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DEBONAIR LIFE+LOVE

とりとめる

1109008

2011年09月08日 | Weblog
「あ、嬉しい。おじさまは、何時も、しんせつだから好きだわ、弱っちゃった、また好きになっちゃった、あたいって誰でもすぐ好きになるんだもん、好きにならないように気をつけていながら、ほんのちょっとの間にすきになるんだもの。此間ね、あたいのお友達が男の人に、一日じゅうお手紙を書いていたわ、人が好きになるということは愉しいことのなかでも、一等愉しいことでございます。人が人を好きになることほど、うれしいという言葉が突きとめられることがございません、好きという扉を何枚ひらいて行っても、それは好きで作り上げられている、お家のようなものなんです、と、そのかたの文章がうまくて、後のほうでしめくくりをこんなふうにつけてありました。わたくし旅行先でお菓子を沢山買って、それを旅館に持ってかえって眺めていると、誰が最初にお菓子を作ることを考えたのでしょうと、そんな莫迦みたいなことも書いてございました。」


「そうかい、人間では一等お臀というものが美しいんだよ、お臀に夕映えがあたってそれがだんだん消えて行く景色なんて、とても世界じゅうをさがして見ても、そんな温和しい不滅の景色はないな(後略)」


3歳の金魚(人間でいうと二十歳ぐらい)と一緒に暮らす老作家の話。
『密のあわれ』室生犀星

110906

2011年09月06日 | Weblog
ふと、この夏、甲子園球児が自分より年下であることに驚かず、
やっぱ高校生、幼いな、と感じていた。
出張の帰り、鞄の本を読み終え、キヨスクで『1973年のピンボール』を購入すると
翻訳会社をはじめた僕も鼠もぼくより年下になってジェイだけが年上であることに驚く。やれやれ。
(同じ年ぐらいな感覚)

110905

2011年09月05日 | Weblog
<『家電のように解り合えない』
のチケットを購入。
チェルフィッチュの岡田利規さん、ダンサーは森山開次くん、舞台美術は金氏徹平って
当日どうなっちゃうんだろうという組み合わせ。
岡田さんの空間、登場人物、時間の流れを絵画のキュピズム的にアプローチしていく展開と
ストーリー、音楽に身を任せる森山くん。
僕が今、日本の現代アートの中で、一番リアリティを感じるのは
彫刻をやっている人たちで金氏徹平はその中の一人。
もちろん彫刻をやっているそれぞれの人によって、
感じるリアリティは別のところにあって、小谷元彦さんは身体性とその気配に、
名和晃平は知覚、感覚のゆらぎ、金氏はその流動性の中にある。
インタビューを読むと今回の公演、舞台装置も毎回変えていこうかな、というようなコメントも。
初日と千秋楽のチケットはまだ残っていたけど、とりあえず1公演分確保。
ちょっと、ほんと、無茶苦茶楽しみ。

その次の週は、首藤さん。
次はシェイクスピアのソネットを題材にダンス。
前回の『ジキルとハイド』も面白かった。
今回、衣装はヨウジヤマモト。
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110904

2011年09月04日 | Weblog
夏休みがとれそうにないので
秋に休みを貰ってニューヨークに行くことに
美術館と書店、レストランを巡るのはどこに行っても同じだけど
せっかくニューヨークだからバレエは観たいな、と思い
コムデギャルソンが衣装を担当し、
(その時の衣装をベースに何シーズンか後に
展開されたコレクションは
一番お気に入りのコレクションは、との質問に対して
川久保怜さんが「比較的不満足の少なかった」と答え)た
マース・カニンガムが亡くなっていたことを知る。

ウイリアム・フォーサイス
10月にNYで公演やってるー!
と思ったら、僕が遊びにいくのは11月だった。

シルクドソレイユは日本でも観れるので
何かミュージカル、ザッツ・エンタテイメントな作品を観に行こう

ニューヨークに行くと決めて
ウイリアム・クラインの「NEWYORK」や
森山大道「71 NEWYORK」の中に収められている写真を思い出したり
(写真集をこのに冊は持っていないので目を閉じて思い出す)
あっ!ウッディー・アレンを久しぶりに観ようなんて思ったり
靴を磨きながらジャズやベルベット・アンダーグランドを久しぶりに
流したりしながら過ごしていると
いとうせいこうさんがテレビに出ていて
ニッポンのヒップホップレジェンドみたいな紹介を
アメリカの眼鏡屋でされていて、
口口口が久しぶりに聴きたくなって「00:00:00」をかけてみたら


ニューヨークでは午前11時
バンコクでは午前10時
グリニッチでは午前4時
日付変更線 午前3時
たいてい起きている僕 たいてい寝ている君



だなんて、こんな素敵な曲聴いっちゃったら、
やっぱり、リアルタイムのこっち(東京)だなー
(2年も前の曲をいまって言うなってのは無視!)

110901

2011年09月01日 | Weblog
おれはその時から別段何になると云う了見もなかった。 夏目漱石『坊っちゃん』

青木繁の展覧会『海の幸』の前で、そういえば『それから』のなかで
主人公が青木繁の展覧会に足を運ぶシーンがあったと思いだし、
本棚から取り出すして読み始めたけど気分じゃなかったので『坊っちゃん』に変更。
漱石を読むときにいつも感じるのは、明治に、それも江戸が終わったすぐ後に、
もうこんなことを実現しているんだ、という驚嘆と畏怖の念。
(そのまえに圧倒的な面白さなんだけど)

絵画では黒田清輝がやっぱり、明治初期に既に一つの完成に達している。
青木繁、メアリー・カサットについてもメモしておきたい。

メモ
『猟奇的な彼女』素晴らしい映画
『がらくた』江国香織 彼女の中で最高傑作なんじゃないだろうか、『坊っちゃん』のあとに再読