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日常のちいさな旅

平 川 渚 Hirakawa Nagisa

作ったもの、見たもの  記録、お知らせ、報告

大木千波展「富士山と美少女」

2007年12月29日 | exhibition
12月23日、福岡市の3号倉庫で開催された大木千波さんの個展「富士山と美少女」のクロージングパーティーにおじゃましました。



11月に湯布院で個展をしていて、その数週間後の開催。その大木さんのパワーにも驚くし、作品のパワーにも驚きました。すごいなぁ、と単純に思った。
実は私の貘の個展の搬入日、夜3号倉庫に泊めてもらったのですが、開催直前で追い込み真っただ中の大木さんが倉庫に泊り込みで制作していました。なにか制作に対する姿勢に、感銘を受けました。次は何を見せてくれるのか、とても楽しみです。




「 無  言 」 / アートスペース貘

2007年12月10日 | exhibition
本日12/10から12/27まで、福岡市天神の「アートスペース貘」で、個展を開催しています。




平川渚 展 「 無 言 」
会期:2007/12/10-12/27
時間:11:00~20:00(最終日~17:00)
場所:アートスペース貘
住所:福岡市中央区天神3-4-14
web :http://artspacebaku.net


天神の「親不孝通り」を繁華街の方向から入ってすぐ、吉野家の2軒先に「信長」というお店があり、その2階にあるギャラリーです。通りにちいさく動物の貘の絵が目印の看板が出ています。ギャラリーの隣は「屋根裏獏」という、何時間でも居座っていたくなる素敵なカフェになっています。

これまで主に特定の場所と自分が関わることを目的に作品を作ってきたような気がしますが、今回は自分の内へ向かったものになりました。

大体土日はギャラリーか天神周辺におりますので、ぜひ多くの方とお会いできるのを楽しみにしております。

Wあつしの大運動会

2007年11月06日 | exhibition
大須賀町の文化展でgallery sensenciブースから「羊羹問答」という文楽人形パフォーマンスで参加していた深澤孝史くんが文化展の翌日、横浜のBank Artで何やらイベントに参加するというので見にいきました。深澤くんは大学の4つ後輩でもあり、アートかくれんぼ2、3に参加してくれたりインスタレーションの誕生日プレゼントをくれたりした人でもあります。

フライヤーをよく読むと、Bank Artが取り組んでいる「Cafe Live Series」でBank Art賞になった「Wあつしの大運動会」というもであるらしい。詳しくはWあつしのブログ→http://camewaka.exblog.jp/



Wあつしのお二人は昨年「取手アートプロジェクト」にて野村誠さん主宰のACD(あーだ・こーだ・けーだ)がきっかけで結成され、深澤くんをはじめそのメンバーの方たちやその周辺の方々が参加しながら全7日間の日程で様々な楽しい競技が開催されたようです。私が行った日は大運動会の初日で、会場に着くとお客さん第一号ということで深澤くんが今日の出演者であるWあつしの山中カメラさん、宮田篤さん、野村誠さん、江渕美帆さんらに紹介してくださいました。その後開会時間まで少し時間があったので深澤くんとガムテープでちっちゃな運動会場を作ったりしました。



約15人ほどの観客が集まると大運動会はWあつしの二人の開会宣言から始まり、野村誠さんのピアニカの演奏を先頭にした行進、Wあつしの大運動会のうたの斉唱、BankArt体操、チラシ彫刻やらににん作曲やらの競技が行われました。全ての競技に観客も参加し、私はピアニカの音程で目隠しをした走者を導くというににん作曲で2位になり、山中カメラさんから賞品としてYashicaの「ELECTRO 35」というカメラを頂きました。なんでも、とっても貴重なものであるらしいです。大切に使おうと思いました。

参加して思ったのは、野村誠さんを始めこの日の出演者のみなさんはとっても純粋に楽しいことをしているなぁということ。そこには上下関係とかしがらみとか義務とか全くなくて、なんだか心が洗われました。それと、単純に体を動かしたり音を出したりするのは楽しい!ということ。今までほとんど意識してこなかった部分なので、とても新鮮でした。また機会があったら参加したいです。



