レトロでハードな物語

レトロなゲーム機・マイコン・中古デバイスなどをArduinoやAVRで再活用する方法を模索しています。

ダイソーモバイルバッテリーをArduino専用バッテリーに改造する

2019年11月28日 | 電子工作

ダイソーの500円モバイルバッテリー。



本来の用途よりArduinoなどのバッテリーとして使うのに向いていると思うのですが、残念なことに消費電流が70mA位ないと給電停止になるようです。Arduino UNOの場合で本体の消費電流が20mAらしいので、他のArduinoでも消費電流の多いデバイスをつながない限りすぐに給電停止になってしまいますね。ましてや生のAVRを使うと消費電流はもっと少なくなるはずですので、このバッテリーを使うのは難しそうですね。

前にATmega328Pで赤外線リモコンを作ったときは、このモバイルバッテリーからリチウムイオン電池を取り出し、三端子レギュレータにつなげて3.3Vに安定化してから利用しました。モバイルバッテリーは5Vに昇圧して出力していたのに、そのまま利用できないなんて残念な話です。でも、このモバイルバッテリーには充電するバッテリーの保護回路があって、給電停止を止めるのは無理そうです。

Arduinoで使うには、元々の回路を普通の5V昇圧回路に入れ替えるしかないようです。バッテリーのケースは使いやすい形状なのでそのまま使い、中身の回路だけ入れ替えてみようと思いつきました。

じつは秋月電子に行った時に、いつか使うと思って5V昇圧のDCDCコンバーター(AE-XCL102D503CR-G)を購入していたのです。



これをリチウム電池につなぐだけで5V電源が出来上がるので簡単です。最大出力電流は200mA位になってしまいますが、ArduinoやAVRで利用するなら問題になることはあまりないでしょう。

方針は決まったので、まずはモバイルバッテリーの分解からはじめます。前にも行っているので要領は分かっています。
ケースにあまり傷が付かないように、いらなくなった厚めのプリペイドカードをケースのすきまに差し込んで少しずつこじ開けていきます。このケースは蓋をこじ開ける時に、どうしても爪を折ってしまいます。折れたところは、蓋を元に戻す時にグルーガンで固定するのであまり気にしないでこじ開けていきました。



バッテリーは両面テープでケースに固定されているので、バッテリー本体を傷つけないようにプリペイドカードをバッテリーとケースの隙間に差し込んで丁寧にテープを剥がしていきます。バッテリーを取り出したら、回路基板とバッテリーを切り離します。



基板はバッテリーの充電に必要なのですが、すでに以前に充電回路として取り出したものがあるので今回は捨ててしまいます。ただし、USB TypeAのコネクタは再利用するので取り外しました。


(MicroBは使いませんが一応取り外しました。)

つぎは配線ですが、バッテリー充電用と5V出力用の2系統を作ることにします。充電用はバッテリー直結の線で、以前に取り出した充電回路と接続するために2Pのピンソケットを付けました。5V出力の方はDCDCコンバーターを通してUSBコネクタにつなぎますが、こちらには電源スイッチをつけることにしました。スイッチは秋月電子で購入してあった超小型スライドスイッチ(IS-2235-G)を、元々プッシュスイッチのあった窪みにはめ込みました。うまいことにこのスライドスイッチは窪みにきっちり納まります。蓋を閉めた時に若干厚みがあるようですが、それほど気にはなりません。

バッテリーを扱うのでショートしないように半田付けは慎重に行いました。半田付けが終わった部分はすぐにグルーガンで絶縁していきました。



配線が終わったらテスターで問題がないか確認して、各パーツをグルーガンでケース内にしっかり固定してしまいます。最後に爪が折れた所にグルーガンで樹脂を流し込んで蓋を元に戻します。



これで完了です。実際にAVRで確認すると問題なく使用できました。



見た目も変わらず上手く組み立てることが出来たので、色違いでもう一つ作成してしまいました。実はDCDCコンバーターは2つ買ってあったんです。



これでAVRやPro Miniの電源を確保することが出来ました。



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