フレー!フレー!プロ野球
長野県松本市にIターンしました。
 



これは、若くして起業し、老害の棲むという日本プロ野球界に単身で闘いを挑んだ、一人の若者のストーリーである。

  ※文中太字:ガンダムのセリフから引用。セリフの元ネタはこちら
  ※当ストーリーは阪神ファンになっちゃった様からヒントを得、
   ハムぞーの「職業野球研究所」様に触発され作成しました。
  ※またその他多くのブログで拝見させていただいた情報も織り交ぜてます。みなさんありがとうございます。



【後編】

数日後・・・

今日は審査結果が発表される日。ホリえもんは新幹線で仙台へと急いだ。

「シャチョー、今日一日をサイトで実況中継する手はずを整えました」
小鳥GMのこの日にかける意気込みが感じられた。

「しかし、なんでサッカー形式なんだ」とホリえもんは思ったが、横で楽しそうにテトリスをする小鳥GMの様子を見ると、そんなことはどうでもよくなった。


そんなころ、薬天の三本谷はというと・・・
「オレも、ノーネクタイで若さをアピールしたい」そう考えていた。

「ホリえもんはニュータイプだ。しかし!私もニュータイプのハズだ!」
なぜか地元ファンの支持を得るホリえもんに、三本谷は嫉妬していた。

「社長は老け顔なのでノーネクタイは似合わないであります!」
参謀の一人が言った。→確認する

「ハッキリ言う・・。気に入らんな」そういって三本谷もまた仙台へと急いだ。



そして、運命の午後4:30が近づく。

しかし、なかなか結果は発表されない。
控え室で結果発表を待つホリえもん。「あいつには、負けたくない」
「薬天、落ちろ!落ちろ!落ちろ!」
心の中でさけぶホリえもん。

そして、午後5:00。ライフドア本社に知らせが入った。

薬天の参入が決定
チーム名は『ポフェッショナルベースボール 東北薬天(中略)イーグルス』
(ネタ元はにわか日ハムファンのブログ様のこちらの記事)

ホリえもんは敗れた・・・精も根も使い果たした・・・。


その後、ホリえもんは記者会見、各局のインタビューに忙殺された。

報導ステーションの生出演を終え、小鳥GMの待つ牛タン屋へ足を運んだ。
「あ、社長お疲れ様でーす。牛タン先に頂いてますよ~。」と小鳥GMが能天気に出迎える。

「あ、テメー、なんで先に食ってんだヨー」
そういって席につくが、長い闘いに敗れた彼は、すぐに箸をつけることはできなかった。
これまでの長い闘いを振り返っていた。

「シャチョー、どうしたんですか?牛タン、さめますよ。」
「あ、食べなくちゃ・・」

なぜか、かわいく答えるホリえもん。



食事を済ませた、ライフドア一行はそのまま新幹線のホームへ。
なんとそこには、ホリえもんを支持する多くの仙台のファンの姿があった。

「ホリえもーん、いかないでー。どうしてホリえもんが負けなくちゃいけないんだヨー」
「こうなったら、仙台で一緒に独立リーグを作ろうヨー」

うれしかった。疲れた戦士にとって、地元ファンの声援は何よりうれしかった。
仙台に残って独立リーグもいいかも・・・。
ファンの元へ歩み寄ろうとするホリえもんだったが、後ろから小鳥GMがそっと彼の肩に手を置いた。

「ダメです」と小さくクビを振った。
「そうだな」そういってうなずくと、

「ごめんよ、まだ僕には帰れるところがあるんだ・・こんな嬉しいことはない・・わかってくれるよね、仙台のみんなにはいつでも会いにいけるから・・」

そう叫んで、ホリえもんは車中の人となった。窓越しに見る仙台の街の灯りが、やけに身にしみる。
口ずさむBGMは、もちろん「ヘッドライト・テールライト」


そのころ三本谷はというと、勝利を報告する記者会見を終え、ホテルの自室で喜びを噛み締めるように、ゆっくりとワイングラスを傾けていた。

しかし、その表情からは、心ここにあらずといった様子が感じられる。

「ライフドアは、なぜ敗れたのか!?」TVの中の吉館が叫ぶ。
「坊やだからさ・・」三本谷は独り言のようにつぶやく。

三本谷は、参入争いに勝利したことに心の奥底から喜ぶことが出来なかった。

「参入争いに勝った薬天、参入争いに負けたライフドア・・・しかし、真の勝利者は、日本プロ野球という厳しい世界に足を踏み入れることなく全国的に知名度を上げたライフドアではないのか」

そんな懸念が頭をよぎるのであった。

「オリッパスの官内にそそのかされたのが、失敗だったか・・・」
「認めたくないものだな。自分自身の、若さゆえの過ちと言うものを・・」



一方、ホリえもんは、
「あー、どうしてオレが負けなくちゃいけなんだ」とやけ気味に地団太を踏んでいた。

しかし、すぐに思い返したように、「でも、もう忘れよう。また明日から出直しだ」

というものの、やっぱり悔しくて、「牛タン弁当」をヤケで一気食いするホリえもんハムぞー所長)でした。

(完)


コメント ( 11 ) | Trackback ( 0 )




これは、若くして起業し、老害の棲むという日本プロ野球界に単身で闘いを挑んだ、一人の若者のストーリーである。

  ※文中太字:ガンダムのセリフから引用。セリフの元ネタはこちら
  ※当ストーリーは阪神ファンになっちゃった様からヒントを得、
   ハムぞーの「職業野球研究所」様に触発され作成しました。
  ※またその他多くのブログで拝見させていただいた情報も織り交ぜてます。みなさんありがとうございます。




