猫と本、ときどき手仕事

猫3匹+白猫ブラザーズ4匹+キジトラ家族4匹+人馴れ修行中の仔猫と亀に好きな本や手仕事のブログです

財布👛が語る殺人事件

2020-10-25 11:55:20 | 読書日和
秋の夜長、財布👛が語りだす 物語に
耳をかたむけてみました。

長い長い殺人
宮部みゆき 光文社文庫

ある殺人事件に関係している人が
持っている財布達が語り手です。

色々な財布が出てきます
そして 財布が持ち主の事や
知っている事を語ります

ある財布は 刑事が 持っている財布
ある財布は 被害者の甥っ子の財布

ただ財布は 財布なので
誰にも伝えられません

持ち主に危険⚠️が迫っていても

財布達の話を読んで
犯人はあの人かと思ったら、
また新しい証言をする財布が出てきたり
学生のときにはミステリーとして
楽しみましたが

今回は財布の持ち主の人生も味わいつつ
読み返すことができました。

殺人事件に巻き込まれて
過去を振り返ったり、
人生がかわっちゃったり、
悲喜こもごもでした。

私は部下の財布の物語が印象に残ってました。
殺人事件とは関係ないのですが
部下の彼女はこういう考えで、
こんな行動をとっていたのかと驚き😮ました

本の面白さは読むタイミングで
とらえかたが変わってくることです。

自分とは違う価値観の登場人物たちを
読むことで、知ることができる

家でのんびりするのが好きなので
本は気軽に違う世界や時代にお出かけできる

素敵✨📖✨なアイテムです。



通い猫アルフィーと仔犬

2020-09-25 14:34:52 | 読書日和
通い猫アルフィーのめぐりあい
レイチェル・ウェルズ (ハーパーBOOKS)

前にも紹介したことのある
「通い猫アルフィー」シリーズの新作です。

猫が主人公の物語なので
猫🐈の視点からえがかれています

今作のアルフィーは猫🐈なのに
仔犬🐶の面倒を任されることに。

息子🐈のジョージも大きくなり
人でいえば思春期かな。

アルフィーが人間の家族や猫仲間を
助けたりしているのをみて育ったので
自分も何か、みんなの役に立つことをしたいと
一匹で何か計画をたてているようですが・・・

「猫🐈一色の本なんでしょ」と
思われるかもしれませんが

イギリスの社会が抱えている
高齢者の問題にも光をあてていて、

ジョージがしたことが人も気軽に出来たら
老後も楽しく暮らせるのにと思いました。

仔犬🐶のピクルスが、ジョージのいたずらで
本気で猫になる特訓をしてるのを
想像して笑えました☺️

心温まる一冊です。


八咫烏の恋の行方は?

2020-09-23 15:59:19 | 読書日和
烏百花 蛍の章 からすひゃっか ほたるのしょう

阿部智里(文春文庫)

異世界ものです。
そして八咫烏シリーズの外伝です。

なので八咫烏シリーズの本編を
読んでいただいてから、
こちらの本を読んでもらったほうが
より楽しんでもらえる一冊です。

ちょっと用語解説から抜粋すると

山神さまによって開かれたと伝えられる世界
山内(やまうち)

その山内の世界の住人たちの
八咫烏(やたがらす)。

卵で生まれ、鳥の姿に転身もできるが
通常は人間と同じ姿で生活を営む。

この地をつかさどる族長一家が
宗家(そうけ)」

その長が「金烏(きんう)」。

東・西・南・北の有力貴族の4家によって
東領、西領、南領、北領がそれぞれ
治められている。


これだけ読むとなんだか
難しそうに思えますが、
登場人物と設定さえわかれば
グイグイ引き込まれる物語です。

もっと詳しい説明はこちらから
八咫烏シリーズのホームページを見てください ↓


さて今回の紹介するのは外伝です。
本編ではおさまりきれないエピソード

それも恋のエピソードがつまっています。

特に個人的に泣けたのが

《まつばちりて》

人間の世界でも格差があるように
この山内でもあるのです。

女郎宿から逃れるため
男として宮中にあがる落女という道。
その道を選んだ、まつ(のちの松韻)
その行く末は平坦なものでは
ないのですが・・・

色々な人の思惑がまじりあい
なんかハッピーエンドで終わるのかなと
思いきやの展開でした。


あと《わらうひと》

本編で気になっていた
二人の関係が書かれていて
にんまりしながら読みました。

本編は怒涛の展開で進んでいるので
気になっていた登場人物たちの話が
書かれていて嬉しかったです。

本編は第一部が終わって
第二部に入っているので

八咫烏たちの今後を楽しみにしてます✨



「巾着鶉」って?

2020-09-22 16:22:07 | 読書日和

うずら大名 畠中恵 ( 集英社文庫 )


~あらすじ~
泣き虫の豪農で名主の吉之助。
ある日、江戸市中へ向かうとき
辻斬りに遭遇。

その時「御吉兆ーっ」の鳴き声とともに
現れた一羽の白い鶉の佐久夜と
鶉の飼い主で自称大名の有月に助けられます。

偶然なのか必然なのか二人は

武家や町人、百姓などの
継ぐ家がないものが多く集まる道場に
通っていた仲だったのです。

その二人と一羽は
江戸で次々と急死している
大名に金を貸す豪農たちの
真相を探ることに・・・

🌕🌖🌗🌘🌑🌒🌓🌔🌕

この本に登場してくる
巾着鶉の佐久夜がいることで
辻斬りや謀略渦巻く物語を
和やかにしてくれます。

畠中恵さんの作品ということもありましたが
「巾着鶉って?」と思って手に取りました。

巾着の中にいられるように学ばせた鶉を
巾着を根付けを使い腰帯に挟んで
つれ歩くそうです。

ちゃんと主の有月が呼べば
巾着に戻るところがいいですね😍

謎の死をとげる大名貸しをしていた豪農たち
事件の真相に近づけば近づくほど

どこで道をたがえてしまったのかなと、
ぼやきたくなってしまいます。

読み始めたら続きが気になり
さくさく読める一冊でした📖



待ってましたの三島屋百物語

2020-07-17 05:51:00 | 読書日和
本屋に久しぶりに行くと
待ちわびていた本の続きがでてました。

三島屋変調百物語伍之続 あやかし草子

宮部みゆき
角川文庫




「もうシリーズも五冊目かぁ~」と
感慨深いです。

映画とかドラマとか怖い話は苦手なのですが
宮部みゆきさんの本で時代物なら読めるんです。

現代ものの怖い話だと
自分の身近で起こりそうで思い出しては
眠れなくなりそうで、手は出ませんが

江戸時代の怪談話と妖怪は好きなんです。

今回も袋物屋の三島屋の〈黒白の間〉で
語り手が語る不思議な話や
ちょっと背筋が寒くなる話を

三島屋の主人・伊兵衛の姪である、
おちかとともに聞いているような
気分になります。

どんな事が語られているかは
ココでは書けません。

なぜかといえば、三島屋の百物語は
一度に一人の語り手しか招かず
黒白の間からはきいた話を
けっして外には出さない、

小説の文章を引用しますと

「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」なのです。


人の業の深さのせいか、
ちょっとした気の緩みか
なんでこんなに悲しい出来事がまき起こるのか

宮部みゆきさんの小説を読み終わると
自分の居ずまいを正したくなります。

三島屋シリーズを読んだことがない方は
ぜひ最初の《おそろし》を読んでいただければ
おちかがなぜ、三島屋の黒白の間で
百物語を聞くようになったかがわかりますよ📚️


三島屋の百物語もまだ27話目
まだ先があるかと思うと楽しみです✨