碑文の間 ~精霊の守り人・ヨゴ文字解読プロジェクト~

NHK-BSで放送されていたアニメ「精霊の守り人」の作品内で使われている【ヨゴ文字】を解読しようというヒマなブログ

薬掲示板 (公式ホームページの画像から)

2007-07-31 19:46:47 | 碑文の間
アニメ『精霊の守り人』公式ホームページ(http://www.moribito.com/)のコンテンツ一覧の最下段に「リンク」という項目がある。ここをクリックすると、このブログで何度も取り上げた薬掲示板(第3話)が背景に浮かび上がる。
しかも放映時よりも大きく鮮明なヨゴ文字を見ることができるので、この画像からまだ解読の済んでいない箇所を解読することにしよう。

少しわかりづらいが、この画像の右上の暗い部分に未解読の貼り紙が1枚確認できた。
この部分を拡大して明度を上げた画像がこちら

 げねつやく
 もとむ
      もろ

と書かれているようだ。

ただ、残念なことにこれまでに取り上げた別の貼り紙の中で、不明として保留していた部分は、この公式ホームページの画像でもはっきりとは判別がつけられなかった。


なお、これまでに薬掲示板について取り上げたエントリーは下記の通り。

薬の掲示板
薬掲示板依頼文
薬種問屋
タンダの書き置き
〔番外編〕 書き置きを見落とした理由 -薬掲示板に隠された機能-
薬掲示板の貼り紙「センナ」
重い伝言文

たのまれ屋の台帳 軍曹編 (第16話)

2007-07-29 17:42:43 | 碑文の間
トーヤが営むたのまれ屋の注文台帳の文面は、合計3種類あることが確認されている。
すでに解読がなされているのは、

1 顧客名「バルサヨンサ」 さたさんのブログで解読済み
2 顧客名「大将」 前回解読済み

の2種類で、今回は残る1つの台帳の中身を見てみることにしよう。

     
     (クリックで大きい画像が出ます)

上下の画像は違う場面のものだが、書かれているヨゴ文字は全く同じものである。
解読結果は次のようになった。
(右から順に)

 ぐんそう

 きゅうすた

 ないふ   1
 とかれふ  1
 なぱあむ  1
 わかば   10(?)
 こぶし

と読むことができた。
「ぐんそう」は顧客名で、さたさんのブログでも何度か取り上げているように、『精霊の守り人』の脚本を担当している檜垣亮氏(檜垣軍曹)のことと思われる。

「きゅうすた」はズバリ「9スタ」。
Production I.Gの中の「第9スタジオ」のことではないかと考えられる。検索したところ、『精霊の守り人』を制作しているのが、この「第9スタジオ」で、Production I.Gホームページによれば、もとはテレビシリーズ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』(監督:神山健治)を制作するために作られたスタジオらしい。脚本を担当している檜垣氏(軍曹)もおそらくここに所属しているのだろう。
「す」の文字のパーツが一部本来のものと違っているが、この台帳の2行目は顧客の所在を書く欄として統一されていると考えられるので、他に当てはまりそうな文字もないことから「9スタ」と結論づけた。

以下の注文品には「軍曹」という名前にちなんで、軍事関係のものが書かれている。「ナイフ」「トカレフ」「ナパーム」といった物騒な武器の注文が並ぶが、「わかば」は前回の「大将」の項でも出てきたタバコの銘柄。この「わかば」の行は「軍曹」と「大将」の両方で使用されている。
最後の「こぶし」が少し意味不明で、この判読で正しいかどうかにもやや疑問が残る。タバコの銘柄ではなさそうだが、考えられるとすれば「拳銃」の「拳」の部分だけを取り出して「こぶし」とした可能性だ。人間の「拳」も広義では「武器」ととらえられなくはないが、注文品目に「拳」とあるのはおかしいように思う。(もっとも攻殻機動隊SACのファンなら「義体」の部品だという意見が出てきてもおかしくはないが…)

一部にやや疑問な点も残るが、台帳に関しては今回の解読で一応終了としたい。

たのまれ屋の台帳 大将編 (第16話)

