山に癒されて…♪

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3連休は秋晴れのご褒美?冬の戒め? 中央アルプス紀行

2017年11月11日 | 山登り 中央アルプス
2017年11月5日(日) ☀ 宝剣岳・木曽駒ケ岳:千畳敷より往復



暗い道を通って 菅ノ台バスセンターの駐車場についてみると
数台の車がすでに停まっております

その駐車場で バスの乗車券売りの窓口が開くまで仮眠を取ります

シーンと静まり返った真っ暗な駐車場…ではなく
月明かりがほんのりと周りの景色を浮き出しております


明日のお天気は期待できそう…


そう思いながらもいつしか睡魔に襲われ
眠りの闇へと堕ちていくのに時間はかからなかったよう…

時折 体温を奪う何かに起こされ目が覚めます
外に出てみると 満点の星が夜空を飾っています
冷たい風が隙間から体の芯まで浸み込みそうな勢い…

シュラフの中に飛び込み
丸くくるまって 熱を奪われないように
小さな戦いをしながら
何時しか 眠りの世界へ落ちていきます




駒ヶ根高原 菅の台バスセンター駐車場 1回600円




周りで何やら蠢く音が…
目が覚めれば 周りは白けだし
赤く燃えるような木々の誘う夜明け

いつの間にか車が増えておりました


バスの順番を確保しようとする人々が動き出し 
静かだった駐車場が動き出しています

こちらも 寒いと着くぼってはいられないようです
早々に起き出し 順番どり奮闘!と言っても
身の軽いチチチが動き 
体の重い私は のっそりと登る準備をします



 切符売り場 

菅の台バスセンター


駒ヶ根高原 菅の台バスセンター850m ➡ シラビソ平駅1662m ➡ 千畳敷駅2612m
往復料金 大人1人 3900円


これを安いと思うか 高いと思うか…

日帰り山行では お山も金次第と言う事で
甘んじて二人分を支払います





バスセンターから見る宝剣岳



見事な紅葉に包まれて姿を見せる宝剣岳
その前にあるカールのさが…気になります

まさか…


 
12本アイゼンは持って来ております

積雪の事も考えながら ギリギリまで迷い 
家を出る直前に 冬の装備に切り替えて
冬用のザックに入れ替え 鉄ちゃんも持参することにし  
すべてパッキングを仕直したのです



雪がある 
雪はない…


さてどちらでしょうと最期まで迷います


雪の状態をみて 装備によっては
コースを変えなければなりません


軽アイゼンにしましょうか…
12本アイゼンにしましょうか…



本当に 迷うところでもあります…
雲一つない青空が一層迷わせます…


12本アイゼンであれば 
靴も変えなければなりません

装備の重さが変わります

重い荷物を極力避けたい私…
悩んだ末に 12本アイゼンを置いていくことに…


これがと出るのか と出るのか…


車の中に置いてきた 冬季の装備…
アイゼンの事がちらりと脳裏をかすめますが
軽量化を重視してしまった私でした


そして飛んでもない忘れ物をしている事に
この時は気づきもしていません…


そう…この時 
それに気付いていれば… 
12本アイゼンを 車に置いていくことは
なかったでしょうに…





 ロープウェイからの景色 駒ヶ根市街地と南アルプス連峰
 白いのは白い砂礫? それとも雪?
 千畳敷駅の外は…真っ白?


 千畳敷カールは… 


微妙な表情を浮かべて迎えてくれました 




コースタイム

S千畳敷駅 2611.5m 08:30 → 09:08 乗越浄土 2858m → 09:11 宝剣山荘 2865m → 09:35 宝剣岳 2931m 09:40 → 
10:05 宝剣山荘・天狗山荘 2865m → 10:18 中岳 2925m → 10:39 木曽駒ヶ岳 2956m 11:08 → 
11:26 中岳 2925m → 11:38 天狗山荘・宝剣山荘 2865m → 11:42 乗越浄土 2858m → 2:08 千畳敷駅G 2611.5m






