DEBONAIR LIFE+LOVE

とりとめる

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2012年11月04日 | Weblog
娘が産まれてはじめての週末。といっても里帰り出産のため一人。土曜日は鎌倉で『シャガールとマティス、そしてテリアード』、うつわ祥見『まことのマコト展』祥見さんに娘が産まれたことを報告。石田誠さんにははじめてお目にかかる。いま、ぼくが大好きな作家の一人。石田さん、スタッフ、ギャラリーにいたお客さまにもおめでとうございます、といって頂く。祥見さんにセツローさんも“なずな”が好きでよく描くと教えて頂く。セツローさんの次の個展がすごく楽しみになる。この日は娘が産まれたのを記念して、祥見さんが自分で引き取ろうとしていた壺を思い切って譲ってもらう。なずなと一緒に季節の花を活けようと思う。大きなマグカップが欲しかったのでマグカップも。石田さんと祥見さんに娘と一緒に育てること、嫁入り道具にすることを約束する。

実は既に一つ嫁入り道具は手に入れていて、それは日本で一番古い歴史をもつ開花堂の茶筒。銅、真鍮、ブリキの中からもっとも経年変化がゆっくりと進むブリキのものを。茶さじに“なずな”と彫ってもらった。茶筒からコーヒー豆を出し、豆を挽き、茶筒を撫でている。

夕食は、Gさんと約束し「なると屋」へ。鎌倉には祥見さんのところに足を運んでいるので頻繁に来ているが必ず一食はここ。季節の野菜だけで作られる膳は毎月メニューが変わり優しい味で飽きることがない。御会計の際、「今日は奥様ご一緒ではないのですか?」と聞かれたので、娘が生まれ里帰りしていることを報告する。ここでも祝福される。そうだよね、いつも一緒だもんね。

今日は川崎市民ミュージアムが会期最終日だったので『スタジオ・アズーロ』展、『濱谷浩写真展』へ。スタジオ・アズーロについて何も知らないけど川崎市民ミュージアムが催す映像作品の展覧会はいつも素晴らしいので足を運ぶ。期待に反して『スタジオ・アズーロ』展は、昔の前衛。写真はその中の一作品。自分の顔が映った水たまりを叩くとペンキが飛び散るという作品。娘のいる30代半ば、KENZO×NEW ERAのキャップを逆さまに被っている場合なのだろうかと一瞬頭をよぎるが、眉だけでなく鼻の形も同じだと気が付く。

展覧会は、作品よりもインタラクティブアートに幼児が参加するときの予想外の幼児の楽しみ方に驚く。自分の歩いたあとに映像が追いかける(ねずみが追いかけて来たり、踏みつけたら落ち葉が沈んだりetc)その作品の上で横になって転がり、自分の背負っているリュックを投げつける女の子。お母さん、それ止めなくていいよ、と思いながら、その女の子から目が離せなかった。

『濱谷浩写真展』が本当に素晴らしかったので満足し、山種美術館かワタリウム美術館にも足を運ぼうと予定していたのを変更し帰宅。感傷に浸ることなく世界に対峙する眼差し。ああ、僕の好きな眼差しだ。展覧会をでてからの帰り道、グランドでラグビーの試合をしている小学生のクラブチームや練習中の中学生チアガール。いままで気にしたこともなかったのに胸が熱くなって足を止める。お堀にボートから竿を投げる知らないおじさんたち。写真を撮ろうと池の縁まで近づくと手すりにカマキリがいて僕を威嚇していた。そのとき、大げさだけど、超感傷的だけど、何があっても絶望しない。僕は世界を肯定する。と強く、本気でそう思った。

帰宅後は洗濯物を取り込んで、掃除機をかけて、石田さんのマグカップにたっぷりのカフェオレを入れて本を読んだり、芝居のDVDを観たり、『絵になる最初』と一緒に僕ならこんな絵を展示したいなあ、なんて想像したり。なんかfacebookへの投稿が予想以上に長文になったり。さて、そろそろ近所の美味しい魚屋で買ってきた鮭と牡蠣をフライに、ピーマンと竹輪のサラダでも作って、晩ご飯と明日のお弁当のおかずにしようかな。今週分のシャツにアイロンもかけなくっちゃ。