2007-07-28 20:15:25 | 碑文の間
トーヤのたのまれ屋の注文台帳を狩人が瞬間記憶するシーン。
すでに顧客名が「バルサヨンサ」となっている台帳はさたさんのブログで解読済みだが、台帳の別のページに書かれている内容を見てみよう。

     
     (クリックで大きい画像が出ます)

さたさんのブログでもすでに指摘されている通り、この台帳をめくるシーンでは同じ文面やその一部が繰り返し映されている。より行数の多い上の画像の解読結果は以下の通り。
(右から順に)

 たいしょう

 ぴいえい
  わあくす

 らいたあ  1
 たんべ   1
 わかば   10(?)
 ますとろ
 だんひる  1

と書いてあるようだ。
「たいしょう」は顧客名で「大将」のことと思われる。
「ぴいえいわあくす」はこのアニメの制作に関わるスタジオ「ピーエーワークス」のこと。エンディングでも制作協力としてクレジットされている。
以下の行には注文品が書かれているが、全てタバコ関連の商品ばかりのようだ。「ライター」は言うまでもないが、「わかば」「ダンヒル」はタバコの銘柄。「マストロ」はイタリアの有名なパイプ。「たんべ」というのは韓国語で「タバコ」のこと。
「たんべ」について補足すると、「たん○」まで分かった時点で「タバコ」と「タン○」を組み合わせていろいろと検索した結果、あてはまりそうな字画の文字で、タバコに関連する文字はこれぐらいしかなかったので、暫定的に「たんべ」とした。とはいえ、必ずしもタバコに関連した事物が書かれているとも限らないので、この部分は一応保留としておきたい。

ピーエーワークスのホームページhttp://www.pa-works.jp/には「作画のとび箱」(http://www.pa-works.jp/tobibako/index.html)というインタビュー記事がある。そこの「1段目 吉原正行」とあるページを見ると、ピーエーワークスで演出を務める吉原正行氏の略歴が記載されており、吉原氏のことが「通称“大将”。」と書かれている。
これらのことから、この台帳の顧客名「大将」とは吉原正行氏(助監督)のことであると結論付けて良いように思われる。

柩の奥の衝立 (第16話)

2007-07-24 22:57:58 | 碑文の間
今回は、サグム皇太子の柩と御簾の間に置かれていた衝立に書かれた文章を見てみることにしよう。
例によって「長文の元ネタは原作にあり」を念頭に置き、まずは解読可能な文字を拾い出していく。「このたいりく」や「このちに」といった単語が浮かび上がってきたところで、原作からの該当箇所の探索を開始。言うまでもなく重点的に捜索するのはここまで多く引用されている部分、すなわち作者視点で「新ヨゴ皇国」の建国にまつわる歴史が書かれている箇所だ。
読み進めた結果、新潮文庫版「精霊の守り人」の48ページの11行目に「この大陸」、同13行目に「この地に」という文が見つかった。前後の文字数や他の既読文字の位置からしてもこの部分で間違いないようだ。

そして判読結果は次の通りとなった。


(画像をクリックすると、読みを書き込んだ大きい画像が出ます)

ちなみに横に読みを書き込んだ部分は、文庫版48ページの6行目から14行目にかけての文章に相当する。

聖導師の建国正史を解読した時もそうであったが、やはりところどころわざと読み方を変えてヨゴ文字にしている部分がいくつかある。
 運命 → うんいのち
 威光 → あきらひかり
といった具合である。

これまでにも何度か触れたように、ここで上げているキャプチャ画像は、私個人の視聴環境の制約上、左右が切れたものになっている。本来なら左右にもう何行か映っているはずだが、おそらく小説の該当箇所の前後が書かれているのではないかと思われる。

トウミ村への地図 (第15話)

2007-07-22 15:33:21 | 碑文の間
ヤクーの古い伝承が残ると言われるトウミ村。第15話でタンダがバルサに手渡したトウミ村への地図に書かれている内容を見てみることにしよう。
画像に直接書き込んでいるので、こちらを見て頂きたい。

 地図拡大版

※ 地図中に書き込んだ文字の一部に判読の誤りがありましたが、画像はそのままにしています。(2007-7-28 追記)