「沈黙から」塩田千春展

2007年11月05日 | exhibition
10月29日、神奈川県民ホールに塩田千春展を見にいきました。

今年春に東京国立近代美術館で開催された「リアルのためのフィクション」展で、自身がアパートの浴槽の中でひたすら頭から泥を浴び続ける映像作品を観て、すごく衝撃を受けた作家。モノクロの映像だったので、泥が血のようにも見えた。でもそういう行為への漠然とした必然性も自分の中に感じたし、そういう行為への憧れめいた感情も自分の中に感じました。その作家の大規模な個展ということで、静岡からの帰りに1日時間があったので行ってきました。



会場の中に入ると、地下を見渡せるようになっていて、焼け焦げたグランドピアノとその周りにあるたくさんの椅子から黒い糸が無数に絡まりながら天井に向かって伸びているという壮大なインスタレーションが広がっていました。まずその景色に衝撃を受け、階段から地下の会場に降りていくと、展示室の壁という壁に黒い糸が這っている・・・。
わー!わー!わー!わー!と心の中で叫びながら薄暗い展示室の焦げた椅子の周りを熱でうかされたようにぐるぐる回っていました。呼吸するのも忘れるくらいの衝撃。次の展示室に入ると、もう、何と言ってよいのやら・・・。言葉が見つかりません。

最初の館の挨拶文で塩田さんの作品について「緊迫感を見るものに与える」というようなことが書かれていたけれど、今回の展示にそういうものは私は全く感じませんでした。黒い糸が光に照らされている様はとても神々しく美しかったし、糸で縛られたベッドの中で眠る女性たちは羨ましくすらあった。割れたりひびが入ったたくさんの窓でできた作品にはほっとするような暖かみみたいなものも感じました。
一見「緊迫感」を生み出すそういう要素を扱うことにすごく共感できるし、生体的な欲求がそこにあることがなんとなくわかるというか。作者の意図は違うのかも知れませんが。
ともかく、見れてよかったです。


エルネスト・ネト展

2007年10月12日 | exhibition
先日、香川県の「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館」に、エルネスト・ネト展を観に行ってきました。



巣籠りが終わったら、絶対行こうと決めていた展覧会。巣籠り中も、何人かの方から「ネトって知ってる?」とか「ネト展観た方がいいよ」など言われてました。

膜で覆われたテント状の薄暗い空間に、さまざまなかたちのものが。体の中に入り込んだみたいだった。
写真を撮ってもいいとのことでした。

 

 

見えないけれど知っている、かたちと感触。
会場の設計図を見ると、人が手をつなぎキスをしているように見える。「キスをするふたり。愛し合い、ともに夢見る。よりよい世界を、まだ見ぬ我が子を、そして人生と人類とこの星の未来を。」という言葉が添えられていました。
テントの外側にも、迷路みたいな膜の間をすりぬけていくと初めて出会うことができる作品が何点かありました。不思議な感覚。この感覚、どこかで体験したことがあるような・・・。中でも、ターメリックとチョウジが入った大きな重し。これがテントの全ての重みを支えているのだそうです。ただ単に体感型の気持ちいい空間を作っているのではなくて、ひとつひとつの要素が意味を持っていることが伺えて、そういう点がすごく素敵だと思いました。

しかし、祝日の最終日なんかに行くものではありませんね・・・
混雑していたため、整理券が配られて鑑賞できるのは30分と決められていました。しかも、素材が繊細な上に寝転がったりできるため、なんか、しみとかの汚れがついてたり破れてたり、、、心ゆくまでリラックスできるような状況ではなかったのが残念でした。次回からは早目に来ようと思いました。

四国なんてすぐそこ、と軽い気持ちで出かけたけれど、日帰りするのはもったいなかった・・それでも瀬戸大橋を電車で渡っている時に見た景色は、すごくすごくきれいでした。右も左も海で、遠くまで島々が見えるのです。海を渡る貨物船や灯台や集落なんかも上空から見れたり、鳥の群れが電車の窓の外を飛んでいたり、10分か15分の間だったけど、この景色が見れてよかったなぁと思いました。今度はゆっくり来よう。