碑文の間 ~精霊の守り人・ヨゴ文字解読プロジェクト~

NHK-BSで放送されていたアニメ「精霊の守り人」の作品内で使われている【ヨゴ文字】を解読しようというヒマなブログ

攻殻キャラ登場? (第3話)

2007-11-03 17:18:47 | 碑文の間
今回はこれまで何度も取り上げてきた「薬掲示板」から、未解読分の貼り紙を紹介したい。



      めぐすり

  もとむ  しきゆう
        たのむ

         ばとう

依頼人の名前が「ばとう」とあるが、これは『攻殻機動隊』の登場人物「バトー」のことではないかと推測される。
神山健治監督が『精霊の守り人』の前に手がけたのが『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』シリーズであり、そのつながりでこの名前が出てきたのだろう。

「めぐすり」の部分はやや見づらいが、義眼のサイボーグである「バトー」に敢えて目薬を依頼させるスタッフの洒落っ気がうかがわれる。

商家の看板 (第7話)

2007-10-26 23:10:19 | 碑文の間
ひさびさに小ネタをひとつ。

第7話で登場した商家の看板。



短槍がジャマをして少し見づらいが、ヨゴ文字の「い」に似た1つ目の文字は、すでにさたさんが解読されている数字で「万」。残りは「しょ」「う」「ゆ」と読める。(赤地に書かれた商標も「万」)
しょうゆの製造元ということで、ひょっとしたら「キッコーマン(亀甲萬)」にちなんだネーミングかと考えるのは穿ちすぎであろうか?

街道沿いの古代ヨゴ文字 その4 (第13話)

2007-10-14 20:21:53 | 碑文の間
崖の古代ヨゴ文字の第4弾。



新潮文庫版「精霊の守り人」49ページ。
 「・・・霧にけむる、けわしい山脈が・・・」の部分と思われる。

街道沿いの古代ヨゴ文字 その3 (第13話)

2007-09-27 22:13:14 | 碑文の間
崖の古代ヨゴ文字の第3弾。

前回解読した「・・・築くがよい・・・」の前の部分。



新潮文庫版「精霊の守り人」48ページ。
 「・・・流れ出る川が・・・」




新潮文庫版「精霊の守り人」48ページ。
 「・・・が天子たる・・・」
 「・・・きた。トルガルは・・・」

ヨゴ文字における句点「。」は別の記号「∵」が設定されているが、ここでは句点は「。」のままとなっている。

届けられた石板 (第24話)

2007-09-20 22:56:20 | 碑文の間
青池に届けられた石板をシュガが指でなぞって読むシーン。



以前のエントリー古代ヨゴ文字について(第14話)でも取り上げたように、石板の文字はそれを読み上げる登場人物のセリフと無関係に、原作から抜き出した文章が書かれているケースがほとんどだったが、今回の石板の文字はシュガのセリフを反映した内容になっているようだ。

元の画像を明るくして、文字の形が読み取りやすい前半部分を短冊状にしたものがこちら。



緑色のひらがなで書いてある文字は、これまでに読みが分かっている文字。原作には当てはまる箇所のない、アニメオリジナルの文章と思われるので、数字の「20」(ピンク色の文字の部分)についても、作品中の会話に依拠したものと考えてこのように結論付けた。

ちなみにこのシーンの会話は以下の通り。(第24話より引用)

シュガ  「二百年前も花を食べた子どもがラルンガを引き連れ森に消えたとある。
      それにどうやらここはナユグにおけるラルンガの巣のようです。」

トロガイ 「花を食うことでラルンガをおびき寄せたのか。」

シュガ  「はい。そしてサアナンはここより北に20ナンの土地であると。」


こうした会話がなされていることから、2行目は「・・・より北20ナンの・・・」、3行目は「・・・(あおき?)いずみなり」と書かれていると結論づけた。(とはいえ「2」を表すにしてはこの古代ヨゴ文字の造形は複雑に過ぎるという気がしなくもない。)
なお、4行目以降ははっきりと判別できる文字が少なく、今回は解読を断念した。

※「二十」と推測した部分ですが、「十」とした文字は「0」(ゼロ)の可能性もあります。 (2007-9-22)

街道沿いの古代ヨゴ文字 その2 (第13話)

2007-09-18 22:58:03 | 碑文の間
前回に続き、崖の古代ヨゴ文字について。

     

     

     (いずれもクリックすると大きい画像が出ます)