補足しておくと、物語の主たる舞台である光扇京は3つの地域に区別されている。
この地図からも分かる通り、
 かみ…扇ノ上(おうぎのかみ)
 なか…扇ノ中(おうぎのなか)
 しも…扇ノ下(おうぎのしも)
となっており、西の青弓川(あおゆみがわ)と東の鳥鳴川(とりなきがわ)に挟まれている。
光扇京に繋がる道としては、南に都南街道(となんかいどう)があり、東に通じる道は都東街道(ととうかいどう)と名づけられているようだ。
扇ノ下のはずれにバルサとチャグムが住む水車小屋があり、地図の上部にはトーヤたちが一時身を寄せていたヤシロ村と、目的地であるトウミ村が描かれている。
今回の判読でもっともてこずったのが地図中央にある「はんぶん」という文字だ。当然、地名かもしくはタンダの小屋あたりにも思えたが、字面からしてあてはまりそうなものが見当たらなかった。読解のヒントになったのは、第16話でのバルサのセリフ。トウミ村までの距離を「ゆっくり見積もって片道2日。」と言っていたことから、タンダがあらかじめ旅程の「半分」の位置に目印を描いて、このあたりで野宿が必要であることを示したのではないだろうかと推測した。
こうした推定に基づいて「はんぶん」ではないかと思うのだが、元の字が見づらいのでこの部分はあくまで保留としておきたい。

※ 第17話で水車小屋に来たトーヤが地図を見るシーンがあり、保留としていた中央の文字がやや大きく写っていた。(拡大画像
この文字は当初「はんぶん」ではないかと考えていたが、これは誤りで、どうやら「さんもん」(山門?)と書かれているようだ。次回予告で映る、骨を大量に吊るした門のようなもののことかも知れない。
(2007-7-28 追記)


※ 上の追記で、予告映像に出てきたナージの骨を吊していた木の柱が山門ではないかと書いたが、これは誤りで、山門ではなく魔除けのために村の入り口に設けられているものであることが、第18話から分かった。
山門とはバルサがチャグムたちと待ち合わせていた、山道の途中にある老朽化した門であった。
(2007-8-5 追記)

対応表 アップデート

2007-07-20 21:53:30 | 碑文の間
前回からほぼ3週間ぶりにヨゴ文字⇔カナ文字対応表の最新版をアップ。

フルサイズ対応表

初出の文字の多くは政務の書類(第15話)聖導師の建国正史(第2話)から判明したものだが、建国正史の方は文字が小さいため不鮮明で、特に「ぬ」は輪郭さえよく分からない。一応参考ということで記載しておくが、作品中で判読できるレベルの「ぬ」が映ってくれるのを祈るばかりだ。
また茜さんから教えて頂いた、「特典ディスク」の「ディ」も手書きで再現したものを記載した。



さて、対応表もだいぶ埋まり、空白の部分は出現頻度の低い文字ばかりになりました。今後の本編中のヨゴ文字の映り具合によっては、これが最後のアップデートになる可能性もあります。
これまでに情報や画像をご提供頂いた皆様に、あらためて感謝いたします。ありがとうございました。

Production I.G 設定資料集から

2007-07-18 22:37:35 | 碑文の間
Production I.Gのホームページで、「精霊の守り人」の設定資料集などを見ることができる。
今回公開されたのは、第15話から「サグムの短剣/サグムの机の上」で計4枚の設定資料。
http://www.production-ig.co.jp/contents/works_sp/1600_/s04_/003752.htmlml

注目して頂きたいのは一番下の資料「サグムの机の上3 小物」。
和綴じの本の表紙にヨゴ文字で何やら書かれているが、なんと解読するまでもなく横にひらがなで「ほうれいぜんしゅう(法令全集)」と書いてくれている。
その上にある本の表紙も「のおと」と横にひらがなで書かれている。画面でこれらの本の表紙が大きく映る場面は無かったように思うが、映る映らないに関係なく、製作の過程ではこうして細部にまで丁寧な設定が施されていることが分かる。

