某インフルエンザ治療薬が巷の話題なのである。
個人的にはいろいろコメントしたいこともあるが、立場上(?)ちょっと差し控えさせていただいて、少々関係する事項についてコメントしておきたい。
お薬の「副作用」が起こると「添付文書」にも「副作用の注意書きがある」と言われることがある。この「添付文書」というやつ、名前のとおりお薬に添付されているもので、お薬の使い方や効能、副作用など医師・薬剤師が知っておくべき情報が記載された文書である。
この添付文書は、記載事項についてお上の了承を得る必要があるので、たいそう重要な文書ではあるが実は副作用の情報は結構心もとない面もあるのである(ちょっと主観)。
薬事法上、お薬を販売している会社は販売後「全ての」副作用を収集する義務があり、かつ、お上に報告する義務も生じる。たとえば、営業(MR)さんがDrと話をしていて、そういえばこの間○○を使ったら、患者さんが下痢しちゃってさぁ、なんてことになったら、すぐに本社に連絡して、本社の担当部署は情報を収集、お上に報告する必要がある。というのも、「副作用」とは、定義上お薬を使ってから生じる望ましくない現象全てであり、お薬との因果性が「否定されない」もの、というのが定義であるため、実際に患者さんにお薬を使った医師が「う~ん、このお薬が影響したか、よくわからないなぁ」と言った場合は全て副作用となるのである。
お薬を売っている会社としては法律に従う必要があるので、法律に従って対応している訳だが、はっきりいって一日に何十件も副作用の報告はある(会社の規模や売っているお薬によっても違うだろうが)ので、いろいろ勘ぐる人はいるかもしれないが、隠蔽するのも面倒なくらいまじめにルーチンにこなしているのが現状である(と言っても私がこの手の業務を経験したのは10年くらい前だが)。
「まじめに」法律にしたがって、仕事をこなすとどうなるか、全国各地から副作用情報が届き、お上に報告していくと、特定の「副作用」(科学的に言えば「現象」の方がしっくりくるが)が増えてくる。当然のことながら、ルーチンにお上に報告しておけばそれでよい、ということはなく、お上からはなんとなく「何か対応しろよ」というプレッシャーがかかるのである。「副作用」が増えてきたから、何らかの対応をする、というのは極めて自然な流れだが、ここで行うのが「添付文書改訂」である。
つまり、添付文書にこういう副作用があるかもしれないから気をつけてね、と記載して注意を喚起するのである。さて、ここでいくつか問題があるのだが、長くなったので、次回に続く(と思う)。
個人的にはいろいろコメントしたいこともあるが、立場上(?)ちょっと差し控えさせていただいて、少々関係する事項についてコメントしておきたい。
お薬の「副作用」が起こると「添付文書」にも「副作用の注意書きがある」と言われることがある。この「添付文書」というやつ、名前のとおりお薬に添付されているもので、お薬の使い方や効能、副作用など医師・薬剤師が知っておくべき情報が記載された文書である。
この添付文書は、記載事項についてお上の了承を得る必要があるので、たいそう重要な文書ではあるが実は副作用の情報は結構心もとない面もあるのである(ちょっと主観)。
薬事法上、お薬を販売している会社は販売後「全ての」副作用を収集する義務があり、かつ、お上に報告する義務も生じる。たとえば、営業(MR)さんがDrと話をしていて、そういえばこの間○○を使ったら、患者さんが下痢しちゃってさぁ、なんてことになったら、すぐに本社に連絡して、本社の担当部署は情報を収集、お上に報告する必要がある。というのも、「副作用」とは、定義上お薬を使ってから生じる望ましくない現象全てであり、お薬との因果性が「否定されない」もの、というのが定義であるため、実際に患者さんにお薬を使った医師が「う~ん、このお薬が影響したか、よくわからないなぁ」と言った場合は全て副作用となるのである。
お薬を売っている会社としては法律に従う必要があるので、法律に従って対応している訳だが、はっきりいって一日に何十件も副作用の報告はある(会社の規模や売っているお薬によっても違うだろうが)ので、いろいろ勘ぐる人はいるかもしれないが、隠蔽するのも面倒なくらいまじめにルーチンにこなしているのが現状である(と言っても私がこの手の業務を経験したのは10年くらい前だが)。
「まじめに」法律にしたがって、仕事をこなすとどうなるか、全国各地から副作用情報が届き、お上に報告していくと、特定の「副作用」(科学的に言えば「現象」の方がしっくりくるが)が増えてくる。当然のことながら、ルーチンにお上に報告しておけばそれでよい、ということはなく、お上からはなんとなく「何か対応しろよ」というプレッシャーがかかるのである。「副作用」が増えてきたから、何らかの対応をする、というのは極めて自然な流れだが、ここで行うのが「添付文書改訂」である。
つまり、添付文書にこういう副作用があるかもしれないから気をつけてね、と記載して注意を喚起するのである。さて、ここでいくつか問題があるのだが、長くなったので、次回に続く(と思う)。