新潮文庫版「精霊の守り人」48ページの中ほど、ナナイの予言の部分が引用元。
 上 「・・・声がもっとも・・・」「・・・霧にけむる・・・」
 下 「・・・築くがよい・・・」

街道沿いの古代ヨゴ文字 その1 (第13話)

2007-09-16 14:10:49 | 碑文の間
今回は街道沿いの崖に彫られていた古代ヨゴ文字について検証してみよう。
古代ヨゴ文字については、アイキャッチの時と同様、茜さんのブログで紹介されている古代ヨゴ文字を参考にさせて頂いた。

読み方の分かっている文字を拾い出し、原作の文章中から適合しそうな箇所を見つけるいつものやり方で、以下のような解読結果が得られた。

     

     

     (いずれもクリックすると大きい画像が出ます)

上の2つの場面は、文字の割り付けが違うものの文字列自体は同じで、その元ネタは原作本のいつもの箇所(新潮文庫版「精霊の守り人」の49ページの前半部分)から引用されていた。なお「青霧山脈」の部分は、崖の文字では「あおぎりさんみく」と表記されている。

対応表の更新

2007-09-11 22:56:28 | 碑文の間
ほぼ2ヶ月ぶりに、ヨゴ文字⇔カナ文字の対応表をアップ。
さたさんから提供して頂いた「数字」の部分と、「ぱ行(半濁点)」のいくつかが新たに埋まった。その他、わずかだが見やすい画像に差し替えた文字もある。


(クリックするとフルサイズの対応表が出ます)

黄色のマスの文字は推測して当てはめたもので、間違っている可能性もゼロではない。

なお、対応表の中で「ぬ」「ぱ」「ぴ」「しゃ」は、第16話の注文台帳から抜き出したもので略字体となっている。これらの文字の楷書体は不明だが、「ぬ」に関しては、さたさんがブログで楷書体への復元をされているので、そちらもご覧頂きたい。



対応表の更新は、おそらくこれが最後になるのではないかと思います。画像や情報をご提供頂きました皆様に改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

プリン (第10話)

2007-09-02 18:48:28 | 碑文の間
久しぶりのエントリーだが、今回は小ネタをひとつ。
第10話で出てきた町中の風景。画面右側にある看板の文字に注目してみよう。

     

1つ目は初出の文字で、漢字の部首の「なべぶた」に似たパーツがある。現時点で、このパーツを有すると分かっているものとしては、「か行」「た行」「ぱ行(半濁点)」と「ちゃ、ちゅ、ちょ」がある。

看板の2文字目が「り」、3文字目が「ん」であることから、読みの分かっていない文字の中から「○リン」の「○」に適合しそうな文字をあてはめていくと、「プリン」ぐらいしか意味をなすものがなかったので、不明な文字は「ぷ」であろうと結論づけた。

シュガが読んでいた石板 (第14話)

2007-08-17 20:09:02 | 碑文の間
前回のアイキャッチに続いて、今回も古代ヨゴ文字の解読を進めていこう。
以前に古代ヨゴ文字について(第14話)のエントリーで、シュガが読んでいた石板について取り上げたが、この時は石板に書かれている冒頭の3行と、シュガが読み上げている文章とが合致しない点を指摘するに留まっていた。

茜さんのブログ「光扇の縁」や、さたさんのブログ「君野」での古代ヨゴ文字の検証を参考にさせて頂きながら、この石板の冒頭3行の出典を探し出すことにしよう。

まずは画像を短冊状に分割し、現時点で読みの分かっている文字を書き出していく。

    
    (クリックで大きい画像が出ます)

そして例によって、この文字の配置に適合する文章を、原作の中から探し出す。
今までに解読してきた長文と同様、やはり建国にまつわる伝説が書かれている箇所に、それらしい部分を見つけ出すことができた。どうやら新潮文庫版「精霊の守り人」の47ページ16行目からの文章が出典元のようだ。

その部分を書き出した画像は下のようになった。(文字がつぶれて見えないところは検証不能なため空白のままとした)

    
    (クリックで大きい画像が出ます)

なお、この石板の4行目以降だが、出典となっている原作の文章の続きが書かれているのかと思い検証してみたが、どうやら違う文章のようだ。原作中の別の箇所から取られているのだとは思うが、4行目以降は文字も暗く見づらいため、今回は出典を明らかにすることはできなかった。