そういえばシュガがフィールドワークに出ていたときの帳面も、かなり見づらいが表紙は「のおと」と書かれていたようだ。単品で解読ネタにするほどでもなかったので触れていなかったが、「ノート」つながりということでここで書いておこう。

政務の書類 (第15話)

2007-07-16 19:01:10 | 碑文の間
サグム皇太子が息を引き取ったあと、強風に舞う書類が映っていたが、ここに書かれていた内容を見てみることにしよう。
文面を見ることができたのは2枚だけであったが、まず1枚目(拡大1拡大2)。
文字が見えない部分は(  )とし、見えているが読みの判明していない文字は○で表記している。

 (      )うれいは、おうがしょめいし
 (   )こくじょうれいは、ほんこくこうほ
 (  )きとする。
 (   )し、○うせをようするじょうれい
 (    )じばんにけいじしてこうほうの
 (    )くじょうれいは、じょれいにとくべ
 ( )うふのひからきさんして、十かをけ
  ○ん3じょうのきていは、じょうれいにと
  ほか
  ほんこくきとくならびにほんこ

続いて2枚目(拡大図1拡大図2

 ( )ん○う、(            )
  い○うすると(           )
  かいこく、げ(           )
  いしたしょめんをとう(       )
  ちょうかいのこうか

  かいこくは、とうがいしょくいんのせき
  る。
  げん○うは、1にけいじょう○がくいか
  けいきてあてのげつがくのごうけいがく
  こうつう○くおよびすいどう○くのしょ
  なろうむにこようされるしょくいんにかか
  き○んほうぐい十2じょうに

読んでみても分かる通り、各行ごとでブツ切りになっていて意味のある文章にはなっていない。
「条例・広報・戒告・職員」といった言葉が出てくることから、現代日本のどこかの公文書を元ネタにして、継ぎ合わせた文のように思われる。「王が署名し」となっているところは、おそらく元は「知事」か「市長」になっているのを、置きかえたのだと考えられる。(もっとも新ヨゴ皇国の国家元首は「王」ではなく「帝」であるが)
第9話でサグム皇太子が鉄の流通に関して帝に進言する場面などもあったことから、この書類もそれがらみの内容かもと期待していたが、文書の中身があまりきっちり作りこまれたものでなかったのは少し残念であった。

※ 2枚目の8行目の最後は「○がくいか」と書きましたが、「○がついか」が正しい読みでした。訂正いたします。(2007-07-18追記)

聖導師の建国正史 (第2話)

2007-07-15 20:08:11 | 碑文の間
長らくお待たせしていたが、第2話で聖導師が広げていた方の建国正史の内容をアップしたいと思う。
シュガの建国正史衝立の例を見ると、長文のヨゴ文字の場合、その文章が原作中から取られているケースがいくつか見受けられる。聖導師の読んでいた建国正史もその可能性が高いと見て、次のようなアプローチを考えた。
まず、比較的鮮明に見える判別可能な文字や、画数の少ない「い」「う」「に」「わ」などを優先的に抜き出した上で、それらを元に原作と照合して合致する文章を探し出す。
もちろん書かれているヨゴ文字が原作に依拠したものでなければ破綻するやり方だが、やってみる価値は十分あると判断した。

元の画像を1文ごと短冊状に分割し、判別可能な文字を横に書き出していく。
まずは見開きの右ページから解読開始。


(クリックで大きい画像が出ます)

これを元に原作の中から当てはまりそうな箇所を探し出す。建国にまつわる伝説が書かれているページであると考えられるので、絞り込みにはさほどの苦労はなかった。
その結果、新潮文庫版「精霊の守り人」の49ページ15行目からの文章と一致することが判明した。
大部分は日本語をかな書きにして、1文字ずつ対応するヨゴ文字に換えているだけであったが、中には文字数が合わない部分や、ヨゴ文字の輪郭から明らかに違う文字だと思われる部分も多少あったため、解読は慎重を要した。

そして見開き右ページの解読結果はこのようになった。


(クリックで大きい画像が出ます)