【前編】

日本経済の中心である八本木。そこにそびえ立つ八本木タワーの38階にその男のオフィスはあった。

「シャチョーたいへんです」小鳥GMが血相を変えて飛び込んできた。
「なんだよ騒々しいなあ。一体どうしたんだよ。」
「あの薬天が、新規参入に名のりを挙げました」
「なに!三本谷が!?」

突然の報告に、ホリえもんは唖然とした。

「既に多尾氏が監督に、そして大ちゃんが、ヘッドコーチに決まったそうです」
「ははは、大ちゃんがヘッドコーチだって?笑」
こんなありきたりなことをいうのが精一杯なほど、ホリえもんは狼狽した。

ホリえもんは以前にも、三本谷に会ったことがあった。
三本谷とは、ホリえもんと同じく八本木タワーに事務所を構える『薬天』の社長だ。
ホリえもんは38階、三本谷は18階だった。

数年前、ホリえもんがトイレから出ようとしたとき、
「あ、君」呼び止められる声に振り向くと、三本谷だった。

「ハンカチが落ちたよ。君のだろ」

「こいつは、三本谷・・・」
同じくIT業界で覇を争うライバルだ。少なくともホリえもんにとっては。
ホリえもんは固まった。

「目の前に敵の社長を見て固くなるのは分かるが、せめて礼ぐらい言ってほしいものだな」
そういって、ハンカチを渡すと、颯爽と去っていった。

「フン、キザなやつ。まあ、オレの方が上の階だからな。ざまーみろ」
そんな負け惜しみセリフを吐いて、ホリえもんもその場を立ち去った。

そんなことがあった因縁の2人。

しかし、どうしてだ!?ヤツは野球は嫌いなはず。(オレも、人のことは言えないが・・・)
ホリえもんは、その真意を確かめるべく、仙台で三本谷を待ち伏せすることにした。このフットワークの軽さこそ、彼がニュータイプといわれる所以である。

しかし、なかなかヤツは来ない。
「来ませんねえ」ホリえもんの後ろで能天気につぶやく小鳥GM。
すると、真っ赤な車が猛スピードで走ってくるのが見えた。

あの赤い車。

「間違いない、ヤツだ!ヤツが来たんだ!」

けたたましいブレーキ音を響かせて停車し、三本谷が降りてきた。
ホリえもんは、走り出した。足がツリそうになるのを我慢しながら。

「三本谷さん、ちょっとお話したいんですが、時間もらえませんかねえ」そう迫るホリえもんに対し、
「いま無理。急ぐから」素っ気なく、取り付く島もない三本谷。

そんな三本谷の腕をつかんで、「ほんの5分でいいんですよ」といって食い下がる。

「しつこいな、君は」
そういって、腕を振り払おうとするが、ホリえもんも真意を聞くまでは離すわけにはいかなかった。

「しつこいんだよ、君は!」
「バシ!バシ」
三本谷は、ホリえもんの頭を二度もはたいた。しかも平手で。

「二度もぶった!親父にもぶたれたことないのに!」
そうやって叫んだが、三本谷は建物の奥へと消えていった。

膝まづくホリえもん。悔しくて目からは大粒の涙が溢れた。彼のプライドはズタズタに切り裂かれた。

「なぜ、なぜ今になって現れたの・・なぜ、なぜなの?なぜあなたはこうも戦えるの?あなたには守るべき人も守るべきものもないというのに・・」

「シャチョーにはあるんですか?」小鳥GMは、そうツッコミたくなるのを必死にこらえながら、
「帰りましょう」とつぶやくのが精一杯だった。

ホリえもんは言った・・・
「僕は・・あの人に・・勝ちたい!」




そうこうしているうちに、公開ヒアリングの日が近づいてきた。

「打倒!薬天」

このスローガンを旗印に、ライフドアの面々は夜を徹しての作業に没頭した。
もちろん、BGMは「地上の星」

ホリえもんも作業に没頭した。自分のブログの更新も忘れるほど。
そして、30年後にプロジェクトXにゲスト出演することを夢見ながら。




そして、公開ヒアリング当日。
予想に反して質問は、ライフドアが販売するアダルトソフトに集中した。

「なぜだ・・・なぜもっと本質を聞いてくれないんだ」「そんな質問想定してないよ・・・」
ダチョウ倶楽部風(古)に心の中でつぶやくホリえもん。

審査委員から飛び交う予想外の質問にあたふたしながら回答するホリえもんにとって、
それは、非常に長い時間に感じられた。

「君は、生き延びる事ができるか・・?」
ある審査員がせせら笑うようにいった。
「クソー、お前らなんか、お前らなんか・・・」こぶしを握り締めた。

そして、議長を務める滝耳(臣人オーナー)が言った。「最後に、いいたいことはあるかね」

「こいつ、ソニーの出井に似てるな・・・」
窮地に追い詰められていたホリえもんだったが、どうでもいいことを考える余裕はまだあった。

もうこうなったら、感情に訴えるしかない。
ホリえもんは、ありったけの情熱を込めてこういった。


「僕が・・僕が一番球団を上手く運営できるんだ・・」


決まった!

鮮やか!


小さくガッツポーズをするホリえもん。
「おまえらに、こんなにクサイセリフがいえるか!?どうだ!」

しかし、その喜びはそう長くは続かなかった。

「自惚れるんじゃない、ホリえもん君!」
会場中に響き渡る声に、誰もが息を飲んだ。声の主はゴロ寝コミッショナーとして名高い、ピー(放送禁止)コミッショナーであった。

「こいつ、いつの間に」
ホリえもんは悔しかった。よりによってこんなやつに恫喝されるとは・・・


【後編】につづく

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )