祖父の回顧録

明治時代の渡米日記

スクールボーイの変遷(2)女流画家ローマ家で働く

2012-01-24 21:38:36 | 日記
11月10日のブログで「24.サウサリートへ移りローマ家で働く  十一月下旬に一年振りにシスコを去ってホットした。今度の家はローマ家(Roma)といって、ローマ夫人は画家で、サンラフェール・ハイスクール(Sanrafail)の図画教師として就職する傍ら、家のアトリエで絵筆をとっていた、相当名の売れた画家であった。未亡人で老婆と息子(John:ハイスクール生)一人の三人暮らしであった。
 家は古いが大きい立派な邸宅で、海岸から聳え立つ丘の上に建っており、アトリエや客間から海を眺める景色は実に美しく、遠く対岸の山々も一望に眺められた。付近には住宅もなく、閑静そのものの場所で、空は清澄、空気は新鮮、樹々の緑は濃く、全くの別天地で、シスコのハッスル、バッスル(hustle and bustle:町の騒音)から脱れ出してよかった。
 日中は夫人も子供も通学するので、留守居の老婆を世話して家の炊事の仕事やアトリエの清掃をすれば、後の時間はレジャータイムだった。 
 私はよくGrandma(老婆)の面倒を見たので、老婆は訪れる人に、”Saburo is a very kind and nice boy. ”(三郎は親切で良い子供だ)とほめてくれた。日曜日には夫人は終日アトリエに閉じこもって絵を書くので、側で筆のタッチなどを眺めることができた。主として海岸の景色だった。時には画板を提げてスケッチに行くこともあり、私は子供とよく表でキャッチボールなどをしてツレツレを慰めた」
とあります。Romaさんはどのような人だったのか興味を持ち調べてみました。かなり苦労しましたが、Netで1件それらしい人を発見です。多分Jane (Jennie) Roma McElroy (1867 - 1923) だと思われます。サンフランシスコ生まれで地元でずっと絵を描いていたようです。
http://www.askart.com/askart/m/jane_jennie_r_mcelroy/jane_jennie_r_mcelroy.aspx このサイトに絵が載っています。やはり海岸の風景のようです。


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