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グルコサミンはなぜ“糖尿病”患者に注意がいるのか

2004年10月06日 | まち歩き
 変形性膝関節症によるひざや腰の痛みに効果があると、欧米、日本国内でも人気のサプリメントです。
 グルコサミンは、ブドウ糖とアミノ酸の複合体であり、もともと生体内に存在する物質です。
 生体各組織に分布するグルコサミン代謝系としての糖転送にも関係してることはあまり知られてません。

糖尿病の発症、特にNIDDM(インスリン非依存型糖尿病)発症初期にインスリン抵抗性が重要な要素であり、糖尿病発症時の慢性の高血糖状態は、それ自体、インシュリン分泌に対して抑制的(ブドウ糖毒性glucose toxicity)に働く。筋肉での糖利用や肝臓での糖新生抑制(糖放出の抑制)などのインシュリンの作用も高血糖により障害させると考えられている。
 筋肉での糖利用障害については、高血糖自体が糖輸送を低下させるが、この抑制効果は血中ブドウ糖よりもブドウ糖から細胞内で合成されるグルコサミンの方がより強力である。
 これは、グルコース輸送体であるGLUT-4のトランスロケーション(細胞内から細胞膜への移行)をグルコサミンがより強力に抑制するためであり、糖毒性はグルコースよりもグルコサミンの方が強力と言える。
 糖輸送が低下するとブドウ糖が細胞内に取り込まれず血糖値は上昇する。
また、ブドウ糖からグルコサミンが生合成される際に働くGFAT(glutamine : fructose-6-phosphate amidotransferase)という酵素がNIDDMの筋肉中には健常者と比べると多く認められると言う報告もあり、これらは、NIDDMの2次的変化と考えられる。

糖尿病患者がサプリメントとしてグルコサミンを摂取することは、
①グルコサミンはグルコースの複合体である
②糖毒性はグルコースよりもグルコサミンの方が強力である。
③グルコサミンの補給はNIDDMにおけるGFAT(グルコサミン生成酵素)活性亢進という2次的変化と同じ意味を持つことになる。

以上の点から血糖値上昇の危険性があるので、使用時は専門家にご相談下さい。
ただし、以上の事は、論理的に危険性があるが、実際に糖尿病患者にグルコサミンを使用しても血糖値に影響を与えなかった例も多数あります。