何もない部屋

言葉や感情が溢れそうな夜に、
詩や日々考えていることを書いてます。

こんな夜は

2016-12-22 22:02:39 | 
伝えようと
言いかけたひと言
悲しくもないのに
涙が溢れる

こんな夜は抱きしめて欲しい

もうあの人の影は追いかけない
そう決めた夜

小さくても
希望はある
ずっとあなたのことを
待っていた気がする


2016-12-10 07:00:36 | 
季節外れの雪が降っていた
静かにドアが叩く音がして
鍵がかかったままの壊れた扉を
私はゆっくりと開けた

春のような穏やかな日の光が射し込み
あたたかな風が体をやさしく包む

はじめてだけど
どこか懐かしい匂い
ずっと前から会っていたような
不思議な錯覚

外はもう雪が止んでいた
体は冷たさを感じなくなっていた

海の青さ

2016-12-03 18:54:34 | 
坂道を上り続けて
たどり着い場所は
真っ青な海が見える丘だった
それは心が吸い込まれそうなくらい
とても美しくて
遠かった

振り返り見せる微笑みも
こらえきれなくてこぼれた涙も
口づけの甘さも
幸せの余韻も
一瞬だから美しい

下ろしたてのシャツの匂い
耳元に秋の風が通り過ぎる
変わることのない
この海の青さ