なんでやねん?ドラキュラ!

猫魂外伝は猫魂(名も無き猫の物語)のエピソード0になります。ぶぶぶ。
自分の中では絶賛連載中♪(* ̄∇ ̄*)でへへ!!

其ノ拾三

2017年07月24日 | 猫魂外伝 舞闘戦記編



パンはまず...ゆっくりと自分の十六茶を口に含んだ。飲み干すと静かに語り初めた。

パン「さて..まずはわしの若かりし時の事でも話そうか。 今はこんな体をしているが...実はわしは一人じゃ無いのじゃ! 本来...この体は二つの個体だったのじゃ!! 一人の名は笹の葉孤次郎。 笹の葉孤次郎は日出ずる国..武蔵野で生まれた月の輪熊じゃった。小さな頃からやんちゃな熊で物心が付いた頃には既に民家のちゃぶだい返しを習得しておった。余りのやんちゃぶりに困った山寺の住職が馬の耳に念仏じゃ無いが..熊の鼻にハチミツでまんまと孤次郎を罠にはめたのじゃ。孤次郎は三日間...木に吊るされ...住職から改心するなら山に帰してやると言われたそうな。
改心した孤次郎は自分の力を山の為に使おうと木こりの手伝いをしながら...剣術の修行を始めたのじゃ。 剣術はみるみる上達し..月の輪熊だけに秘剣..円月殺法なる技まで生み出しおった!!
其の名はまたたく間に全国の武道家達にも広がり我や我やと試合を申し込む者達が増えてきた。
その頃から孤次郎は鋭い爪を二つ使った二刀流の達人になっておった。一頭でも二刀流。ぶぶぶ。
もはや...日出ずる国には敵はなく...内面を鍛練するべく...木彫りの観音像を作ったり陶芸をするなどして静かに暮らしていたそうな。笑 そんな孤次郎の元へ....ある日一通の果たし状が届いたのじゃ!!!  果たし状?? 誰だ??    果たし状の文面にはこう書かれて在った。

世界熊熊武道選手権チャンピオン  北斗拳白 

何やら世界を又に掛ける格闘家で....我こそが真のチャンピオンで....チャンピオンになりたければ出てこいやー!! と挑発する物であった。 場所は巌流島 亥の刻に待つ。その頃...蒙古来襲の噂が持ち上がっていた時であった。  孤次郎は久しぶりの戦いに胸が踊った。
相手の北斗拳白は巨大な体で有りながら北斗真拳の使い手と言う北極圏生まれのシロクマ!! 相手にとって不足はない!! 異種族格闘戦が実現する事となったのじゃ!! 驚愕
この試合はただの戦いではない!! 祖国の威信をかけた絶対に負けられない闘いなのじゃ!!
熊達の間どころか人間達も固唾を飲んで見守っていた。蒼き星の下に。

試合当日...笹の葉孤次郎は一刻早く巌流島に到着した。 
北斗拳白は北極圏で生まれたシロクマじゃった。 前チャンピオンのアラスカ出身のヒグマ...グリズリーブルーベリーを倒した!! 新進気鋭の格闘家じゃった。 ブルーベリーの名は世界中の熊達にも知られていた。もう一人兄弟がいて..戦慄のブルーベリー.ラズベリー兄弟と恐れられていた。一度掴まれたら離さないアイアンクローの攻撃が得意なブルーベリーその凶悪ぶりに誰もが青くなった。 弟のラズベリーは勝負の為なら手段は選ばない凶悪非道の奴だった。鈍く光る爪先は毒々しいまでに紫色にそまっている..。ポイズンクロー? あわわわっ。汗。
そんな..そんな二人を倒したと言うのか...恐るべし拳白!! 
それにしても拳白がいつまでたっても姿を現さない...臆したのか....それとも他に理由が? 
拳白は一月前に出発している...何故...着かない? それには拳白が使った交通手段に問題があった。
拳白が交通手段に使ったのは友達の白ナガス鯨だ!! 背中に乗せて貰ったはいいが結構自由気ままな奴だった。汗。 ヘミングの大ファンで自分も老人と海みたいな作品に出演したいなどと訳が判らぬ理由で寄り道三昧!! バカンスか? 怒 温暖差で体調を壊す拳白。何とかシロクマアイスを食べて体温を調整したものの...食べ過ぎで下痢をおこす始末。うげっ。
もしやこのまま試合放棄と言う形で負けてしまうのか!! 焦った拳白が白鯨に問いただすと....目の前に巌流島が!!  二時間遅れだけど無事着いたとの事。汗。
去り際に白ナガス鯨が上げた潮吹きを合図に...壮絶な戦いのゴングが打ち鳴らされた♪