千畳敷カール



千畳敷カールを歩く人々の数珠繋ぎの線



千畳敷駅



赤い駅舎に 暫し別れを告げて登っていきます
しかし…
思いのほか雪が多く足元は油断禁物状態 
滑ります…




信州駒ケ岳神社



鳥居の向こうに聳え立つ サギダルの頭

本当ならば 極楽平経由で
このサギダルの頭へと向かう予定でした

しかし降り立ってみれば…この積雪状態
装備がついていきません


これは無理だな…
このサギダルの頭も登れるのだけど
この装備ではね…
今回は 直に木曽駒ヶ岳まで登って 
ピストンがいいね



あぁぁ
アイゼン 持ってくるべきでした…


車の中に置いてきた12本アイゼンが口惜しい…


ともかく 安全祈願をして 木曽駒ケ岳へと向かいましょう




  振り返って 千畳敷駅とホテル千畳敷
 南アルプスが顔をのぞかせています

千畳敷カール


2万年前、氷河期の氷で削り取られたお椀型の地形には
うっすらと雪を纏い始めておりますが
まだ冬の姿そのものではありません

裸岩壁からなるカール壁の造形美に魅了され
圧倒されるカール地形をゆっくりと登っていきます


 散策コースと登山コースの分岐



さて ここから 稜線に出るまで な登りが続きます
別名 八丁坂を登っていきます





人の列が数珠つなぎ…
急にスピードが落ちて 列は詰まっていきます

滑る事への注意喚起!
積もった雪に用心!用心!


うつむき加減に ゆっくりと登っていきます

昔…ここは大変困難な所で 人が登るには
地獄の苦しみを味わうほどだったとか…
今ではスニーカーで登って来られる方も…

世の中も変わっていったのです…ね



 ちょ~っと急な岩ゴロゴロの斜面

 雪を付けたちょ~っとスリリング?な階段


千畳敷カールと千畳敷駅 南アルプス方面



やっほ~
一気に高度を稼いだ感じを受けます♪


 伊那前岳・北御所の分岐

乗越浄土 2858m 




大正時代の宝剣縦走は、大変困難で技術を要しました。
そのため、迂回路として、乗越(乗越浄土)から
獣道を辿って、千畳敷に下り、現在のホテル付近から
ハイマツ漕ぎをして稜線に出るふみ跡があり、
逆さハイマツ漕ぎは大変な体力が必要で、
地獄のような苦しみを強いられました
そしてやっと稜線に抜け出た時
極楽のようだと安堵したところから極楽平と付けられました

後にロープウェイが開通し、八丁坂登山道が整備されましたが、
稜線に出た場所には名前が付けられていませんでした
当時、国有林の管理は営林署が絶大な権限を持っていて、
登山道も署の林班管理の巡回路として独自の道を管理していて、
署員が毎年点検していました

その巡回員たちによって極楽平の反対側ということで、
乗越浄土という名が付けられました

八丁坂の名称もこの時付けられたといわれています

乗越とは片方の谷から登り尾根を越えて
反対側の谷に下って行くという意味で、北アルプスでは
乗鞍乗越、飛騨乗越などが知られています

本来乗越とは地形を表すことから、
固有名詞の後につけるのが慣例ですので
浄土乗越が文法上は正しいのかもしれません

              ―中央アルプス・イラスト山岳マップ HPより








稜線に出ると 遮るもののない開放的な山容から
風が自由奔放に飛び回り
少々強めに体当たりしてきます

それはまだ冷たく 汗も引っ込むほど…




青い屋根の宝剣山荘・赤い屋根の天狗山荘 2865m




伊那前岳・北御所を背に向かう先には
青と赤の小屋が 目印のように飛び込んできます

寒々しい雪の道に
眩しいほどの青い空
清々しいとは言えない気ままな風
開放的ななだらかな稜線が
先ほどの地獄の登りを忘れさせてくれます


周りを見渡していたチチが言います



行くぞ!

今さら どこに…

登れそうだ!
登れるところまで行ってみよう!

ここに来て 改めて…どこに?


宝剣岳に登るぞ!



えぇぇ


チチが黙々と登っているときは
何かを考えている時でしたが…やはり…



 宝剣山の分岐へ迷わず向かうチチ
 宝剣岳をしっかりと指す標識

 


父は迷わず向かいます


 登攀道具は持ってきています!
 チチに迷いはない様子!

御嶽山



遠く御岳山が 沈黙の見守りをしてくれています


天狗岩の上に出ますと
信州駒ケ岳神社由来のものでしょうか…
祭場のような岩場が目の前に…

この岩場の鞍部になった隅に
ザックをデポすることに…




天狗岩の上部





さてここで 登る準備をします

ここから微妙に雪がついており
私の技力では 不安が残ります

早速 軽アイゼンの力を借りることに…と!


あれ…

あぁ!



ここで気が付きます

軽アイゼンがない!


