以前、手描きの帯をお預かりしてベストをお仕立てしました。
かなり使い込まれたその帯は
お客様の叔母様のもの。
着物好きの叔母さまがいつも身につけてあったという
想い入れのある帯びでした。
手描きで 中国の故事にちなんだ?賢者たちが描かれ
趣きのある帯。
かなり擦り切れていましたが
たってのご希望でベストにお仕立てしました。
半身を喪服のお着物で。半身を帯で。
・・っですが、やはりかなり傷みが激しく
緯糸が ブチ・・ブチブチ・・。
状態のいい箇所を選んでお仕立てしたのですが
見た目より 着用としての強度としては
耐えられなかったようで
一回の着用で
あちらこちら裂けてしまったそうです・・
あちゃ・・・
お仕立ての際に 裏に全面芯を貼り 補強はしていたのですが
想像以上に 弱かったようです・・・。
そこで、今回 全面的に作り直すことに。
「でも・・破れてもいいから 帯は少し残してほしい・・」
っとお客様。
そこで、帯は 今後も裂けることを前提に
全体を 喪服の残り生地で黒ベストに作り直し
その上に 短冊模様のように 帯をのせることをご提案。
この帯も 少しでも長く着用に耐えられるように
裏を 全面ラミネート加工にして
表に スプレータイプの樹脂スプレーをふきつけ
出来る限り補強をしてみました。
帯の部分が 限界?!になったら
すべて外して
後は 黒ベストとして着用していただけるようになってます。
お客様には
「結果オーライ!」っと
喜んでいただき ホッとしました・・。
今回のことで
私もまだまだ 経験不足と反省し落ち込みましたが
積み重ねていくしか 得られないことであり
真摯に受け止めて 今後に活かしていこうと思います。
トラブルが起きても
「お任せするから」っと言ってもらえるような
仕立て屋になりたい。
がんばります
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