拳白「待たせたな孤次郎!!」
孤次郎「お前が拳白か!! ちょこざいな!! 返り討ちにしてくれる!! 」
拳白「孤次郎...破れたり....さやえんどうのさやを棄てるとは...ぬふふふ。」
孤次郎「お前の方こそ..食べかけのアイスが溶けているではないか! 消え行くお前の末路の様にな!」
互いに一歩も引けをとらぬ精神戦が繰り広げられた。笑
互いにどれだけの差があるのかは剣を交えれば直ぐに判る。
孤次郎は必殺...円月殺法を試み。催眠術の様に眠気を誘う作戦だ!! ぶひ。
しかし...拳白には全く通じなかった? 何故えなら拳白は幾日も続く白夜の中で自由自在に睡眠をコントロール出来るのだ。
拳白も寒さに弱い月の輪熊の弱点を突くべき...アイスで冷え冷えの体温を使って...冷たい息を吹き掛けた。(エアコンか?)
孤次郎「その程度の冷気が通じると思っているのか!! 暑さで名高い熊谷での修業の日々を甘く見るなーああ!!怒」
拳白「ぬふふ...なかなかやるな...どうやら小細工は通じないようだ!! 力勝負と言うことか!!」
孤次郎「その様だな...いざ。」 孤次郎は鋭い爪を大きく広げた...秘技熊手by二刀流♪
拳白「では...参る...いざ。」 拳白は鋭い爪に冷たい息を吹き掛けた。鋭い爪がツララの様にグングン伸びる!! 秘剣アイスクラッシャー♪

一時間.....互いにピクリとも動かない....ただ汗が浸り落ちる。じりじりと互いに間を縮めてはいる。
先に動くのはどちらだ? 勝負は一瞬で決まる!! 静寂と緊張と汗が入り雑じる。
二人の凄まじいまでの気が暗雲を呼び込んだ...雨音が...ポツリ...ポツリと舞い落ちる。
微かに空が光る。嵐の前触れか?
互いの思いは同じだった...早く白黒着けてやる。どちらが強いか白黒着けてやる。いざ。決着だぁあああ!!! すたっ!! スタッ!!

そして....その時がきた!!   互いが一歩を踏み出したとき....ドッカァアアアンン!!!!!!

んんっ? 勝負が着いたのか? 二人の周囲に黒煙が立ち上がる??  んんっ? 二人の姿が無い!!

二人の剣と剣とが合わさる時...二人の間に大きな雷鳴が落ちたのだ。奇しくもその時落ちた雷鳴はレンが蒙古軍により窮地に追い込まれたとき...四獣達が放った雷鳴のひとつで在った。ぼそ。

暫くして...落雷で撃たれ倒れていた黒焦げパンの様な異様な物体がむっくりと起き出した。

どうやら....白黒...着いたみたいだ。 やったー♪勝ったぞー♪ 勝ったーで♪ んんっ? えっ? 誰?
不思議な事に二人の体は一つに成っていた。 白黒着けたいと言う互いの強い想いがシンクロしたのだ。 で....勝ったのはどっち?  黒焦げパンの様な物体は側の水溜まりに自分の姿を映した。
ぎょえええ!! なんじゃこりゃああああ!!  体が体が...あわわわ...へんてこりんな体に!! なんでやねん?

パン師匠「それが今のわしじゃ!!」
レン「えぇえええええええ!!!!」

             おわり


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