ネタとしてはちょっとタイムリー(笑)かも知れない、オリンパスの話。
私の知る限り、新婚時代の両親が愛用していた最初のカメラは、このOLYMPUS-PEN EEというお手軽なハーフカメラ。数々の品と一緒に私が譲り受け、大切に保管している60年代アイテムのひとつでもあります。
このハーフカメラ、フィルムの価格が高かった当時、2倍の撮影枚数が可能だったためになかなかの人気モデルだったらしく、我が家でも私の誕生から妹の小学生くらいの時期まで、約12~3年の長きに渡って愛用されていました。
ただ、そのお手頃さ故にバカチョンカメラとも呼ばれ、フラッシュの機能もないため、光の足りない場所でシャッターを押そうとすると、ファインダー内に赤い印が現れ、シャッターをおろすことも出来なくなるという仕様。なので、私が子供の頃の写真には、夜のシーンはもちろん、昼間でも光が充分でなかった室内の写真は一枚も残されていません。
逆にそのことが郷愁を誘い、今回、アルバムに残されていない「記憶の中の風景」をイラストで残そう…というアイデアが生まれたワケですが、冷静に考えてみれば、人間の記憶というものはホントに奇跡的な構造によって生きているものなんだなぁ…と感じさせられます。
今回apolloさんに「危険な目に遭いやすい私」と「トマトスープ」という久々のオリジナル新作をアップいたしましたが、すでに頭の中では、写真に残されていない懐かしい風景を題材にした10点程の新作の構図がまとまりつつあるので、仕事の合間に精力的にカタチにしてゆきたいと思います。