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アメリカ/ 魅了された編み物生活

私の職場 / 不沈の帆船・Unsinkable ship

2006-06-09 08:44:44 | Weblog


ネプチューンのことを別名ポセイドンともいう。

上の写真は、うちのストアのドームの天辺にあるステンドグラスを拡大写真で撮ったものである。
ステンドグラスの絵は海の神または航路の守護神と知られている、ネプチューンの彫刻でドーム全体が海として表現されそこに航海する大きな帆船が浮かんでいる景色である。
1階のフロアからはなかなか詳細が見えにくいが4階にあるレストランからはとても豪快なステンドグラスの絵が見え、食事をしながらとてもリッチな芸術を楽しめる。

そもそもこの 歴史的建造物は1909年にフランス人移民ベルディエ兄弟によってオープンされたビラ・デ・パリ<City of Paris>というデパートの老朽化した建物を私のストアが買い取って再復元したものである。

1980年にこのもっとも芸術的なドームの骨組みと2600ピースに及ぶステンドグラスの部分をいったん解体して、マサチューセッツへ復元修理のために送った後、1982年に改めてここ、サンフランシスコのユニオンスクエアに再現し、この高級ストアがオープンしたのである。このステンドグラスの帆船は、City of Parisデパートのオリジナルマークで<この帆船は浮かぶ、されど沈まず>というラテン語が刻印されていて、不沈のビジネス精神を表呈している。こういう点、つまり歴史的に貴重な建造物を現代建築に復元再生して使うということはアメリカの企業の良い点だ。
日本であれば、とっくに全部取り壊されてしまっていることだろう。、歴史的町並みや建造物を保護する法律や規制もきびしいことながら、100年以上、親しまれた芸術品を生かして、現代建築の改造をするというのは大変な労と投資を要するにもかかわらず受け継いでいく世代の旧オーナーに対する尊敬と感謝はそれ以上だ。

3年まえ、このストアに就職を決めるとき、もう1件、就職が内定していて、どちらにしようか?と大変迷っていたが、本当にばかばかしい限りだが、私はこのステンドグラスの建築に惹かれて、、という単純な理由でこのストアに決めてしまった。アメリカで全歩合制というのはもう、ほとんど<生き馬の目を抜くような>すざましいセールス稼業で、本来の私の性格には耐えられない仕事なのだが、つらいときにはいつもこのドームの下に行ってこの不沈の帆船とネプチューンを見つめる。なぜかパワーを頂いて、いつかきっと私の夢が叶う日がやってくると信じている。それまではここで修行だと再決意。修行するには世界一流のストアはマネジメントから、マーケティング、在庫調整、といろいろ勉強になることが一杯だ。

この建物は全米の歴史的遺産にも指定され、またカリフォルニア州の歴史的建造物でもある。
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