世界の南船北馬から

中国の言葉で南船北馬は旅を意味します。南は船(シーカヤック)で旅を。馬は飼ってないので北馬はいずれ。

北大武山:高砂義勇隊の石碑を読む(その1)

2011年05月31日 | 台灣/Taiwan
 台湾南部。三千メートルを越える北大武山の頂近く、日本統治時代に日本人が建立した神社がある。



 現在は大武祠と呼ばれる神社のすぐ近くに、高砂義勇隊(※1)の石碑が苔生した姿で横たわっていた。 
 この神社や石碑は、日本人に忘れ去られた、もう一つの日本の姿だと思う。
 ここでは、そのもう一つの忘れ去られた日本の歴史と記憶を呼び覚まそうと、稚拙ながら解読することにした。
 



昭和十六年十二月八日米英兩國ニ對スル宣戰ノ大詔渙 
(昭和16年12月8日、米英両国に対する宣戦の大詔を)

發セラルルヤ皇軍精鋭ハ御稜威ノ下長驅西南太平洋ニ
(渙発せられれば、皇軍精鋭は御稜威の下、長躯を西南太平洋に)

霆撃シテ随所ニ勁敵ヲ破碎シ彼ラガ積惡ノ牙城ヲシテ
(霆撃して、随所にて強敵を破碎し、彼らの積悪の牙城を)

相亞イテ慴伏スルニ至ラシメタリ我ガ高砂義勇隊亦貔
(相対して、慴伏させるに至らしめた、我が高砂義勇隊)

貅ニ伍シテ懸軍實ニ數千浬勇進奮鬪或ハ硝烟彈雨ヲ冒
(また貔貅に互して、懸軍実に数千海里を勇進奮闘、或いは硝煙弾雨を冒し)

シ或ハ瘴癘毒霧ヲ忍ヒ克ク飢渇ニ堪ヘテ其ノ任務ヲ遂
(或いは瘴癘毒霧を忍び、かつ飢渇に堪えて、その任務を)

行セリテモ更ニ敵陣ニ突入シ力竭キテ散華シタルモノ
(遂行しても更に敵陣に突入し、力尽きて華と散ったものの)

ノ忠烈ニ至リテハ赳々タル武夫ノ以テ亀鑑トスへキモ
(忠烈に至っては、赳々たる武夫を以って亀鑑とすべきもの)

ノアリ
(がある)

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大詔:天皇陛下による声明
渙発:大詔を広く発布すること
御稜威:(天皇陛下の)御威光

霆撃:稲妻の様に、素早く一気に攻撃する事
慴伏:恐れてひれ伏すこと
貔貅:伝説上の神獣。勇ましい兵の例え

懸軍:本隊を遠く離れて進軍する軍隊のこと
瘴癘:高温多湿の熱帯地域の風土病のこと
忠烈:忠義心が厚いこと

赳々:強く勇ましいこと
武夫:武人、兵
亀鑑:手本、模範

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現代語訳には全く自信はありませんが、大体の意味で書いてます。
間違っていたら、御指摘お願い致します。

※1:日本の台灣統治時代、山岳原住民達によって組織された。当時、彼らは高砂族と呼ばれ、その名前が付けられていた。

つづく

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