。
又、国民年金には、病気や事故による障害を負った場合、障害基礎年金によって最低限の保障が受けられたり、 配偶者や子供を残して死亡した場合に遺族基礎年金によって遺族が生活保障を受けられる保険としてのメリットもあるのは知っているが、知っててそれも要らん(自己責任で)とまで私は言っている。

(4)
昨年の法律により、1999年に年金福祉事業団からカンバンを架け替えた年金資金運用基金は、来年には『年金積立金管理運用独立行政法人』と"再び"カンバンを架け替える。

(5)
とても挙げきれませんので、【社会保険庁の非効率運営放置】あたりでも参照してみて下さい。