アメリカ!編みんぐ_AMING

アメリカ/ 魅了された編み物生活

アメリカの不動産、その3.

2010-02-11 11:40:53 | Weblog
1月15日、借り手と最後のウオークスルー<貸手と借り手が家の現状態を一緒に確認する>をした。たとえば、この戸はちょっと開けにくいとか、フロアのタイルにひびが入っているとかを確認しあう。これは借り手が契約が切れて、家を明け渡すときに現状と同じ状態に戻して家主に返還しなければいけないからだ。借りる前の状態よりもダメージがあれば、その修理費が手付け金から差し引きされるのは日本も同じであると思う。

アメリカらしいのは、やはり訴訟だ。特に私の家は裏庭に湖があり、ボートドックがあるので、子供たちや訪問する友人の子供たちが怪我したり、おぼれたりした場合に訴訟問題になりうることを考えて、そういった小さな問題の論争を回避するための合意やライアビリティーの条項を盛り込んだ契約書の特別条項を追加したりすることだった。

その日までは、たいしたことじゃあないと思っていたキッチンのオーブンのパッキンが以外に、最後のたいしたことになってしまい、朝早くから息子と格闘していた。と言うのは、このキャビネットのビルトインの小さなオーブンのパッキンも廃盤で見つからないどころか、とうとう新しいオーブンにそっくり入れ替えなければいけなくなったのだが、旧いオーブンが在ったスペースに新しいモデルが納まらなかったのだ。とうとう私のお得意のパッチワークのアイデアになった。旧いオーブンの上に在った棚のドアをぶっ壊し、新しいオーブンを納めた後のスペースを化粧板でカバーしてとじるようにした。<写真を参照>左が以前のオーブン、右が新しいオーブンを入れたところ。





息子は収納部分がなくなると文句を言ってたが、翌日には借り手に住める状態を見せなくてはならないので、とても急いでいた。前日には、さっそく知り合いの大工さんに突貫工事でオーブンの上のスペースをプライウッド<日本でいうベニアみたいなもの>で閉じ、周り縁をつけてもらった。大工さんにももうちょっと良い仕上げ材を使ったらとか言われたが、あとは私がペイントで塗装仕上げするから<ネバー マインド!!>と言って電話を切ったのだった。

だから、その日は朝早くから下地のプライマーを塗って、乾いた午後に仕上げのペイント塗装。息子はカーペットクリーナーでカーペットをスティーム洗浄して染み抜きしたりとてんやわんやだった。ちょうどオーブンの周りをコーキングし終わった頃、借り手の家族が訪れてきた。
2人の子供たちははしゃいで家中を走り回ったり、おばあちゃんは前回とちがって、新しいカーテンやブラインドが取り付けられたのですっかり、もう引越し気分だった。
昨年の暮れはまだ、私の怪我で手首もままならず、息子に助けてもらい私は現場監督でカーテンやブラインドを取り付けてもらった。カーテンの金具を取り付けるため、壁に穴を開けるのには、水平と垂直が大事だと口すっぱく言ったおかげで息子は今や、プロなみのカーテン屋さんである。

皮肉にも差し押さえ物件を買った私の家に、差し押さえで家を失った家族が引っ越して来ることになったのだった。
彼らはまだ、ラッキーなうちで、通常では差し押さえの前歴があると、たとえ仕事があり高給であっても、信用が凍結してしまい最低、6-7年は家の購入ローンも他のローンもできなくなる。ましてや、借家やアパートを借りることでさえ、クレジットヒストリーが悪くなり、なかなか貸手はいないのが通常だ。したがって、アメリカではこの2年間の経済危機で家を失った人びとだけでなく、次に移る家も見つからず、家族のホームレスが増加するという日本では信じられないような現象がおきている。
こういった問題を避けるために、各都市の行政では、セクション8という行政と提携した家の持ち主が実際の家賃の3分の一から半額の価格で借家を提供している。残額は行政の援助金によって支払われるシステムである。

先日、サンフランシスコへの通勤地下鉄電車の中でこんなアピールポスターを見つけた。

<43% of Alameda county's Homeless population are Families. The leading cause ?? Lack of Affordable Housing break the stereotypes understand the issue.>


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