車に置いてきたのは 12本アイゼンだけ…
では…どこに…
頭の中で 記憶がぐるぐる回ります…


家を出る直前にパッキング仕直した時
軽アイゼンを入れ忘れたよう…

ガ~ン


ここで…断念せざるを得ない…
そう思ったとき チチが
自分の軽アイゼンを私に貸してくれます


下りで危険だと思えば 
懸垂で下りればいいから…


チチは自分の事も考えての行動のようです

チチの行為に甘えて
軽アイゼンを装着します
ごめんね…チチ 
ありがとう…チチ


ザイルと鉄チャンの確認をして
宝剣岳の核心部へと向かいます




 雪の状態を確認して登ります
 宝剣岳の核心部が立ちはだかります


鎖場


ポケットに雪が張り付き
アイゼンのないチチを見てドキドキ!

チチ… 気を付けて…

そんな私の気持ちなど関係ないように
さっさと登っていくチチ…



 用心に用心をしてトラバース!
 切れ立つ岩場を慎重に…そして!
 チチ宝剣岳に立つ! 

宝剣岳 2931m



とがった岩のスタンスのポケットには
雪が溜まっており 一瞬の気のゆるみが
とんでもないことになりそう…

狭い山頂は360℃の展望に恵まれ
風が気持ちよさそうに吹き荒れて ちょっと寒い!

それでも暫し 見事な展望を楽しみます






本当ならば こちら方面から登ってきていたはずでした…

しかし 中途半端なこの時期に
アイゼン無くては 不安なコースです





今度は三沢岳コース 歩いてみたい…
雲一つない空が どこまでも欲望を膨らませてくれます…


伊那前岳と奥に八ヶ岳


美しい冠雪の御岳山



飽きることのない展望を楽しんだ後は
登ってきたコースを下っていきます

下りの方が…

現実に引き戻されるときです


 さっさと下っていくチチ
 切れ落ちているトラバース部位
 チチ~怖いよ~なんて言ってられません!
 足場を確認しながら 嫌らしい雪に慎重に下るチチ




ここさえクリアすれば 大丈夫
取りつきの予定通り 懸垂下降で下る方が良いかどうか 
チチが私に問います


降りれるか…

大丈夫…



軽アイゼンがかなり役立っています
チチに迷惑かけないよう
慎重に後に続いて下ります






もっこりした駒ヶ岳の姿が見えます

景色を見る余裕が戻ってきたのは
ザックをデポしたところに戻ってきた時の事でした


ホッと一息すると
冷たい風が体の芯まで入り込みます


ヒヤッと心地よく目が覚める思い…



この季節の宝剣岳に登れた事に感謝しながら
宝剣岳を後にします



次は中岳木曽駒ヶ岳


小屋によらず 一気に行くぞ!

はい!



ここからは さほど危険なところはなさそう
漸くのんびり尾根歩きを楽しめそう…


軽アイゼンは そのまま付けておきなさい…

は…はい…



体力のない私への気遣い…
アイゼンをしていると 滑る事への負担がなく
歩きやすいこともあるからですが…

岩の上では…
用心に越したことはなさそうです…




つづく…




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2 コメント

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素晴らしいですね! (J-Blue)
2017-11-11 09:51:44
こんにちは。
雪付の宝剣岳を登るなんて凄いですね・・・・
夏場に登った事がありますが、頂上付近の鎖場と横歩きの所は
ただでも怖い所、横歩きの所(トラバース)は滑落者も何人か居る様で
チチさんの技術力や判断は素晴らしいですね!
若い頃、真冬の乗越浄土で猛烈な風に合い、怖くて下山した事もあります。

続きを楽しみして居ます。
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J-Blue様 (nanekobi5963)
2017-11-11 19:20:54
こんばんは♪

ありがとうございます

雪がどれほどついているかどうか不安でしたが
持って行った装備での限界ギリギリの雪でした
この季節が一番難しいように思う私ですが…
チチが連れて行ってくれたようなものですが
登れてよかったです♪

真冬に登られたことがあるのですね…
乗越浄土は着いた途端 今回も風が強く吹き付けてきました
半端なかったことでしょう…
八丁坂の下りも大変だと想像します

若い頃って 今思えば すごいなぁ~って思うこと
沢山してきているように思うこの頃です…が
私だけでしょうか(笑)

嬉しいお言葉♪
続きも頑張って書きますので
お付き合いくださいませね♪

コメントをありがとうございます
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