なお、ここでは「しゃ」・「みゃ」などの拗音は1文字表記となっており、「ヤクー」は伸ばす音を省略して「やく」と表記されている。
また、原作の文章と違う部分は「皇家(おうけ)」が「すめらぎいえ」に、「星心ノ剣(せいしんのつるぎ)」が「ほしごころのけん」に置きかえられたりしている。
最終行はページのノドの部分が見づらく、文字の判別がつかなかったので、カッコ内に原作で書かれている文字をそのまま書いている。

次に見開きの左ページ。ここから文字がさらに小さくなり、ほぼ原作通りの文章だと分かっていても解読は困難を極めた。


(クリックで大きい画像が出ます)

さきほどと同様、見づらい部分は原作で書かれている文字をカッコ内に書いている。そのほとんどは、文字数が合わないものの文字の判別がつかないため解読できなかった箇所である。
ここでも書かれている文章はほぼ原作通りだが、部分的に語順を変えたり、単語を置きかえたりした箇所も見られる。また、「星心ノ剣(せいしんのつるぎ)」はこの左ペ-ジでは読み方が「せいしんのけん」になっている。

以上で建国正史の解読はひとまず終了。カッコ書きとした部分については心残りではあるが、現段階での最大限の解読の結果なのでご勘弁頂きたい。

最後に、完全版画像のご提供を頂いたさたさんに改めてお礼申し上げます。

シュガの建国正史 (第14話)

2007-07-11 21:57:38 | 碑文の間
シュガが大部屋で読んでいた建国正史の中身が、原作からの文章であることはすでに指摘済みであるが、原作をお持ちでない方のために、書かれている内容をここでアップしておこう。
なお、画面の端や手で見えない部分は(   )としている。

まず1枚目

(   )かしナヨロ半島の海のむこうで
(   )くつもの王国が栄えたがいのりょ
(   )をとりあいながら激しい攻防をく
(  )ひろげていた。
( )れらの王国の中でひときわきょうだ
 いな勢力を誇っていたヨゴ皇国
 ヨゴ皇国には四人の皇子がおりじ
 ゅうびょうで死にかけている帝の跡を
 だれが継ぐかで血で血を洗う争いをく
 りかえしていた。

 第三皇子のヨゴトルガルはやが(  )
 つながった兄弟同士でのみ(   )
 らそいに嫌気がさしみずからこう(   )
 ぞくを放棄することを宣言(    )
 た
 二十五歳だっ(        )
 遠く離れたき(        )
 もり妻子ととも(       )
 めた
 ある夜この(         )



続いて2枚目。内容は1枚目で書かれた箇所とは直接つながっていない。

(   )りなすナヨロ(       )いた
(   )るはナナイの導きに従ってか
(  )さかのぼりやがて青霧山脈の
(  )がれでた川が二本に分かれる場所
( )たどりついた そこにはナナイの予言ど
 おり二本の川にはさまれた豊かなおう
 ぎがたの平地があった
 穏やかな男であるトルガルはそこにす
 んでいたヤクーたちを武力で追いはらお
 うとは考えていなかった しかしヤクー

 は見たこともないきらびやかな人びとのお
 とずれに驚いて集落をすててみん
 な山にのがこんでしまったのだという
  (注1)
 トルガルはナナイの教えに従ってそう
 れいな都を築き田の開墾をはじ( )
 たがふしぎなことに最初の年はひと( )
 ぶの稲もみのらなかった
 ナナイは星を読んで凶作のげ(   )
 が天ノ神の威光を憎むこの地(   )
 ののせいであることを知った この(    )


注1 「山にのがこんで・・」の部分は書かれているヨゴ文字のまま。原作では「山に逃げこんで・・」と書かれている。「に」の文字が連続するのを避けるための措置か、単なる誤記なのかは不明。

補足だが、この建国正史では「きょ」などの拗音は「き」と「よ」に2文字に分割表記されている。また「ヤクー」は「やくう」と表記されている。

なお、第2話で聖導師が読んでいた方の建国正史の完全解読は近日中にアップの予定。

※ 完全解読などと啖呵を切りましたが、見開き左ページに入った途端、暗礁に乗り上げてしまいました。「完全」は無理にしても最大限可能な範囲で解読を試みますので、アップはもうしばらく先になります。(2007-07-12追記)