碑文の間 ~精霊の守り人・ヨゴ文字解読プロジェクト~

NHK-BSで放送されていたアニメ「精霊の守り人」の作品内で使われている【ヨゴ文字】を解読しようというヒマなブログ

シュガが読んでいた石板 (第14話)

2007-08-17 20:09:02 | 碑文の間
前回のアイキャッチに続いて、今回も古代ヨゴ文字の解読を進めていこう。
以前に古代ヨゴ文字について(第14話)のエントリーで、シュガが読んでいた石板について取り上げたが、この時は石板に書かれている冒頭の3行と、シュガが読み上げている文章とが合致しない点を指摘するに留まっていた。

茜さんのブログ「光扇の縁」や、さたさんのブログ「君野」での古代ヨゴ文字の検証を参考にさせて頂きながら、この石板の冒頭3行の出典を探し出すことにしよう。

まずは画像を短冊状に分割し、現時点で読みの分かっている文字を書き出していく。

    
    (クリックで大きい画像が出ます)

そして例によって、この文字の配置に適合する文章を、原作の中から探し出す。
今までに解読してきた長文と同様、やはり建国にまつわる伝説が書かれている箇所に、それらしい部分を見つけ出すことができた。どうやら新潮文庫版「精霊の守り人」の47ページ16行目からの文章が出典元のようだ。

その部分を書き出した画像は下のようになった。(文字がつぶれて見えないところは検証不能なため空白のままとした)

    
    (クリックで大きい画像が出ます)

なお、この石板の4行目以降だが、出典となっている原作の文章の続きが書かれているのかと思い検証してみたが、どうやら違う文章のようだ。原作中の別の箇所から取られているのだとは思うが、4行目以降は文字も暗く見づらいため、今回は出典を明らかにすることはできなかった。

アイキャッチの古代ヨゴ文字

2007-08-07 19:27:07 | 碑文の間
今回は、アイキャッチで精霊の卵とともに画面に映し出される古代ヨゴ文字を解読してみたい。
このアイキャッチのヨゴ文字は、第14・15話でシュガが読み解いていた地下の碑文に書かれていた文字と同種のようであり、第13話の街道沿いの崖に朱で書かれた文字とも同じもののように見える。これらは今まで解読してきたヨゴ文字(現代ヨゴ文字)とは違った字画をしており、古代ヨゴ文字であると考えられる。

古代ヨゴ文字の解読については、作品中から得られるサンプルが少なく、これまではお手上げ状態だったのだが、茜さんのブログ「光扇の縁」で現時点で分かっている古代ヨゴ文字を取り上げているのを参考にさせて頂きながら、解読を進めた。それらの古代ヨゴ文字は、偕成社から出版されている「軽装版」の守り人シリーズ既刊3冊の目次に書かれているものと、DVDのブックレットに描かれていたロゴから、茜さんが拾い出してまとめた十数文字分である。
その拾い出しの詳しい経緯については、茜さんの「光扇の縁」をご覧頂きたい。
※ 上でご紹介しました茜さんのブログはその後リニューアルされたため、古代ヨゴ文字についての過去の記事は現在閲覧できません。(2008-8-14 追記)

このアイキャッチの文章だが、画面中央の卵とタイトルの左右に6行ずつが書かれている。見たところ句読点に相当する記号はないが、ところどころ文の区切りのようなスペースが入れられていことと、最終行の上5文字がカッコ書きされているのが特徴だ。

このアイキャッチの文章も、原作の一部分を引用したものであると仮定して、解読を進めていった。


(クリックで大きい画像が出ます)

上はアイキャッチの文章部分を短冊状にして、読みが分かっている文字を抜き出した画像。比較的特徴のある字面の「い」と「の」をまず抜き出したが、注目すべきは最終行のカッコ書きの部分。
カッコ内の5文字のうち「○んの○○」というところまで分かった。もしこのアイキャッチの文章部分が原作中の文章から取られたものであれば、この「カッコ書き」の部分は原作でも会話文のようにカッコ書きされたものである可能性が高いと考えられる。

その仮定に基づいて、原作中でカッコ内の文字が5文字であるような箇所の探索を開始した。とはいえアタマから順に読んでいくのでは効率が悪い。アイキャッチの文章が古代ヨゴ文字で書かれていることを考えれば、その出典となるのは表向きの歴史である建国正史について言及した箇所ではなく、真実を伝える碑文の文章から引用しているのではないか、という推論に基づき、まずは碑文の中身について語られている部分から重点的に探すことにした。しかし該当しそうな部分は見当たらず、やむなく範囲を広げて探索を継続した。

その結果、このカッコ書きの5文字「○んの○○」は、これまでに何度も長文のネタ元として登場してきた、作者の視点で新ヨゴ皇国の建国の経緯について語っている部分に出てくる「天ノ神」(てんのかみ)である可能性が出てきた。
そして前後の文字数と区切りの位置の関連から、このアイキャッチの文章は、新潮文庫版「精霊の守り人」の49ページ15行目からの文章と一致することが判明した。
これは以前に解読した「聖導師の建国正史」の書き出し部分と同じ箇所であった。全文をかな書きした画像はこのようになった。


(クリックで大きい画像が出ます)

このアイキャッチの文字数と原作の該当箇所と思われる部分の文字数とが、ちょうど同数だったため、上の画像で古代ヨゴ文字の横にかな書きした文章は、結果的に原作をそのまま書き写したものになっている。だが、文章中で複数回出てくる文字は、字面から判断して同じ文字であるように見えるので、この部分が引用元であると最終的に結論付けた。
とはいえ、重複して使用されていない文字については、現時点では検証するすべがないため、これが100%正確であるという保証はないということをご了解頂きたい。

鍛冶屋の札 (第8話)

2007-08-02 18:37:49 | 碑文の間
第8話で登場した鍛冶屋の作業場に懸けられていた木の札。
その文面については、すでにさたさんのブログで「どすにふり」と「こうぐのせいび」の2枚が解読されている。

今回はそれとは別の2枚の札を解読してみよう。



1枚目は作業用のメモらしく

 すみのひいれ
     あさから

つまり「炭の火入れ 朝から」と書かれているようだ。

※「火入れ」とした部分は見直したところ、さたさんがコメント欄でも指摘されている通り、「仕入れ」が正しいようです。お詫びして訂正いたします。たいへん失礼しました。 (2008-5-25)



2枚目は注文メモのようで

 かみやまさま
 どすひとふり

「かみやまさま ドスひと振り」と読むことができた。
「かみやまさま」は「神山さま」、つまり監督である神山健治氏のことと思われる。以前に解読した「たのまれ屋の台帳」でも、スタッフのあだ名を使用したりしているので、内輪向けの遊びの一つとして監督の名前を使ったのではないかと考えられる。